このページでは、私の好きな「デンオン・アリアーレ・シリーズ」が1989年にリリースしたアルバムを紹介します。 もともとデンオン・アリアーレ・シリーズは、フルートの有田正広を中心としたバロック作品を紹介するというコンセプトでスタートしたシリーズでしたが(たぶん)2011年に終了。これまで有田氏を中心とする日本の演奏家たちによるバロック音楽と、古典派の作曲家たちのカタログが多数リリースされるようになり「バロック」にこだわることのない作品集をリリースしてくれていました。 そして、このシリーズのユニークな点は、様々なアーティストの魅力あるアルバムが、私の好きな画家である有元利夫(1946-1985)の作品をジャケットに使用していることではないでしょうか。 有元氏の作品は、自身もリコーダーなどのバロック音楽を奏でるだけあって、タイトルにも音楽用語や作曲家の名前が登場します。なので、音楽のコンセプトに見事調和しているのではないでしょうか。このおかげでビジュアル的にも統一感のあるシリーズとなり、ジャケットを飾って眺めながら、そして星空に想いを馳せながら音楽を楽しむことができるのです。 ここでは、1989年にリリースされたアルバムを紹介します。 |
1. フルートとチェンバロのためのソナタ ロ短調 BWV1033 1989年1月16、17日(BWV1033、1034、1035)、5月29日(BWV1031、1020)、
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小沢征爾や、テレビやメディアによく登場する日本人アーティスト以外はほとんど注目しなかった私が日本人アーティスト(それもオリジナル楽器奏者)に開眼するきっかけを作ってくれたのが、このアルバムで、しかもリリース当初は、デンオンのホームページでも回想されている様に格調高い、いかにもクラシックという感じのアルバムジャケットでした。それが1992年のセカンドプレスから、私の好きな画家の一人である有元利夫の「光る箱」という作品が使われる様になり、このデンオンのアリアーレ・シリーズの方向が決定しました(詳しくはレーベルのページにあります)。 2010年に再販されたブルースペックも見送ろうかと思っていましたが、有元のイラストをあしらったジャケット、言い換えれば有元のジャケット欲しさに購入してしまいました(笑) このアルバムには有田氏の奥様である千代子夫人がチェンバロ、そして鈴木秀美がバロックチェロという布陣でレコーディングされています(三人とも東京バッハ・モーツァルト・オーケストラのメンバー)。私は今までに、先の日本人アーティスト以外、ほとんど手にすることはありませんでしたが、解説には使用楽器(3本を使い分け、そのうちの1本はブリュッヘンから譲られたと言うThomas Stanesby Jr.の1730年製の銘器を使用していることでも話題になっていました)の写真なども掲載され、古楽器への興味と、古楽器を演奏する日本人アーティストがこんなにも多かったのかと驚かされました。そして古楽器への関心が増々高まった一枚となりました(もともと古楽器を聞くきっかけとなったのは、星空との関連からでした)。 有田氏のこのアルバムを知る以前は、フランス・ブリュッヘン(1975)と、有田のアルバムとほぼ同時期にレコーディングされていたバルトルド・クイケン(1988)を良く聴いていました。 |
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