ここに紹介するヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179)を意識し出したのは

ウィンダム・ヒルからリリースされた

テレーズ・シュローダー・シェーカーのアルバムからです
女王の吟遊詩人

ヒルデガルトの作品は「天体のハルモニア」と呼ばれ

ピタゴラスのいう「天球の音楽」のようなを聞くことのできない音楽よりも

天体のハーモニー(ハルモニア)として捉え「鳴り響く現実の音楽こそが最もすばらしい」

(彼女自身の言葉を借りるなら)
天啓を受け

産み落とした祈りの音楽なのです

 

歌詞の内容を理解できるほどキリスト教を知っているわけではないし

今後もそうした方面に行くわけでもありませんが

純粋に芸術作品としてこれからも多くの宗教曲を楽しんでいくつもりです

 

01. ヒルデガルト:おお、使途らのいと輝かしき群れよ(O Luxidissima)
02. 13世紀ノートルダム楽派のレパートリ:新しき星の光が輝き(Novi sideris Lumen respenduit)
03. ヒルデガルト:おお、流血の惨事よ(O cruor sanguinis)
04. 13世紀ノートルダム楽派のレパートリ:(O Luxidissima)
05. ヒルデガルト:おお、使途らのいと輝かしき群れよ(O tu illustrata)
06. 13世紀ノートルダム楽派のレパートリ:ばらのごとき花が(Flos ut rosa floruit)
07. ヒルデガルト:おお、いと若々しき枝よ(O virdissima virga)
 
キア/ヒルデガルト:「円環より」
08. 創り主のための歌「おお、父のみ言葉よ」(O verbum Patris)
09. み子のための聖母マリアの歌「おお、まことに愛すべきみ子よ」(O verbum Patris)
10. 聖母マリアのための歌「おお、偉大なる事」(O Magna res)
 
11. ヒルデガルト:今や教会の母なる内が喜ばんことを(Nunc gaudeant)
12. ヒルデガルト:おお、永遠の神よ(O eteme deus)
13. 13世紀ノートルダム楽派のレパートリ:めでたし、海の星(Ave Maris stella)
14. ヒルデガルト:おお、いと気高き若々しさ(O nobilissima virditas)
 長いこと親しんでいたビンゲンの作品集。わずか4名の女声によるシンプルなハーモニー。このアルバムの国内盤には『天空の光』というタイトルがつけられています。私がもっとも惹かれたのは、このころ興味を持っていたビンゲンの作品が収録されていたことです。また、彼女の書いたテキストを基に1952生まれのロバート・キアという作曲家が書いた曲も違和感無く挿入されています。 このページで紹介するアカペラ曲ではもっとも古い曲で、それだけで星空との仲介を果たしてくれているような気がしてなりません。特にビンゲンは幻視者というだけあって、中世の星空から何かの天啓を受けて作曲をしていたと考えています。

 

 

 米国のTapestryは4人組の女声グループです。『天空の光(CELESTIAL LIGHT)』は国内盤がリリースされましたが、2ndはレーベルも変わってしまったためか、国内盤がリリースされていません



11,000の処女殉教者 / アノニマス4
 
 
 アカペラのグループのなかでは最も親しんでいる4人組、アノニマス4によるビンゲン。しかもSACDです。神秘的な空間(教会)を体験するには持ってつけのフォーマットでは無いでしょうか。他に「ラス・ウエルガスの写本の聖歌集」なんかもSACDになっていて、澄んだ声がリスニング・ルーム(っても畳4畳半)にとけ込み、独特の時間を過ごすことができます。ジャケットに選ばれたのは「神の御業」生命の輪のヴィジョン。


 火のみなもと / アノニマス4
 
 
 ジャケットに描かれたヒルデガルトは有名な絵画です(女性幻視者ヒルデガルト「スキヴィアスの第一葉」)。これもSACDだったら良かったのに、とつくづく思います。

 

キャスリーン・シュローダー -1995-


 ヒルデガルド・フォン・ビンゲン(1098-1179)は歴史上最も古い時代の女性作曲家でだったそうです。先のアルバムでは彼女を“幻視者”と紹介しましたが、この頃の人たちは、ピタゴラスやプトレマイオスの宇宙観で事象を考えを持っていた人たちですから、天変地異による世の中の事象はすべて天啓として受け止めていたに違いありません。アルバムの雰囲気もまさに、作曲家が感じていた当時の思想を反映しているような感じです。ジャケットには、「卵形または火焔太鼓形の宇宙像」(スキヴィアスより)が使われました。

  このアルバムは、キャサリン・ボットのアルバム同様基本はたった一人による歌唱ですが、時にはソプラノの二重唱になったり、ヴィオールなどの伴奏がついたりして、一辺倒になりそうな流れにアクセントをつけてくれています。
ただ、実際には何人の歌唱という指定はなかったのかもしれませんが、当時は単旋律が主流でしたから、こうした様々な形態で聴くことができるのは嬉しいものです。(しかも同じ曲が々に聞こえなかったり…)

 

エクスタシーの歌-1984-

01. ヒルデガルト:おお、永遠の力よ(O vis aeternitatis)
02. ヒルデガルト:いまわれに開かれたり(Nunc aperuit nobis)
03. ヒルデガルト:女がしつらえた死に(Quia ergo femina mortem instruxit)
04. ヒルデガルト:神の御子による創造で(Cum processit factura digiti Dei)
05. ヒルデガルト:アルマ・レデンプトリス・マーテル(Alma Redemptoris Mater)
06. ヒルデガルト:めでたしマリア おおいのちの泉よ(Ave Maria, O auctrix vite)
07. ヒルデガルト:聖霊は生の源の火よ(Spiritus Sanctus vivificans vite)
08. ヒルデガルト:おお 慰めたる聖霊の火よ(O verbum Patris)
09. ヒルデガルト:慈愛は万象に満ち溢れ(O ignis spiritus Paracliti)
10. ヒルデガルト:おお 仲立ちの若枝よ(O virga mediatrix)
11. ヒルデガルト:おお,緑に輝く若枝よ,ようこそ(O viridissima virga, Ave)
12. ヒルデガルト:器楽曲(Instrumental Piece)
13. ヒルデガルト:おお 魂の牧者よ(O Pastor Animarum)
14. ヒルデガルト:おお まことに愛らしき若枝よ(O tu suavissima virga)
15. ヒルデガルト:おお きらめく星の光よ(O choruscans stellarum)
16. ヒルデガルト:おお いと気高き緑よ(O nobilissima viriditas)
 

 

01. おお血の赤さよ(O rubor sanguinis)
02. したたる蜂蜜は(Favius distillans)
03. 三位一体に賞賛あれ(Laus Trinitati)
04. 聖ウルスラの祝日用の聖務日課(In Matutinis Laudibus )
  神の熱き思いは(Studium Divinitatis)
  かくて いずこへ歩み行けども(Unde quocumque)
  父祖の国からも(De patria)
  女は男の譲りによりて(Deus enim)
  なぜなら風は飛び行きて(Aer enim volat)
  かくてこの処女らも(Et ideo puellae)
  神が処女らに露を(Deus enim rorem)
  だが嫉妬に燃える悪魔は(Sed Diabolus)
05. おお教会よ(O Ecclesia Sequentia )
06. 「おお いと若々しき枝よ」に基づく器楽曲(Instrumental Piece )
07. おお永遠の神よ(O aeterne Deus)
08. おおいと甘き恋人よ(O dulcissime amator)
09. われらの王は速やかに(Rex noster promptus est)
10. おお高みで響く血の流れ (O cruor sanguinis)
11. ウルスラの血の声と(Cum vox sanguinis)
12. 器楽曲(Instrumental Piece)
13. おお処女たる教会よ(O virgo Eccelsia)
14. 今や教会の母なる心は喜ばん (Nunc gaudeant materna)
15. おお測り知れぬ教会よ(O orzchis Ecclesia)
 

 

 

 

おお、エルサレム(献堂式の宗教作品集)-1997-
 

 

SAINTS-1997-
 

 

「天体のハルモニア」と呼ばれる(呼んでいる?)シンフォニア。「オルド・ヴィルトゥトゥム」でも取り上げられていましたが、このアルバムでは全曲「天体のハルモニア」です。





CD1 & 2: SAINTS
CD3 & 4: ORDO VIRTUTUM
CD5: CANTICLES OF ECSTASY
CD6: VOICE OF THE BLOOD
CD7: OVJERUSALEM
CD8: SYMPHONIAE - SPRITUAL SONGS

「エクスタシーの歌」から「シンフォニア」までの6枚のアルバムをボックス化。ファンにとってうれしい廉価盤ですが、さすがに解説なし、ジャケットがみな同じ… といったところがつらいかも。

 

 
 2013年に突如として9作目の作品集が届けられました。まさに私が天界の音楽についての講座を行おうと考えていた矢先のリリースです。なんというタイミング!

 

 
 かつてのタペストリーを思わせる編成。こちらも2013年にリリースです。ジャケットのロゴにあるとおり、ベルリン・クラシックからのリリース。昔では考えられないようなジャケット(笑)。今までなら宗教的な絵画ばかりでしたが、こういったジャケットは内容は二の次でジャケ買いのリスナーもいらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私も、ジャケットに惹かれて立ち止まった口ですが、ビンゲンを取り上げてくれていたのでついついポチッと。

 

典礼劇「オルド・ヴィルトゥトゥム(諸徳目の秩序)」-2013-
 
 私の中では、ジャズのイメージの強かったレーベルECMからのリリース。個人的にはヒリアード・アンサンブルやペルトは、ECM以外で聴いたことがないので、ビンゲンのリリースもすんなり。この典礼劇はセクエンツィアのレコーディングで聴いてきましたが、劇の途中で男声のレチタティーヴォのような声が入って臨場感がありました。ここには女声のみでまとめられ、神秘感(特に女声には!)が漂っています。