星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

クリスティアン・ホイヘンス(1629-1695)

といえば、ニュートン(1642-1727)が登場する以前の
ガリレオとともに並ぶ16世紀を代表するオランダの大天文学者です。

しかし、ここで紹介するのは
クリスティアンの父コンスタンティン・ホイヘンス(1596-1687)
本人はおそらく天文学などの研究で多忙だったのか
作曲は行なっていません。

では、なぜ父を紹介するのかと言うと
カール・セーガンの『コスモス』のエピソード6
「旅人の物語」でのホイヘンスの逸話で
彼が音楽を聴くシーンがあったからです。

その時、ドラマで流れていたバロック的な音楽は
きっと作曲家である父の作品であるに違いない!
と、私は勝手に思ってしまいました。

そのエピソードでは曲名まではわからず
(現在も探しているのですが)
比較的レコーディングされているようですので
せっかくなので個人的な備忘録的な意味合いも込めて
このページを作成したのでした(笑)。

ホイヘンスを知る人は天文学が好きな人ぐらい?
あるいは時計が好きな人はかすっているかもしれません。
当時最も有名な人物と言えば
レンブラントでしょう。

レンブラントと絡めた音楽集も作られているぐらいですから。
(そのおかげでホイヘンス父の作品も収録されたり…)

レンブラントのためのプレイリスト〜レンブラントの時代のオランダの音楽
● スウェーリンク:大公の舞踏曲
● シャイデマン:涙のパヴァーヌ
● 作曲者不詳(スザンヌ・ファン・ソールト・クラヴィーア・ブック):Tobyas om sterven gheneghen ● 作曲者不詳(サンクトペテルブルク・クラヴィーア・ブック):ヴィルヘルムス
● ホーヴェ:Fortuna Englesae
● パットブリュエ:Och! Oft geoorlooft waer
● ノールト:ファンタジア2
● 作曲者不詳(サンクトペテルブルク・クラヴィーア・ブック):ブロンクホルストの舞踏曲
● シャイデマン:舞踏曲と変奏曲
● フローベルガー:組曲第19番ト短調
● ステーンウィック:アマリリス
● パットブリュエ:パヴァナとガイヤルド ヘ長調(結婚のシンフォニア)
● 作曲者不詳(スザンヌ・ファン・ソールト・クラヴィーア・ブック):スザンヌはある日
● ケルル:バッタリア / スカラムッツァ
● バール:プレリュード・ノン・ムジュレ
● ホイヘンス:アルマンド
● バール3世:クーラント
● ホイヘンス:サラバンド
● スウェーリンク:アルマンド・グラティエ / モレ・パラティーノ
● シュポイ:天にいます我らの父よ
● attrib. スウェーリンク(サンクトペテルブルク・クラヴィーア・ブック):ロゼモン
● パットブリュエ:O Kersnacht! schoonder dan de daghen
● ラインケン:トッカータ ト短調

チェンバロ:ボブ・ヴァン・アスペレン(ヨハネス・ペトルス・クーシェ1669)
このアルバム、2019年に没後350周年を迎えるレンブラントを讃えて編まれました。ホイヘンスの曲は、♪アルマンドと♪サラバンドの2曲だけですが、こうしたオムニバスものは、当時の作曲家たちの作風を垣間みることができます。

 

ルネサンスと初期バロック時代のフルートとリュートのための音楽

● ド・セルミジ:すてきな森で
● オルティス:アルカデルトの「わたしの幸せな両眼」によるレセルカーダ
● ダ・ミラノ:ファンタジア3様
● セルミジ:花さく時を生きるとも
● ティールマン・スザート:わたしもすぐに
● ダ・ミラノ:リチェルカーレ
● ロニョーニ:パレストリーナの「清らかなるは、わが心」
● ヴィルデル:ダンプ
● バッサーノ:第3リチェルカータ
● カッチーニ:星々を見てはため息をつき
● フレスコバルディ:高音部と低音部のための第4カンツォーナ
● クルヴィル:人知れず傷ついて悩んでいるとき、わたしは
● ゲドロン:この傷ついた心が、もしただのひとときも
● ホイヘンス:さあ、お互いどうしよう
● ロベール・ド・ヴィゼー:プレリュード
● オトテール:岩場よ、おまえの返すこだまさえあれば
● ド・ヴィゼー:リュリ氏の「スペイン人たちのアントレ」
● オトテール:ある日、わたしのクロリスは
● ド・ヴィゼー:リュリ氏の「妖精ロジスティルのエール」
● オトテール:あなたは貞淑なキジバトを手本にして
● オトテール:横吹式フルートと通奏低音のための第1組曲

フルート:ケイト・クラーク
リュート、テオルボ:ナイジェル・ノース
ヴィオラ・ダ・ガンバ:フレーク・ボルストラップ


 このアルバムも、先出のアルバムと同じように同時代の作曲家を集めたオムニバスの一枚。今回はフルートとチェンバロによるアルバムで、ホイヘンスは♪「さあ、お互いどうしよう」のみが収録されています。しかし、私が個人的に注目しているのは、カッチーニの「星々を見てはため息をつき」 という曲(笑)。直接星と関わる曲ではなく、おそらくはオペラの前身となるカメラータの曲となるのでしょうが、おもわず「星」という漢字に目がいってしまいます(笑)。


甘美なる死〜ホイヘンスと同時代の作曲家たちによる歌曲集

● ホイヘンス:甘美なる死
● ディンディア:ひねもす泣き
● ホイヘンス:カッチャ・アモローサ
● カプスベルガー:あなたは私を残してどこに
● ロッシ:恋とはどんなものか
● モンテヴェルディ:甘い光に
● カプスベルガー:トッカータ第1番
● カッチーニ:アマリッリ、私の美しい人
● モンテヴェルディ:かくも甘い苦悩、他

カウンターテナー:オスカール・フェルハール
リュート:ミヒエル・ニエッセン


 (曲目には2曲しか日本語表記されていませんが)26曲中8曲がホイヘンスの歌曲となっています)。Morte dolce、Caccia amorosa、Con la candida man、Neo di bel volto、Va, donna ingrata、A dispetto (serenata)、Che rumore sento fuore (risposta dalla finestra)、Deh, s a tanta belta 。

解説には、700曲以上を残していることになっているので、ガリレオ同様もっと多くのレコーディングを望みたいところです。

 

〜 PASHODIA SACRA 〜
01. Multi dicunt animae meae
02. Domine ne in furore tuo
03. Usquequo Domine
04. Domine Deus meus
05. Avertisti faciem tuam
06. Dilataverunt super me
07. Ab omnibus iniquitatibus
08. Sitivit anima mea
09. Quare tristis es
10. Iniquitatem meam ego cognovi
11. Domine spes mea
12. In quo corriget
13. Cognovi Domine
14. Quomodo dilexi
15. Erravi Domine
16. Laetatus sum
17. De profundis clamavi
18. Confitebor tibi Domine
19. Proba me Deus
20. Menor fui dierum antiquorum

〜 PATHODIA PROFANA 〜

01. Se la doglia e'l martire
02. Sospiro che del bel petto
03. Temer Donna non dei
04. Quel neo quel vago neo
05. O chiome erranti
06. Orsa bella e crudele
07. Con la candida man
08. Gia ti chiesi un sospir
09. A dispetto de' venti
10. Riposta dalla finestra: Che rumore sento fuore
11. Deh, s'a tanto belta
12. Va donna ingrata
13. Que ferons-nous
14. Graves tesmoins de mes delices
15. Vous me I' aviez bien dit
16. Quoy Clorinde tu pars
17. Tu te trompes Philis
18. Aubade: J' ai veu le point du jour
19. Serenade: Ne crains point le serein

Anne Grimm, Wilke te Brummelstroete, Nico van der Meel, Peter Kooij,
Leo van Doeselaar, Siebe Henstra, Mike Fentross, Mieneke van der Velden


 リュート伴奏による、当時としてはもっともポピュラーな様式の歌曲集。この時代の、このスタイルが最も有名なのは英国の作曲家ジョン・ダウランド(1563-1626)ではないでしょうか? そうした時代様式を考えると、このリュート伴奏の歌曲は、もっともオーソドックスで人気を博した歌曲ではないでしょうか? いまのところ、コンスタンティン・ホイヘンスのレコードとしては、唯一のソロ・アルバム。

 

もどるhome(一番星のなる木)