天球の音楽を追い求めた作曲家はどれぐらい存在するのでしょうか?ここに紹介するアルバムは、太古のピタゴラスの考えに賛同した、もしくはピタゴラスの考えを確かめようとインスピレーションを働かせた作曲家たちの作品をご紹介します。



天球の音楽(ダニエル・ホープ)

 ヴァイオリニストであるダニエル・ホープは、メニューインからカール・セーガンを紹介されて天球の音楽に興味を持ったそうです。

01. 鐘の模倣 / ヴェストホフ
02. アンダンテ / エイナウディ
03. エコーラス / グラス
04. ラシーヌ賛歌 / フォーレ
05. 24のプレリュードから第15曲 / アーヴェルバフ
06. フラトレス / ペルト
07. 『ワイルド・スワン』組曲から『エリザのアリア』/ チェルニン
08. ムジカ・ウニヴェルサリス(天球の音楽) / バラノフスキ
09. スフィアズ(天球の音楽) / G.プロコフィエフ
10. ベルリン・バイ・オーヴァーナイト / M.リヒタ―
11. ビアフラ / バラノフスキ
12. レント / イグデスマン
13. エイナウディ:パサージオ
14. 24のプレリュードから第8曲 / アーヴェルバフ
15. 『平和への道程』からベネディクトゥス / K.ジェンキンス
16. プレリュードとフーガ BWV855 / J.S.バッハ
17. トライスティング・フィールズ / ナイマン
18. ナッハシュピール(ファウスト/エピソードIIから)/ グンダーマン




天体の音楽/ランゴー

 そのまんま「天球の音楽」と題されたランゴーの15曲の小品からなる組曲です。時代背景的には現代音楽の部類に入るでしょうか?この作品は1916年ごろから作曲が始められ(ホルストの『惑星』に影響を受けたか…? 音楽性はまったく違いますが、感性的に… 「そうだ、宇宙だ」って)1919年には完成しています。
  このアルバムはSACDなので、作曲家が描いた音場に近い音響を再現しているのかもしれませんが、残念ながらマルチではないので、奥行きと広がりのみ。ただ、このフォーマット特有のオーディオと感覚は感じさせないので、音楽的には疲れますが同じ空間の中で鳴り響く音としては楽しめます(笑)。

01. 甘い香りの花で飾られた棺の上の光線のように
02. 日没の青い空で瞬く星のように
03. 光と暗闇のように
04. 波の中で屈折する光線のように
05. 美しい夏の朝の日の中で瞬く露の真珠のように
06. 欲望−絶望−恍惚
07. 世界の魂−奈落−全ての魂の日
08. 私は望む...!
09. カオス−破滅−遠くと近く
10. 花が枯れる
11. 涙の中の太陽の一瞥
12. 鐘の響き:見よ!彼は来る
13. 花の福音−遠くから
14. 新しい日
15. 終末:反キリスト−キリスト




ファブリチウス

 フランスの作曲家、シャルル・ケクランは、天文学者を志していたというエピソードを聞き知って私の目にとまりました(笑)。ここに納められているのは「星空の詩」は、同郷の天文学者、カミーユ・フラマリオン(1842-1925)の思い出に捧げられた管弦楽のための夜想曲。このあたりも私のつぼにしっかりとはまっているのですが、フィールドやショパンのそれが、私の考える所の夜想曲とは違った意味を持っていますが、ここでは私が求める夜想曲を体現させてくれます。
  なお、ケクランはカミーユ・フラマリオンの天文書を読んで星に興味を持った様ですが、このフラマリオンは火星のカナリ(渓谷という意味)を知的生命、つまり火星人が建設した運河であると主張したことで知られています。また、中世の宇宙観としての挿絵として有名な製作を手掛けた人物でもあるのです。

  もう1曲の「ファブリチウス博士」はヨハネス・ケプラーの娘と結婚した天文学者です。この管弦楽曲で使われているオンド・マルトノ(メシアンの「トゥランガリーラ交響曲」が最も有名な曲)という楽器の存在が、強く現代音楽を意識させてくれます。 

・星空の詩Op.129〜管弦楽のための夜想曲、カミーユ・フラマリオンの思い出に捧ぐ
・ファブリチウス博士Op.202〜シャルル・ドルフュスの小説にもとづく交響詩