星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)




  「星の音楽、宇宙の響き」というページ名に、情報がよせられて、こんなにも多くの作曲家が宇宙との繋がりを求めて「天球の音楽」を作曲していたなんて、正直驚いてしまいました。一覧という形で、古代〜現代をひっくるめてリストアップしてきましたが、だんだん乱雑になってきてしまったため、年代毎にまとめることにしました。

 ここではもっとも長い期間、中世〜1700年までをひとまとめにしています。とはいっても天文学史的には様々な、天地がひっくり返るほどの衝撃があった「天動説から地動説」に移行した時期に当たる、人類的にはもっとも衝撃的な時代を含んでいます。音楽史的にはビンゲンを筆頭に、天球の音楽がまだ社会的にも残っていた時代であり、大航海時代が始まって、地球も一つの惑星として認識されつつあった激動の時代です。そんな時代に生まれた音楽は、そのほとんどが聖職者たちによる神への捧げものとしての音楽でした。

  聖職者たちは「神への奉仕」を目的として音楽に触れ、神に近づき、そして信者たちに神の声を聞かせることを目的に聖書をテキストとして作曲していたのでしょう。聖歌は神からの授かり物、預かりものという考え方で歌い継がれていたため、中世初期においては、個人(聖職者)が作曲した作品であっても、名前が出ることはりませんでした(『西洋音楽史再入門』村田千尋著)

随時追加中。


きみの目に映るどんな小さな星屑も
みんな 天を巡りながら 天使のように歌を歌っているのだ
あどけない瞳の天童たちに声を合わせてな
不滅の魂はつねにそのような音楽を奏でている
 
『ヴェニスの商人』
ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare, 1564-1616)


天界の音楽の調和によって
太陽と残る6つの惑星
水星 金星 地球 火星 木星 土星を示し
七弦のリラをもったアポロンを用いて
音程で天球の間隔を測る
 
アイザック・ニュートン
(Isaac Newton, 1642−1727)



わたしは天上のセイレーンたちの奏でる
ハーモニーに耳を傾ける
セイレーンたちは九重の天球に腰掛け
命の糸を切る鋏を握って
金剛石の糸車の錘を回している
 
ジョン・ミルトン
(John Milton, 1608-1674)

 芸術作品は、芸術家が映す自然の鏡だから、必然的に芸術家が近くする通りの自然を反映するのは避けられないのではないでしょうか? その上、芸術家が宇宙論を主題として用いるばかりでなく(芸術作品は叙述体の実在描写であるばかりでなく)、芸術作品の形式もまた、彼の近くに寄る宇宙構成法の認識、結果を反映する。芸術作品の組織、その構造は実在の根本的な構成要素がどのように相互に関係しているかについての芸術家の見解を伝達する有効な手段である。作品の構造は、園見解の提示全体に寄与するし、中には顕著な特徴をなし、その提示の主要な手段になっている霊があるかも知れない。
『天球の音楽 - ピュタゴラス宇宙論とルネサンス詩学』より


|中世 - 1700|1701-18001801-19001901-20002001 -

(上記リストの他、作曲年代の不明な楽曲のリストもごらん下さい)

星のささやき、宇宙の歌(ポピュラー編)


天文学史と音楽史

中世 ~1700
曲名(原題)
題材、編成など
作曲家
天体のハルモニア
Celestial Hierarchy
ポリフォニーによる宗教曲
[DHM Deutsche Harmonia Mundi: 88725431682]
めでたし、海の星よ
Ave Maris Stella
作曲不詳 12世紀
Anonymous
輝ける星よ(モンセラートの朱い本)
カタロニア14世紀
太陽の昇る地平から
A solis ortus cardine a
声楽
ジル・ド・バン・ディ・バンショワ(c.1400-1460)
Gilles de Bins dit Binchois
ピュタゴラス的な視点の音楽史の徹底研究を行なう
『音楽実践(1496)』天球の音楽を説明するために配置された宇宙全図
聞け、大地よ
Audi tellus
声楽
オルランド・ディ・ラッソ(1532-1594)
Orlando di Lasso
天文の女神ウラニア(他リュート作品)
Urania
ガリレオ・ガリレイの父
博士たちは星を見て(1562)
Videntes stellam magi
声楽
オルランド・ディ・ラッソ
Orlando di Lasso
輝くオリュンポスの山より星が現われ(1569)
Sidus ex claro veniet
声楽
オルランド・ディ・ラッソ
Orlando di Lasso
わたしの太陽は今頃何をしているだろう(1580)+
Che fa hoggi il mio sole
声楽
ルカ・マレンツィオ(c1553-1599)
Luca Marenzio
真昼の太陽(1582)+
Scaldava il sol di mezzo giorno larco
声楽
ルカ・マレンツィオ
Luca Marenzio
輝く愛しい星に告げた(1585)+
O fere stelle homai datemi pace
声楽
ルカ・マレンツィオ
Luca Marenzio
夜の雨の後にさまよう星が(1585)+
Non vidi mai dopo notturna pioggia
声楽
ルカ・マレンツィオ
Luca Marenzio
ああ、残酷な星よ(1588)+
O fere stelle homai datemi pace
声楽
ルカ・マレンツィオ
Luca Marenzio
天体の調和(1589)
L'armonia delle Sfere
メディチ家のフェルディナンド1世の結婚式のために
[Dynamic: CDS7856]
クリストファーノ・マルヴェッツィ(1547-1599)
Cristofano Malvezzi
宇宙地理学の時代のテューレは(1600)+
Thule the period of cosmographie
声楽。
[NAXOS: 8553088]
トマス・ウィールクス(1576-1623)
Thomas Weelkes
宇宙に行く(1601)+
Ite in universum mindum
声楽。
[Membran/Ars Musici: 232430]
ハンス・レオ・ハスラー(1564-1612)
Hans Leo Hassler
星に対して彼は打ち明けた(1602)+
Sfogava con le stelle
声楽(リュート)。カッチーニは初のオペラを創作した一人。ガリレオ父と共同でカメラータを組織 ジュリオ・カッチーニ(1551-1618)
Giulio Caccini
星に対して彼は打ち明けた(1603)
Sfogava con le stelle
Ottavio Rinuccini作詞
[Naxos *classic*: 8501505 ]
クラウディオ・モンテヴェルディ (1567-1643)
Claudio Giovanni Antonio Monteverdi
わが太陽を見ん(1602)+
Vedro 'l mio sol (I will see my sun)
声楽(リュート) ジュリオ・カッチーニ
Giulio Caccini
あわれな天文学者たち(1603)
What poor astronomers are they
声楽(リュート) ジョン・ダウランド(1563-1626)
John Dowland
暁の星はさし昇りて(1609)
Der Morgenstern ist aufgedrungen
作詞不詳(Anonymous)声楽曲 ミヒャエル・プレトリウス(c1571-1621)
Michael Praetorius
天にもかほどの星はなく(1614)+
Non ha 'l ciel cotanti lumi
声楽(リュート) ジュリオ・カッチーニ
Giulio Caccini
星を見ることはないだろう(1619)
Non vedro mai le stelle
『マドリガーレ第7巻』作詞不詳
[Naxos *classic*: 8501505 ]
クラウディオ・モンテヴェルディ (1567-1643)
Claudio Giovanni Antonio Monteverdi
星の光に照らされて(1619)
Al lume delle stelle
『マドリガーレ第7巻』Torquato Tasso作詞
[Naxos *classic*: 8501505 ]
クラウディオ・モンテヴェルディ (1567-1643)
Claudio Giovanni Antonio Monteverdi
調和のとれた天球(1622)
La Sfera Almoniosa
教皇グレゴリウス15世の甥の結婚式を祝うための音楽
[Bongiovanni: GB2475]
パオロ・クアリャーティ(1555-1628)
Paolo Quagliati
天球よ、止めて(1623)
Sfere fermate
作曲者本人による作詞の声楽 シジスモンド・ディンディア(1582-1629)
Sigismondo d'India
天上の大惑星(1629)
Gran pianeta del ciel
歌劇『あざけられたディアーナ』よりGiacomo Francesco Parisani台本[Bongiovanni: GB2228] ジャチント・コルナッキオーリ(1598-1673)
Giacinto Cornacchioli
宇宙の音楽   ヨハネス・ケプラー(1571-1630)
Johannes Kepler
ガリレオ・ガリレイの実弟
[Oehms Classics: OC1877 ほか]
さあ太陽が優しい光で(1638)
Non avea Febo ancora
『音楽の戯れ』よりOttavio Rinuccini作詞
[Naxos *classic*: 8501505 ]
クラウディオ・モンテヴェルディ (1567-1643)
Claudio Giovanni Antonio Monteverdi
太陽神がまだ世界に昼を(1638)
Non avea Febo ancora
『ニンファの嘆き』よりOttavio Rinuccini作詞
[Naxos *classic*: 8501505 ]
クラウディオ・モンテヴェルディ (1567-1643)
Claudio Giovanni Antonio Monteverdi
おお この小さな裸の射手座(1642)
Schwarz ist mein Farb
『オピシアン・オルフェウス』マルティン・オーピッツの詩による歌曲集 ヨハン・エラスムス・キンダーマン(1616-1655)
Johann Erasmus Kindermann
  天文学者クリスティアンの父 コンスタンティン・ホイヘンス(1596-1687)
Constantijn Huygens
普遍音樂(1650)
Musurgia universalis, sive ars magna consoni et dissoni
バッハやヘンデルに多大な影響を与えたという書。天球の音楽についても詳しく考察されている。 アタナシウス・キルヒャー(1601-1680)
Athanasius Kircher
月の女神のレシ(1653)+   シジスモンド・ディンディア(1582-1629)
Sigismondo d'India
様々な高き惑星の下で(1663)
Sotto vario alto pianeta
歌劇「ラ・ドーリ」Giovanni Filippo Apolloni台本
[ CPO : 555309-2]
アントニオ・チェスティ(1623-1669)
Antonio Cesti
セレナータ「星の力」(1667)
La forza delle stelle ovvero Il Damone
声楽。作詞:Sebastiano Baldini アレッサンドロ・ストラデッラ(1639-1682)
Alessandro Stradella
宇宙の悲しみ(1668)+
Il lutto dell' universo
声楽。作詞:Francesco Sbarra 神聖ローマ皇帝レオポルト1世(1640-1705)
Leopold I.
炎の惑星の場合(1677)+
Se del pianeta ardente
声楽。Brigida Bianchi作詞。
[Harmonia Mundi: HMU907192DI]
アレッサンドロ・ストラデッラ(1639-1682)
Alessandro Stradella
輝かしい太陽にも、もはや楽しみはあらじ(1680)+
I take no pleasure in the sun's bright beams
声楽。作詞不詳 ヘンリー・パーセル(1659-1695)
Henry Purcell
太陽神の息子(1683)+
Phaeton
歌劇『ファエトン』の中のアリア。エリダヌス等も登場するギリシア神話 ジャン=バティスト・リュリ(1632-1687)
Jean-Baptiste Lully
今や太陽はその光を隠し(1688)+
Now that the sun hath veiled his light

「グラウンドによる夕べの讃歌」より。William Fuller作詞

ヘンリー・パーセル(1659-1695)
Henry Purcell
十二宮の音楽 -第1部-(1698)
Zodiaci musici
4つの弦楽器と通奏低音による室内楽
[Accent: ACC24294]
ヨハン・アーブラハム・シュミーラー(1661-1719)
Johann Abraham Schmierer



 
 
 
 


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(上記リストの他、作曲年代の不明な楽曲のリストもごらん下さい)

天文学史と音楽史星のささやき、宇宙のうた