星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

6つのリコーダーのためのソナタ Op.2

 
 高校生の時(今から30年以上昔むかし…)、休み時間に友人の一人から「昨日のテレビ見た?」と、少々興奮気味に声を掛けられました。前日の夜、その友人は何気なくテレビをつけて、チャンネルを回したところ、NHK教育(3ch)で放送していたミカラ・ペトリのリコーダーにK.O.されたとのこと。彼は普段、アコギをジャカジャカかきむしるようにフォークを歌うことで学校でも知られた存在。私は幸いなことに、そんな彼を魅了してしまったミカラ・ペトリのCDを一枚だけ持っていました。彼から「CD持ってたら貸して欲しい」と懇願され、「来日したら一緒にコンサートに行こう!」ということにまで発展し、それから数年後、高校を卒業して双方ご無沙汰していたおり、ペトリは来日したのでした。
 


2つの器楽のためのソナタ Op.2

ヴィヴァルディ:ソナタ 第6番 ト短調(忠実な羊飼い)
コレッリ:ソナタ ハ長調 Op.5-9
ビガグリア:ソナタ イ短調
ボノンチーニ:室内デヴェルティメント 第6番 ハ短調
サンマルティーニ:ソナタ ト長調 Op.13-4
マルッチェロ:ソナタ へ長調 Op.2-1

ミカラ・ペトリ:リコーダー
(Michale Petri)
ジョージ・マルコム:チェンバロ
(George Malcolm)

1984


2つのリコーダーのための6つのソナタ

第1番 ヘ長調
第2番 変ロ長調
第3番 ハ長調
第4番 ト短調
第5番 ニ短調
第6番 ト長調

ミカラ・ペトリ:リコーダー
(Michale Petri)
エリザベス・セリン:リコーダー
(Elizabeth Selin)

1987

 
 ペトリのアルバムで最初に購入したのは、ベテランのチェンバリスト、ジョージ・マルコムが晩奏している『バロック・リコーダー・ソナタ集』でした。この頃、学校に行く前の目覚ましでラジオを鳴らしていましたが、なんと爽やかな一枚だったことでしょうか?バロックが流れると、起きるどころか、また布団に入りたくなってしまうという逆効果現象を起こしていました。そんな折に買い求めた一枚がペトリのリコーダーでした。CDと言うものを買い始めた初期中の初期の一枚ですが、今でも良く取り出して聞いている愛聴の一枚です。

 もう一枚のアルバムは1987年にレコーディングされていましたが、ペトリの来日記念盤として1990年にリリースされました。これはジャケット共々“爽やかな”という表現がピッタリのアルバムで、バロックの楽しさやリコーダという身近な楽器を演奏する楽しさを教えてくれる一枚でした(私は演奏はしませんが…)。そして、私が生まれて初めてクラシックのコンサートに足を運んだのも、この時のミカラ・ペトリのリサイタルでした。

 器楽同志のデュエットの美しさ、楽しさを教えてくれた一枚。これにであうことがなければ、きっとこの種の音楽に巡り会うことはなかったかもしれません。このアルバムの解説には「2つのフラウト・トラヴェルゾ、または2つのヴァイオリン、または2つのブロックフレーテのために書かれ…」とあるのを読んで、ずっとヴァイオリン盤を探していたというわけです。

  このアルバムには、もう1人、エリザベス・セリンという女流リコーダーが演奏しています。いわゆる美人奏者によるテレマンのリコーダー集です。ただ、残念ながらこのコンビによるレコーディングがスポットを浴びたのは、これ一枚だけで、他に共演として聞くことができるのは、ヘンデルの『木管ソナタ全集』に収録されている「2つのリコーダーのためのソナタ HWV.405」です。こちらはチェロとチェンバロが通奏低音として支えています。

 2013年にデンマークの現代作曲家イェルゲンセンの作品集がリリースされました。テレマンとは関係がありませんが、この作曲家の娘がエリザベス・セリンということで、実に26年ぶりの共演ということになるでしょうか。お二人とも素敵な雰囲気のままです。
1.「Periphrasis」 Op.156
2.「Nachtstuck」Op.118-1
3.「Architraves」Op.83
4.「Zwiegesprach」Op.131
5.「Birds Concert」Op.91-9
6.「Fantasia」Op.75
7.「Pergolato」Op.183
8.「Notenbuchlein」Op.82

ミカラ・ペトリ:リコーダー
エリザベス・セリン:リコーダー
イングリッド・ミュフーィ: ハープシコード
ゲルト・モーテンセン: パーカッション


クラス・ペールソン盤

 リコーダー以外にも、この通奏低音なしのソナタは様々な楽器による演奏が可能なため、当然フルートによる演奏もレコーディングされています。

2本のフルートのための6つのソナタ Op.2

第5番 ロ短調(ニ短調)
第2番 ト長調(変ロ長調)
第4番 ホ短調(ト短調)
第3番 イ長調(ハ長調)
第1番 ニ長調(ヘ長調)
第6番 ホ長調(ト長調)

シュテファン・シュルツ:バロック・フルート
ミンディ・ローゼンフェルド:バロック・フルート

1997

 ペトリ盤とペルーソン盤は同じリコーダーなので、曲目が同じなのは当然ですが、アメリカン・バロック盤はバロックフルート(Rottenburgh)を使用しているため、調性が異なってます。こちらはリコーダーと比べると低域にあるので、爽やかさと言うよりは落ちついた感じがありました。調性はヴァイオリンと同じ調性です。
  私は素人なので、楽器の仕組み(出しやすい音域とか…)はよくわかりません。あまりにも自然に聞こえてくるので、演奏者やアレンジ(恐らくこれはテレマン自身が、楽器別に編曲をしているのでしょう)の苦労など考えもせず… ともかく、心地よさだけで聞かせてもらってます。

 

Georg-Philipp-Telemann(1681-1767)

〜1680年代生まれの作曲家〜
Jean Philippe Rameau(1683-1764)
Georg Friedrich Händel(1685-1759)
Johann Sebastian Bach(1685-1750)
Giuseppe Domenico Scarlatti(1685-1757)
 テレマンと同時代の天文学史を覗いてみると、アイザック・ニュートン(1642-1727)という巨人が物理という道具と思考を使って、世の中を見始めていた時代です。そのニュートンは、とある作曲家のオペラを鑑賞していましたが、「くだらんっ!」と言って、途中退席したようです。その時のオペラは何だったのかわかりません。現在調査中です。

このあとに、私の好きな作曲家の一人である
Jean-Marie Leclair(1697-1764)が生まれています。


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