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01.Bella 02.Give Up The Ghost 03.Citrus 04.Saravensara 05.Fountains 06.Ramah By Moonlight 07.Naomi 08.Prism Bell 09.Arabian Moonrise 10.Velvet Sun 11.Sadowgirl 12.Sleep Dance Patrick Gorman ; Piano |
ここ数年のウィルは、自身のホームページでも呼びかけているように「レコード制作を手伝う」というメッセージを掲載しています。今回紹介するPatrick Gormanも2004年10月、そのメッセージに対してウィルにプロデュースを求めてきたピアニストのひとりでした。しかもウィルがピアノソロのプロデュースをするのは一体いつのことでしょうか。これがまた素晴らしい。 クレジットにウィルがコメントを寄せていますが、Patrickはウィルがどういう人物で(ウィンダム・ヒルの創設者でありギタリストであるということ)、しかもウィルが手がけてきたピアノ・アルバム(ジョージ・ウィンストン、リズ・ストーリー、フィリップ・アーバーグ)を誰一人聴いたことがないということに驚いたということです。まるで「外の世界を知らない狼に育てられた少年のようだった」。それほど彼の奏でる音楽は「彼にしか作り得ない」ものでした。そして12:30pmに始まったセッションは7:30pmにすべてのレコーディングが終了したことも、ウィルにとっては作る喜びを再認識したということです。(Patrickはセッションの始めに時間内に終える、と宣言したそうです) Patrickはクラシック音楽が根底にあり、特にアッカーマンが影響を受けたエリック・サティの楽曲を連想させてくれます。ウィンダム・ヒル系でいうならばW.A.Mathieuの『AVAILABLE LIGHT(自然光)』に近い世界です。他にもジョルジュ・ミゴやフェデリコ・モンポウ、吉松隆などのピアノ好きな方にはお薦め。 ピアノは「9' Steinway CD327 Concert Grand Piano」。独自の音世界を聴かせてくれます。マイナー調な曲が多く、決してコマーシャルな感じはありませんが、その音の一粒一粒からは光と影、風や雨といった風景を創り出す重要な自然界の息吹を感じさせてくれます。自然界のざわめきが、メロディアスに聞こえないからといって、森のざわめきや川のせせらぎが、耳障りな音に感じないのと同じで、パトリックのピアノはリスナーの五感に、とても心地よく染み込んできます。 なお、アッカーマンがプロデュースしている他のアーティストの作品では、ギターやパーカッションなどで彼の名前を見つけることができます。 |