Photo by Toshiharu Minagawa.


 ウィンダム・ヒルの歴史はウィリアム・アッカーマンの歴史でもあります。特に彼がプロデュースした作品は、レーベル色が色濃く反映されているといってよいでしょう。というのも、やはり彼がウィンダム・ヒルそのものだからに他ありません。
  ここでは、ウィンダム・ヒル・レーベルを売却した後に立ち上げたImaginary Roadという新しいレーベルに併せて新設したウィルのスタジオ、イマジナリー・ロード・スタジオで製作されたウィルのプロデュース作品のうち、2005年にリリースされたアルバムを紹介します。

なお、オムニバスなどのエグゼクティブ作品は割愛しています。ウィンダム・ヒルの作品集はコチラをご覧下さい。




SOUNDS FROM THE WISHING WELL / Patrick Gorman -2005-
Patrick Gorman
 ウィルがピアノ・ソロのプロデュースをするのは一体いつ以来のことでしょうか。これがまた素晴らしい。たった1回のセッションでレコーディングが済み、ウィルにとって作る喜びを再認識したアルバム作りになった一枚。スタインウェイの透明感を見事に再現しています。(レビュー




THE VOICE / Stanton Lanier -2005-
 アルバムジャケットにはピアノソロ、となっていますが、実際は3と6にはヴォーカルのNoah Wildinが9と13にはチェロのEugene Friesenが参加し、透明感のあるピアノとの語らいが楽しめます。先のPatrick Gormanに引き続きアッカーマンがピアニストのアルバムをプロデュース。(レビュー




ALLURE OF SANCTUARY/Karen Marie Garrett -2005-
 自作に混じってエリック・サティの“グノシェンヌ”が収録されています。ウィルにとってのサティは1979年のビル・クイスト以来のレコーディングという興味深い選曲です。ピアノソロの他、ミスター・チェロマンことEugen Friesenとの共作が2曲(2、11)。クレジットこそされていませんがイングリッシュ・ホーンのJill Haley、そしてのちにウィルの奥様となるSusan Whittleのヴォーカルがタイトルトラックとして収録(4)されています。Stanton Lanierの“THE VOICE”と姉妹作に近い作風です。(レビュー

RELEASED / Jeff Oster-2005-
 そもそも【AT LAST】という4曲入りのミニアルバムが2004年に制作されていましたが、そのアルバムに5曲追加収録して再リリースされたのがこのアルバムです。アッカーマン他、アーバーグやビシャラットなど、ウィンダム・ヒル・メイツが参加。マーク・アイシャムやポール・マッキャンドレスなど笛系または、シンセ系が好きな人にはお薦め。アッカーマンも独特なギターを披露し、アーバーグは全編シンセで参加しています。“At Last”は、アッカーマンとの共作で2005 Independent Music AwardにおいてBest New Age Songを授賞、アルバムも2005 NAR Lifestyle Music AwardsにおいてAlbum of the Yearを授賞しています。(レビュー



Imaginary Road Studios 1995-|Imaginary Road Studios 2005|Imaginary Road Studios 2006
 
 
(2023/06/03)