役に立たないレビュー「SACD」篇

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 画家の有本利夫が使われて(私の)注目を浴び、それが日本人アーティストに目を向けるきっかけを作ってくれたデンオン(コロンビア)のアリアーレシリーズです。室内楽が多いシリーズで、音質も良く、オーディオ的にも優れたソフトでした。
  このフォーマットになったきっかけは、やはり同シリーズのファースト・アルバムだった有田正広のバッハというのも、偶然ではないでしょう。

 もともと海外のアーティストだけしか聴いていなかったのが、SACDというフォーマットのおかげで国内アーティストに目を向けるようになったワタクシ・・・海外の評論家にも評判の良いメイド・イン・ジャパンをもっともっと増やして欲しいと切に願っております。
  思うに、このフォーマットのおかげで、ばーんと(貞子じゃないが)部屋の中に演奏家が入ってきたような錯覚さえ起こるSACD。

 どんな優れた演奏も、SACDを聴いた後では「機械的(CDというオーディオ)にしか聞こえなくなり、SACDだと「アーティストが奏でている」ように聞こえてきます。もしかしたらフォーマットで損をしている演奏家はたくさんいるんじゃないだろうか?と思えてしまいます(特に日本人アーティストの場合←私の聴き方にも問題があるかも)



フルートソナタ集(バッハ)/有田正広
 有田氏のバロックものを専属にリリースすることからスタートしたアリアーレ。1989年に立ち上げられ、実に三度目になるバッハのフルートソナタ全集。しかも今回はモダンフルートです。伴奏は夫人の千代子さん。

 SACDというフォーマットなので、ピリオドを期待していましたが、これはこれで満足です。


フルートと管弦楽のための作品全集(モーツァルト)/有田正広
 有田氏のSACD二作目。こちらは室内楽ではなくオーケストラ。モーツァルトの溌剌とした音楽が瑞々しい音で部屋一杯に広がる経験が出来るのは、やはりSACDのおかげ。あとは自分ちの部屋でどれだけ音量を上げられるか(汗)が問題。。。

無伴奏チェロ組曲(J.S.バッハ)/寺神戸亮
 バロック・ヴァイオリンの名手がチェロ組曲?なんて思いましたが、最初はヴァイオリンに編曲した版を演奏しているのかと思っていました。

 この組曲で謎に包まれた第6組曲、当時からチェロで演奏せず、スッパラという、ギター程度の大きさの小型チェロで演奏していたのではないか?という説があるそうです。

 世界で初めてその楽器を復元し、それをマスターした寺神戸氏がレコーディングに望んだものがこれ。その試みもかなり挑戦的(他に誰も演奏していない)だったようですが、ここから聞こえてくる音のなんと美しいことか!

 私はカザルスや、マイスキーの二つの無伴奏、そしてピリオドでレコーディングされた鈴木秀美氏のものを好んで聴いていましたが、ここに新たな名盤が生まれたような気がします。しかもSACDという音の素晴らしさ。このメディアから聞こえてくる音は、まさに目の前で演奏してくれているような臨場感に溢れているのです。


無伴奏ヴァイオリンのための幻想曲(テレマン)/寺神戸亮
 SACDのフォーマットは、大容量ということで、長時間収録のソフトも存在していますが、どうもそれに伴う「音飛び」のレポートも耳に入ってきます。それを見越した対応なのか、このCDは2枚組です。飛ばないに越したことはありませんが、値段も2枚分なので懐が・・・

 ま、それはさておき、ヴァイオリン一挺という作品。すごい臨場感です。レコーディング場所の教会そのままに再現されているようです。


モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集/寺神戸亮
 ベートーヴェンのヴァイオリンソナタは全曲レコーディングとなりましたが、できればモーツァルトも同じく全曲をと願っています。で、SACDでね。