|星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)|
フランキーノ・ガフリオ
(Franchino Gaffurio, 1451-1522)
または
フランキヌス・ガフリウス
(Franchinus Gaffurius)
音楽理論家としてはもちろんのこと、ベルガモ大聖堂の音楽監督、ミラノ大聖堂の楽長を歴任するなど、当時のイタリアの教会音楽の発展に与えた影響は大きかったそうです。特に1496年に出版された『音楽実践』の口絵は、ピュタゴラス~プラトン~ボエニウスらの天球の音楽を継承するものとして、当時の人々に多大な影響を与えました。 |
下から見ていくと、図はまず空間的に配置された地・水・空気・火の四元素を含む。
順に上にいくと、七惑星の天球、そして上部に恒星天がある。
全体で八つの天球があり、デパソンの八つの音を受け容れる。
惑星の名前と天文学的な記号が右端に書かれており、
さらにその神話的な意味が神あるいは女神の円形画像によって示されている。
惑星と惑星の間の間隔は、プリニウスの記述にしたがって
「全音」あるいは「半音」と書かれている。
それぞれの惑星の旋法も示されている。
例えば、火星はプリュギア旋法、木星はリュディア旋法、土星はミソクリュディア旋法である。
それぞれの惑星にまた、音が割り当てられており、
三頭のドラゴンの左に書かれている。
それぞれの天球はさらに、左端の円形画像に描かれるムーサの一人と同一視されている。
九という数が必要なために、地球が最下部でタレイアと同一視される。
適切にも神の位置にあって、すべてを統括するのはアポロンであり
彼は美の三女神にかしずかれている。
旗の明示する内容は、
「アポロンの精神力は、詩女神たちを完全に支配する」というものである。
その意図は、明白である
それぞれの詩女神、音、惑星は、ここの役割を果たしながら
調和して大きな全体に寄与する。大きな全体は、アポロン一人によって表されている
『天球の音楽』S.K.ヘニンガー Jr.
モテット集(2012)
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●謝肉祭のミサ(Missa de carneval) ● モテット集(Motets) 悲しみに沈める御母は涙にくれて(Stabat mater dolorosa) キリストよ、われらは御身をあがめ(Adoramus Te, Christ) インペラトリクス・レジナルム(Imperatrix reginarum) インペラトリクス・グロリオーサ(Imperatrix gloriosa) フローレム・エルゴ・ジェヌイスティ(Florem ergo genuisti) レス・ミランダ(Res miranda) サルヴェ・レジーナ(Salve Regina) 預言者エレミアの哀歌(Lamentatio Hieremiae prophaetae) イル・コンヴィット・アルモニコ バスケニス・アンサンブル 指揮:ステファノ・バスキーニ |
このアルバムのインナーにある写真を見ると、アンサンブル(器楽)も加わっている感じがしますが、あまり存在が気にならないぐらい声楽が前面に押し出されています。ピュタゴラス的な視点から初期の音楽史の徹底的な研究の末に辿り着いた音階でしょうか? 教会で聴いているような臨場感も美しくも神秘的な響きを聴かせてくれます。 |
レオナルド・ダ・ヴィンチの時代の教会音楽 (2019) |
● モテット集(Motetti) アカデミア・デル・リチェルカーレ |
このアルバムも声楽を支えるように器楽アンサンブルの音楽。最近読んだ本にはキリスト教ではオルガン以外の楽器を「悪魔の楽器」と禁忌していたと説明していたので、もっと声楽だけの音楽だと思っていたので、先のTACTUS盤もちょっとした驚きでした。とはいえ、楽器の音はほとんど教会レコーディングの残響の中にかき消されているような感じですが。ダ・ヴィンチも聴いていた音楽。時代を超えて響くのは、やはり天球、そして神の声ということでしょうか? 両アルバムに『謝肉祭のミサ』が収録されています。 |
この人物がガフリオ? |