星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

 このページでは、私の好きな「デンオン・アリアーレ・シリーズ」を紹介します。もともとデンオン・アリアーレ・シリーズは、フルートの有田正広を中心としたバロック作品を紹介するというコンセプトでスタートしたシリーズでしたが、2013年現在までに、有田氏を中心とする日本の演奏家たちによるバロック音楽と、古典派の作曲家たちのカタログが多数リリースされるようになり、「バロック」にこだわることのない作品集をリリースています。

 そして、このシリーズのユニークな点は、様々なアーティストの魅力あるアルバムが、私の好きな画家である有元利夫(1946-1985)の作品をジャケットに使用していることです。有元氏の作品は、自身もリコーダーなどのバロック音楽を奏でるだけあって、タイトルにも音楽用語や作曲家の名前が登場します。なので、音楽のコンセプトに見事調和しているのではないでしょうか。このおかげでビジュアル的にも統一感のあるシリーズとなり、ジャケットを飾って眺めながら音楽を楽しむことができるのです。

ここでは、1993年にリリースされたアルバムを紹介します。


テレマン:パリ四重奏曲集


1. パリ四重奏曲 第1番 ニ長調
2. パリ四重奏曲 第2番 イ短調
3. パリ四重奏曲 第3番 ト長調
4. パリ四重奏曲 第4番 ロ短調
5. パリ四重奏曲 第5番 イ長調
6. パリ四重奏曲 第6番 ホ短調

有田正広:フラウト・トラヴェルソ
♪Johann Scherer, Paris or Butssbach, ca.1750

-トウキョウ・バロック・トリオ-
寺神戸亮:バロック・ヴァイオリン
♪Carlo Ferdinando Landorfi, Milano, ca.1752?
上村かおり:ヴィオラ・ダ・ガンバ
♪Francois Bodart, Chastre, 1985, after Johannes Tilke
クリストフ・ルセ:チェンバロ
♪Jean Henri Hemsch, Paris, 1761(Le Musee Instrumental du Conservatoire

♪1992年8月4-8日、パリ、コンセルヴァトワール

- ジャケット:ジーグ -

 



無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバ・リサイタル


1. アーベル:5つの小品 ニ短調
2. オルティス:「装飾変奏法」より4つの無伴奏レセルカーダ
3. シェンク:「ドナウ河のこだま」Op.9よりソナタ 第6番 イ短調
4. テレマン:「忠実なる音楽の師」よりヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ ニ長調
5. シンプソン:「ディヴィジョンヴァイオル」より3つのプレリュード
6. ヒューム:「エア集 第1部」より2つの小品

ヴィーラント・クイケン:ヴィオラ・ダ・ガンバ
♪Nicolas Berrand, Paris, 1985, after Johannes Tilke

♪1993年2月21、22日 オランダ、ハーレム、ルター教会

- ジャケット:流れ星 -



ルクレール:ヴァイオリンソナタ集 (第3巻 Op.5より)


1. ヴァイオリン・ソナタ 第7番 イ短調*
2. ヴァイオリン・ソナタ 第6番 ハ短調「トンボー」*
3. ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ニ長調**
4. ヴァイオリン・ソナタ 第11番 ト短調*
5. ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ハ長調*
6. ヴァイオリン・ソナタ 第4番 変ロ長調**

寺神戸亮:バロック・ヴァイオリン
♪Francois Bodart, Beez-sur-Mewse, 1991, after Stradivarius, 1708
クリストフ・ルセ:チェンバロ
♪Bruce Kennedy, Amsterdam,1985, after M.Mietke, Berlin, 1702-4(VI/VII/X/XI)
♪Bruce Kennedy, Amsterdam,1988, after P.Taskin, Paris, 1769(IV/VIII)
上村かおり:ヴィオラ・ダ・ガンバ*
♪Francois Bodart, Chastre, 1985, after Johannes Tilke(VI/VII/X/XI)
鈴木秀美:バロック・チェロ**
♪Andrea Amati, Cremona, ca.1570(IV/VIII)

♪1993年2月26〜3月9日 オランダ、ハーレム、ルター教会

- ジャケット:白い部屋 -

 レコーディング・データを見ると、前作にあたるヴィーラント・クイケンのソロアルバムのセッションに引き続き行われたのでしょう。ロケーションと日時が近いようです。今作は寺神戸亮氏のソロ・アルバムということで、ルクレールが取り上げられました。私はこの作曲家の「2挺のためのヴァイオリン・ソナタ」がバロックにのめりこむきっかけとなった経緯があるので、非常に楽しみな作曲家の作品でした。このセッションは曲によって通奏低音が異なっています。作品VI/VII/X/XIではチェンバロが1702年をモデルにした楽器にヨハネス・ティルケをモデルに製作されたヴィオラ・ダ・ガンバ。IV/VIIIは1769年のタスキンをモデルにしたチェンバロに1570年ころのクレモナによるバロック・チェロ。



モーツァルト:ハイドンセット
  



Vol.1
弦楽四重奏曲 第17番 変ロ長調 K458「狩」
弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K387

♪1991年2月、イギリス、オーフォード、聖バーソロミュー教会

- ジャケット:春 -


Vol.2
弦楽四重奏曲 第19番 ハ長調 K465「不協和音」
弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K428(421b)

♪1990年、イギリス、オーフォード、聖バーソロミュー教会

- ジャケット:転生 -


Vol.3
弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調 K421(417b)
弦楽四重奏曲 第18番 イ長調 K464

♪1992年、イギリス、オーフォード、聖バーソロミュー教会

- ジャケット:春 -

-クイケン四重奏団-
シギスヴァルト・クイケン:バロック・ヴァイオリン
♪Giovanni Grancino, Milano, ca. 1700
フランソワ・フェルナンデス:バロック・ヴァイオリン
♪Francois Bodart, after Stradivari. 1989
マーレーン・ティアース:バロック・ヴィオラ
♪Anonymus, North-Italy, end 17th Century
ヴィーラント・クイケン:バロック・チェロ
♪attributed to Andrea Amati, Cremona, ca. 1570

 モーツァルトが「親愛なる友」に送った6曲からなるセット。通称「ハイドンセット」と呼ばれるこの6曲は、このジャンルの最高傑作として、後の作曲家たちがなかなか手を出す事が出来なかった、と言われるほどの完成度のある楽曲と言われています。クイケン四重奏団は第1集(K458/K387)、第2集(K465/K428)、第3集(K421/K464)と分けられてリリースされました。ジャケットがそれぞれ異なり、有元ファンとしては嬉しい限りですが、できればセットものとしてまとめてくれればいいのに、と思ったりします。
 レコーディングは多岐にわたっているため、Disk1、2はTim Handly、Disk3はNicholas Parkerに代わっています。



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