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 サロン的な味わいのある器楽のデュオに惹かれたのは、もともとミカラ・ペトリがエリザベス・セリンとレコーディングしたゲオルグ・フィリップ・テレマン(1681-1767)の『2つのリコーダーのためのソナタ』を手にしたことがきっかけでした。
 このアルバムは、ペトリの来日記念盤として1990年にリリースされましたが、“爽やかな”という表現がピッタリのアルバムで、バロックの楽しさやリコーダという身近な楽器を演奏する楽しさを教えてくれる一枚でした(私は演奏はしませんが…)。
 私が初めてクラシックのコンサートに足を運んだのは、このミカラ・ペトリでした。このアルバムには、もう1人、エリザベス・セリンという女流リコーダーが演奏しています。いわゆる美人奏者によるテレマンのリコーダー集です。

 

 


 

ピアノのためのデュオ

 他にもテレマンのリコーダー作品としてはダン・ラウリンがクラス・ペールソンと1987年に2枚のデュエット集をレコーディングしていて、Vol.1がペトリと同曲の作品2で、Vol.2はカノンソナタとデュエット集が収録されています。このアルバムの主役は、ペルーソンの方で、このあとソロによるテレマンのトリオソナタを『The Complete Recorder Music Vol.3』としてリリースしています。
 ペトリとは反対に、この二人はハンサムボーイと言えるでしょうか(笑)。同曲では、他にNAXOSからフラウト・トラヴェルソ盤がリリースされていますが、どうやらヴァイオリン二挺による演奏も可能(作曲者による)とのことで、現在レコードを探しております(発見!)。


 テレマンのリコーダーソナタのあと手にしたのが、フランスの作曲家ジャン・マリー・ルクレール(1697-1764)の「2つのヴァイオリンのためのソナタ」で、当時は、そうした器楽のソナタというのが、どうも堅っ苦しくて敬遠しがちでした。そんな気持ちを追い払ったのが、このアルバムです。そんな趣向の私ですが、ルクレールがテレマンと同期の作曲家ということが、手にした大きなきっかけで、実際に耳に届いた音色も想像(もしくはそれ以上)していた感じとは程遠く、何よりも聴いていてウキウキとした気分になれたのです。これはバロック特有のものだろうかと思いましたが、どうやらピリオド楽器にその理由が秘められていそうです(それ以降、ピリオド楽器へと傾倒してゆくワタクシ…)。まさにテレマンのリコーダーデュオのヴァイオリン版といった趣です。

 私が手にしたのは図書館の貸し出しソフトで、数年後(たぶん1992年)HMVにて2枚組みの廉価盤として再発されていたものを購入。そこにはOp.3とOp.12のソナタ集が収録されていました。



 さて、ここで紹介している器楽同志のデュオによる作品は、バロック〜古典派あたりに集中しています。これは私の好みがバロック周辺、ということが大きく影響しているのですが、ディスクを探しに行くときも、そのジャンルあたりしか見ていないという偏った理由によります(汗)。
 他にもラヴェルやバルトーク、コダーイ、プロコフィエフなどといった作曲家の作品群も、カタログなどで見て知っているのですが、大好きなラヴェルの作品さえ、この手の曲として聴くと「ム、ム、ム、ム・・・」と、穏やかな気分に浸れる雰囲気がなく、19世紀末から20世紀に入ると“演奏家の時代”と言われるだけあって、特に20世紀に入ってからは技巧的な曲が多く、サロン的雰囲気を求める私にとっては、そういった作曲家たちの作品は「聞かず嫌い」になってしまっているようです。

 ただ、探し方がヘタなのかどうかは、わかりませんが、総じてロマン派以降は妙に少ないように思います。レコーディングされないだけで、実はもっとたくさんあるのかもしれません。
 聴いていて疲れないし、聞き流していても嫌味になることはありません。いわゆるサロン的な味わい。だからといって決して安っぽいという意味ではなく、ひとたび耳を傾けてみると、甘美なメロディに満ちあふれていることに気づくことでしょう。空気のように自然と体に(耳に)まとわりつくような。。。

 こういったデュオが流行ったのは当時の世相も反映されているようです。趣味の良いパトロンたちが、お抱えの作曲家たちに依頼して、自ら主催するサロンでデュオを奏で、招待客や、自らも楽しむ。

 冒頭でも触れましたが、このサロン的な味わいを持つ作品たちを気楽にB.G.Mで聴くも良し、演奏者たちの息のあった呼吸を楽しむも良し。これだけははっきりとしているのは、作品自体が素晴らしいこと、この一言に尽きると思います。

 もともとアレッサンドロ・ロッラ(1757-1841)の作品集を紹介するつもりで制作していましたが、ロッラの作品を探している途中、多くの作曲家たちが残してくれた作品に触れることができました。今では下記に紹介する程にまで膨らみました。



ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ
(ハイドン&モーツァルト)

/ Susanne Lautenabacher & Ulrich Koch

 ロッラのことを冒頭に書いておきながら、最初に紹介するのは、二挺の作品としては最も知名度の高い楽曲です。この曲には以下のような逸話が残されています。

 ミヒャエル・ハイドン(1737-1806)が1783年にザルツブルクのコロレド大司教から依頼を受けて、シンプルに二挺の楽器(ヴァイオリンとヴィオラ)を用いたこの作品の作曲を開始しました。しかし4曲完成したところで病に臥せってしまい、約束した全6曲までの完成には至らなかったのです。たまたまザルツブルクに帰省した(大司教と喧嘩してウィーンで音楽家になる、と宣言し生まれ故郷を去っていたが、妻の出産で帰郷)友人であるウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が救いの手をさしのべ、ハイドン宅でわずか2日でK423とK424を作曲し、この6曲からなる『ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ』を完成させました(当初は作曲者の了承の下、全曲ハイドンの名で出版しています)。
 ハイドンとモーツァルト、特にモーツァルトはハイドンの作品をお手本にしていた(レクイエムもハイドンの同曲を手本にしている。また、ながらく交響曲第37番と呼ばれていた作品も、実は序奏部分のみモーツァルトの作で、本体はハイドン作)ため、この器楽作もハイドン風に作曲したようです。

 奇妙な制作過程を持ち、シンプルに二挺のみで歌われるこの作品は、ヴァイオリンとヴィオラという組み合わせの中でも傑作と言われる割に、全曲演奏されることもレコーディングされることも稀です。そのおかげで私も見つけるのに手こずりました(笑)。今でこそハイドンは、教科書などで紹介されることの多い“交響曲の父”ヨーゼフ・ハイドン(1732〜1809)の方が知名度がありますが、生前、兄ヨーゼフよりも、弟ミヒャエルの方が人気が数段あったようです。なお、このディスクの曲目がKV523、KV524とクレジットされていますが、正確にはKV423、KV424です。様々な楽器のために作品を残したモーツァルトですが、この二挺のための作品は、後にも先にもこの2曲のみしかありません。
 Disk1にはハイドン(62'08")、Disk2にモーツァルト(43'24")の作品がそれぞれ収められています。いずれも肩肘の張らないサロン的な味わいを漂わせた雰囲気を持っています。

ミヒャエルの作品のレコーディングは少ないのですが、モーツァルトの2曲はかなりのレコーディングがあるようです。

・ギドン・クレーメル(Vn)&キム・カシュカシアン(Va)
・デネーシュ・コヴァーチュ(Vn)&ゲーザ・ネーメイト(Va)
・レジス・パスキエ(Vn)&ブリュノ・パスキエ(Va)
・トーマス・ツェートマイアー(Vn)&タベア・ツィンマーマン(Va)
 →ミヒャエルのソナタ第1番ハ長調を含む
・マーク・ルボツキー(Vn)&今井信子(Va)
 →ミヒャエルのソナタ第1番ハ長調を含む

 さて、この貴重な作品集を全曲レコーディングしてくれたのはSusanne Lautenabacher & Ulrich Kochの2人で、ヴァイオリンのLautenabacherの奏でるのは1742製のクレモナです。曲目は、まずミヒャエルの4曲が演奏され、史実通りであるならば、その後にモーツァルトのK423とK424という順番に演奏されています。

ヴァイオリンとヴィオラのための6つのソナタ(ハイドン&モーツァルト)
/ Barnabas Keleman & Katalin Kokas

 意外にもこの曲を探しまくっているときにはなかなか発見できずにいたのですが、2007年に新譜として、HUNGAROTONからコンプリートとクレジットされてリリースしてくれました。
HUNGAROTONはこの手の器楽作品を比較的多く制作してくれています。
 このアルバムのアーティストはモダン楽器を使っての演奏で、艶やかな演奏を楽しむことができます。上記のLautenabacher & Kochとは異なり、まずはK423、ミヒャエルの4曲、そしてK424という具合に、モーツァルトの2曲が前後にミヒャエルを挟むような配置です。
 ヴィオラのKatalin Kokasは2002年のブダペスト国際音楽コンクールのヨーゼフ・シゲティ・ヴァイオリン・コンクールにて第1位となった若手注目ヴァイオリニストです。(このときの第2位が小野明子です)。なお、このコンビでバルトークのデュオもレパートリーにしています。お相手のKelemanは“ハンガリーのクレーメル”と異名を持つヴァイオリニストです。

Hungaroton;HCD 32376/77

Barnabas Keleman

6つのデュエット-ヴァイオリンとヴィオラのための(ハイドン&モーツァルト)

 邦題こそまちまちですが、これもミヒャエル・ハイドンと、彼の依頼でモーツァルトが書いた“ヴァイオリンとヴィオラのための”作品集です。ウィーンフィルの第一コンサート・マスター、ヴェルナー・ヒンクとその息子マティアス・ヒンクによるハイドンとモーツァルトのデュオ。Lautenabacher & Ulrich Koch盤を手に入れてかたというものの、立て続けに同曲がリリースされ、嬉しいやら、探し回ったあの日々はなんだったのかと複雑な気持ちになりますが、作曲家同士の友情あふれるこれらの楽曲が、様々な演奏者でレコーディングされることには、率直な気持ち、嬉しいです。ヒンク盤はLautenabacher & Koch盤と同様、Disk1にミヒャエル、Disk2にモーツァルトが収められています。

カメラータトウキョウ;CMCD-20091/2(2007/07/20)



ヨーゼフ・ハイドン(1732〜1809)

 上記に紹介したミヒャエル・ハイドンの兄です。クラシック音楽の世界では、ミヒャエルとヨーゼフのハイドンが知られていますが、二人は兄弟で、ともにモーツァルトと親交をもっていました。兄のヨーゼフの方はモーツァルトとは師弟の関係にあったそうです。
 今では“パパ・ハイドン”と呼ばれ、教科書にも“交響曲の父”といった肩書きを付けて、この作曲家を称えています。しかし、生前は弟の方が圧倒的な人気があったそうです。

 ヨーゼフは交響曲108曲(番号付きは104番まで)、弦楽四重奏曲83曲を作曲しています。ここで紹介しているのは、そんなハイドンの別の面を見せてくれるアルバムです。膨大な作品を残しているヨーゼフでも、このジャンルはHob.VI:1-6しか残してくれませんでした。そんな貴重な楽曲がレコーディングされているのは、ファンとしては嬉しい限りです。

 以下の二枚はHob.VI:1-6を異なる楽器のデュオとして編曲したものです。ヨーゼフは楽器編成を変えての改作、編曲を数多く行っています。

ヴァイオリンとヴィオラのための6つのソナタ(ハイドン)
/ Vilmos Szabadi & Peter Barsony

 この組み合わせで有名なのは、弟のミヒャエルとモーツァルトの作品ですが、兄ヨーゼフも同じ組み合わせによる作品を作曲してくれていました。全体を支配する平和的なハーモニーが、いかにもヨーゼフらしい作風で、終わりまで心地良く響きます。

 当盤のコンビは、のち紹介するCarl Stamitz(1745-1801)
Louis Spohr(1784-1859)が作曲した二挺ための作品をレコーディング(しかも、そのほとんどが世界初録音)し、このジャンルを積極的に取り組んでくれている若手コンビです。

ヴァイオリンとチェロのための6つのソナタ(ハイドン)
/ Duo Ongarese

 ヨーゼフの作品は様々な楽器で演奏可能になっていて、作曲者本人による編曲版が、多くの曲で存在しています。この曲もまたヴィオラをチェロに持ち替えて演奏することを可能にしました。
 このアルバムがまさにそれで、素人の私にも高音と低音の組み合わせの方がメロディが引き立つ、という事が再認識できました。二つの楽器が組み合わさり、ハーモニーを奏でた瞬間、鳥肌。四重奏曲を80曲近くも残したハイドンだからこそ知り得た楽器の持ち味、とでも言ったらよいでしょうか。変な表現ですが、規模の小さなカルテットです。



カール・シュターミッツ(1745-1801)

 Carl Stamitz(1745-1801)はハイドンの後輩、モーツァルトの先輩格にあたる作曲家で、活躍時期は初期の古典派に位置しています。
 私がロッラに夢中になった、二挺のためのソナタを数多く残し、カール・テオドール(1724〜 1799)の宮廷楽団を中心に活躍した作曲家の一人で、マンハイムにあったことからマンハイム楽派と呼ばれています。

ヴァイオリンとヴィオラのための6つのデュオ(シュターミッツ)
/ Gabeiela Demeterova

 このアルバムは1992年第44回プラハの春国際音楽コンクールのヴァイオリン部門において、第2位に入選(1位は玉井菜採でヨセフ・スーク賞も受賞)したガブリエラ・デメテロヴァが、なんと独りデュオを演じています。ライナーノーツの中で、彼女自身が“myself together with myself”と表現しているように、ヴァイオリンとヴィオラを持ち替え多重録音。最初にヴァイオリンパート(1855年製)を録音し、そのテープをプレイバックしながらヴィオラパート(1795年製)をレコーディングしています。ジャケットに映る背後の女性もデメテロヴァ本人というわけですね。

Supraphon;SU3645-2(2002)

ヴァイオリンとヴィオラのための3つのデュオ(シュターミッツ)
/ Vilmos Szabadi & Peter Barsony

 世界初録音(シリーズ)として作品18が収められました。バロック期と古典期の橋渡しのような世代で、私が求める技巧に偏らず、爽やかで穏やかに満ちたサロン風の雰囲気にピッタリ合っています。このアルバムの冒頭に収められた曲の雰囲気は、バロックのような明るさがあり、聴いていて飽きません。

Hungaroton;HCD32282(2005/01/25)

ヴァイオリンとヴィオラのための3つのデュオ(シュターミッツ)
/ Vilmos Szabadi & Peter Barsony

 前作同様のコンビによる第二弾。今回は作品10、作品34(ディベルティメント)。このコンビはスタミッツの他、シュポアの二挺のヴァイオリンの作品群のレコーディングも平行して行っている若手デュオです。

Hungaroton;HCD32453(2007/02/26)



イグナツ・プレイエル(1757-1831)

 Ignace Joseph Pleyel(1745-1801)はピアノ・メーカーとしての名声を持っていますが、それも一面に過ぎず、ここに紹介する二挺のヴァイオリンのためのソナタのような作品を数多く残した作曲家です。

2つのヴァイオリンのためのソナタ(プレイエル)
/ Vilmos Szabadi & Bela Banfalvi

 プレイエルは古典派に属する時代に活躍した作曲家です。プレイエルというショパンが愛想することになった楽器の制作者(プレイエル社)を創設したことのほうが有名ですが、ここに聴かれるような、当時の音楽愛好家のために作曲した作品を数多く残しています。「古典派」と表現しましたが、2挺のヴァイオリンが伸びやかに絡み合うソナタはハイドンの流れを受け継ぐ肩の凝らない作品として楽しむことが出来ます。

Hungaroton;HCD32625(2010/06/29)



アレッサンドロ・ロッラ(1757-1841)

 最近、にわかに脚光が浴びてきたロッラ。数年前にたまたま購入したアルバムで初めてその存在を知ったのですが、まさかこんなにも立派な経歴な作曲家だったとは思いもしませんでした。私にとっては、バロックから探し求めている器楽同志のデュオという最小ユニットによる合奏を、ロッラは数多く書いてくれているので、かなりお気に入りの作曲家です。というわけで彼の略歴など…

 アレッサンドロ・ロッラは、ヴァイオリンの名手として名を馳せているジョバンニ・ヴァッティスタ・ヴィオッティ(1755-1824)ニコロ・パガニーニ(1782-1840)それぞれと活躍時期が重なります。この3人の共通点はヴァイオリニスト兼作曲家というところでしょうか。

ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ Op.15(ロッラ)
/ Salvatore Accardo & Luige Alberto Bianchi

 ロッラのアルバムを初めて購入したのがこれで、その時はロッラのことをまったく知らなかったから、作曲家云々と言うよりも求めていた器楽同志のデュオということで期待通りの内容に満足。以降ロッラにのめり込んでゆくと言っても過言ではありません。
 このアルバムではヴァイオリンとヴィオラのデュオが3曲収録されています。録音は1972年と古いのですが、ロッラの作品自体が最近取りざたされたのではなく、海外ではそれなりに取り上げ(レコーディング)られていたことが伺われ、今となっては嬉しく思います。第1番のメロディとハーモニーがすべてを語っていると言って良いでしょう。ロッラを聴くなら、まずこれかな。

ヴァイオリンとチェロのための3つのデュオ(ロッラ)
/ Dora Bratchkove & Alina Kudelevic

 あたかもカルテットを聴いているようなハーモニーで、チェロという低音の影響でヴァイオリンの明るい音色が引き立っています。それぞれがソロを受け持つパートが交互に現れ、単楽器に偏ることなくバランスの良い楽曲という印象です。聴いていて心地よくなってきます。

フルートとヴァイオリンのための3つのデュオ(ロッラ)
/ Daniele Ruggieri & Marco Rogliano

 長い間この組み合わせを探し続け、ようやく発見した作品集!しかもロッラです。今まであってもよさそうな組み合わせでしたが、なかなか難しいのでしょうか。しかしロッラはやってくれました。2台のヴァイオリンだと、その音域が同一だから埋もれてしまうこともあるかもしれませんが、ここではフルートがメロディを奏でているときにはヴァイオリンは通奏低音、ヴァイオリンがメロディを奏でているときにはフルートが逆の音型を奏でています。その絡みは巧みで、音色が違うだけにその絶妙なハーモニーは筆舌に尽くしがたいものがあります。

2つのヴィオラのための3つのデュオ(ロッラ)
/ Franceso Lattuada & Carlo Barato

 まさか、こういう組み合わせまであるとは思もいませんでしたが、結局は高音を弾くことで高低のハーモニーになります。ただし、ヴァイオリンと比べると、ヴィオラの音色はいささか渋めの声ですので、やはり味わい深いハーモニーを聴かせてくれます。



ルイス・シュポア(1784-1859)

 ルイス・シュポアも数多くの二挺のための作品を書き残してくれています。ベートーヴェンの交響曲第7番の初演にヴァイオリンで参加するといった逸話が残されていますが、当時は有名な人気ヴァイオリニストであり、顎あてを発明しました。また、名指揮者として、最初に指揮棒を使い始め、アルファベットの大文字による練習番号を使い始めた最初の作曲家でした。演奏者としての顔を持ちながら、190近い作品を残す大作曲家でした。

2つのヴァイオリンのためのデュオ(シュポア)
/ Peter Csaba & Vilmos Szabadi

 個人的な印象では、ちょっと気難しそうな、深刻そうな表情をチラッと見せつつも、全体的に穏やかな雰囲気が全体を支配していて、表情が豊かな作品が並んでいます。真面目な楽曲というところで、ベートーヴェンを思わせる重々しいところがありますが、抒情楽章は得も言われる美しさです。このアルバムには作品39が収められています。

Hungaroton ;HCD31866(1999)

2つのヴァイオリンのためのデュオ(シュポア)
/ Peter Csaba & Vilmos Szabadi

 前作と同じコンビによるレコーディングで、今回は作品148と作品150が収録されています。

Hungaroton ;HCD32119(2003/02/04)

2つのヴァイオリンのためのデュオ(シュポア)
/ Peter Csaba & Vilmos Szabadi

 このコンビはシュポアのデュオを全曲レコーディングしてくれるのでしょうか?そんな勢いのあるシリーズです。今後の発展が楽しみ。

Hungaroton ;HCD32356(2006/4/25)



ヴァイオリンとチェロのための6つの室内ソナタ(Mascitti)
/ Fabrizio Cipriani & Antonio Fantinuoli

 Michele Mascitti(1663-1760)という作曲家を知ったのは、この室内ソナタと題されたアルバムからで、この曲意外、聴いたことはありません。ただ、個人的には、二挺のための作品集を漁っていた頃に見つけた掘り出し物で、ヴァイオリン同志の曲よりも、いくらかメリハリの利いたチェロとの組み合わせの法が、ハーモニー的には美しく感じられます。



ヴァイオリンのための12のソナタ(ヴィヴァルディ)
/ Vilmos Szabadi & Peter Barsony

 アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)のこの作品集は、ヴァイオリンソナタとなっていますが、このうち4番、7番、9番、11番の4つのソナタがヴァイオリンとチェロの二重奏です。正確には二重奏と言うよりも、ヴァイオリンの引き立て役としても通奏低音でしかないような感じですが、やはりこの組み合わせのハーモニーは美しく、心を穏やかにさせてくれます。



2つのヴァイオリンのためのデュオとセレナード(ヴィオッティ)
/ Duo Deschka

 Giovanni Battista Viotti(1755-1824)もまた、多くのデュエット作品を残してくれた作曲家です。ここではヴァイオリンのためのデュオと、セレナードの一部を収録しています。他の曲を探すのが楽しみな作曲家です。



2つのチェロのためのソナタOp.2(クレイン)
/ Gerhart Darmstadt & Werner Matzke

 Jacob Klein(um1700)が作曲した2つのチェロのためのソナタ集ですが、最初は二挺とも低音のチェロだと結構つらかった。残響が多いせいで、なかなか馴染めなかったが今ではお昼寝の良いBGMになっています。



ヴァイオリンとヴィオラのための作品集
/ Bohumil Kotmel & Jan Peruska

 モーツァルト、シュターミッツ、シュポア、ロッラ、ハルヴォーセンという複数の作曲家が残したデュエット集。モーツァルトという当代きってのメロディメーカーにばかり脚光があたってしまいがちですが、ここで紹介されている作曲家の作品は、どれも引けを取らず、どれもすばらしいハーモニーを聴かせてくれます。ゆったりとした雰囲気の中で奏でられるヴァイオリンとヴィオラのハーモニーは、どれも名曲ばかりだと認識させてくれる一枚です。



ヴァイオリンとチェロのための作品集 (STRINGS ATTACHED)
/ Annette-Barbara Vogel & Fulbert Slenczka

 ピアノ製造で知られるプレイエル(1757-1831)のヴァイオリンとチェロのためのデュエット、フィンランドのシンフォニスト、シベリウス(1865-1957)のヴァイオリンとチェロのためのカノン、マンドリン奏者として一流だった古典派のフィオリッロ(1755-1823)のヴァイオリンとチェロのためのデュエット、ロシアの作曲家グリエール(1875-1956)のヴァイオリンとチェロのためのデュエットがそれぞれ収められています。



2本のリコーダーのための作品集
/ 山岡重治 & 向江昭雅

 「2本のりコーダーのための作品集」と題されたアルバムで、テレマン、オトテール、ブラヴェの作品を演奏しています。テレマンは既にペトリ、ラウリン盤で親しんでいたので、ここではブラヴェの作品が新鮮に響きました。
 個人的にギリシア神話を連想させるタイトルの「女神たちの対話」に興味があり手を出した一枚です。オリジナルはラモーのクラブサンをブラヴェが2本のトラヴェルゾに編曲したものを移調してリコーダーで演奏しているもの。(オリジナルじゃないのかー)
 どの演奏からもリコーダーという素朴でシンプルな楽器の音色を存分に楽しむことができます。使用楽器はフレンチピッチ(a=392)のF管アルト、D管テナー、D管ソプラノリコーダーを奏でています。素朴ってすばらしい!



ゲオルグ・フィリップ・テレマン(1681-1767)

 Georg Philipp Telemann(1681-1767)はヘンデルやバッハの先輩であり、友人でもあったドイツの作曲家です。そして優れた演奏家であったことが知られています。私はバロック時代の作曲家では、テレマンが最も好きな作曲家で、その理由がここでしつこく紹介している6つのソナタにアルト言っても過言ではありません。それ以降、彼の室内楽作品、特にフラウトトラヴェルゾなどが主役になる曲には目がありません。

2つのリコーダーのための6つのソナタ Op. 2
/ Michala Petri & Elizabeth Selin

 器楽同志のデュエットの美しさ、楽しさを教えてくれた一枚。これにであうことがなければ、きっとこの種の音楽に巡り会うことはなかったかもしれません。このアルバムの解説には「2つのフラウト・トラヴェルゾ、または2つのヴァイオリン、または2つのブロックフレーテのために書かれ…」とあるのを読んで、ずっとヴァイオリン盤を探していたというわけです。

2つのフラウト・トラヴェルゾのための6つのソナタ Op.2
/ American Baroque

 ヴァイオリン版を探し出す前に見つけたトラヴェルゾ版。こちらはリコーダーと比べると低域にあるので、爽やかさと言うよりは落ちついた感じがありました。調整はヴァイオリンと同じ調整です。

2つのヴァイオリンのための6つのソナタ Op. 2
/ Duo Concertone

 このページの冒頭で紹介しているペトリ盤、ラウリン盤のリコーダーによる6つのソナタのヴァイオリン版です。ペトリのリコーダーでこの曲のかわいらしい魅力にとりつかれ、ずっとこのヴァイオリンヴァージョンを探していましたが、ようやく見つけることができました。リコーダーとヴァイオリンという音域の違いもあるため、各ソナタの調性が異なりますが、この曲が内包している美しさや楽しさ(聴いていても演奏していても)変わることがなく、心地よく聴くことができます。聴くだけの私はテレマンが楽器によって異なる調整の変更などの苦労をちっともわかっていません(恐るべし!)

リコーダー;F/B-flat/C/G-minor/D-minor/G
ヴァイオリン、トラヴェルゾ;D/G/A/E-minor/B-minor/E-minor