| ここは極力作曲者自身による交響曲のピアノ編曲版の紹介ページです。もともとがオーケストラだから、比較すると迫力とか奥行きとかくらべものにこそなりませんが、シンプルなピアノという単色が見せてくれる骨格が浮かび上がってくるのではないでしょうか。いったい何を物語ってくれるでしょうか。
それにしてもなぜこうした編曲ものがあるのでしょうか。理由はいろいろあります。ひとつは作曲者がオーケストレーションするまえの草稿としてピアノで作曲をした。このケースはあくまでも作曲の過程にあるため、一般に楽譜として出回ることはあまりありません。もっとも大きな理由としては、ピアノの普及とともに、音楽を気軽に楽しむための手段として連弾がブームになったため、ピアノアレンジの楽譜が必要になったことです。家にある、あるいはサロンに置いてあるピアノで演奏するというのは、一種のステイタスでもあったのです。 19世紀の終わりぐらいになると、勝手に他人の曲を編曲するということが難しくなり(版権問題が絡んでくるため)ましたが、国外ではまだ容易に他者の編曲は行われていたようです。 しかし、私がこだわっているのは当然作曲者自身のアレンジ。ピアノ編曲の動機が楽譜出版による印税(おこづかいのようなものか)のためや、その印税を他人に持って行かれないための手段として、作曲者を動かしていたとはいえ、他人の手に染まっていない純粋な音として聞こえてくるからです。当時、特に人気があったのはブラームスの「ハンガリー舞曲」でした。 |
♪ ベドルジハ・スメタナ ♪(Bedřich Smetana, 1824-1884) |
| 人気の作曲家のこともあり、ブラームスのピアノ編曲は他の作曲家と比べて取り上げ、レコーディングする機会に恵まれているような気がします。ブラームスも時代の潮流に乗り、楽譜も売れるということもあって、自作のピアノ版をたくさん作りました。 |
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| 連作交響詩の中でもずば抜けて人気があり、単一で取り上げられることが多い曲集ですが、ここでは全曲がレコーディングされています。先のドヴォルザークの後期三大交響曲を手がけたデュオのデビュー・アルバムでした。 |
♪ ヨハネス・ブラームス ♪ (Johannes Brahms, 1833 - 1897) |
| 人気の作曲家のこともあり、ブラームスのピアノ編曲は他の作曲家と比べて取り上げ、レコーディングする機会に恵まれているような気がします。ブラームスも時代の潮流に乗り、楽譜も売れるということもあって、自作のピアノ版をたくさん作りました。 |
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| 「まさか」という曲目を次々にレコーディングしてくれているデュオ。これはブラームスの濃厚なオーケストレーションを4手のピアノ版にアレンジした作曲者自身のオリジナル。私はこの言葉に弱いのです(笑) |
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| もっとも知られた連弾はこのブラームスの「ハンガリー舞曲」ではないでしょうか。正確にはブラームスが編曲、あるいは編纂した作品集です。私が最初にこの曲を耳にしたのはチャップリンの「独裁者」での床屋のシーン。だからオリジナルはオーケストラだと思っていました。実はオーケストラ版はピアノ版の後に、本人の編曲ではなく、多くの作曲家たちの手で編曲されたのです。だから、これがオリジナル・ヴァージョンというわけ。 |
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| 私にとってのピアノデュオといったら、まずはべロフとコラールのコンビが真っ先に思い浮かびます。一緒のステージは見たことありませんが、それぞれのソロ(ベロフはドビュッシー、コラールはラヴェル)を楽しんできました。大物二人が同じステージはなかなか難しいので、こうしたレコードセッションによるレコードは嬉しいですね。 (ハンガリーだったりハンガリアだったり…) |
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| 美人姉妹による「ハンガリー舞曲」なんとなく連弾とかのイメージをもっとも良く言い表しているのかもしれませんねぇ。それはレコード会社の策略なのかもしれませんが(笑)。 |
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| 日本人夫婦による息の合った連弾です。私が興味をそそられるのは「舞曲集」で使っている1887年製のスタインウェイの響き。「ワルツ集」では現代のスタインウェイと、弾き分けています。どうせなら… |
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| コラール&ベロフのブラームスをもう一枚。 ジャケットはこういったポートレイトがいい。 |
♪ カミーユ・サン=サーンス ♪ (Charles Camille Saint-Saëns, 1835-1921) |
| 人気の作曲家のこともあり、ブラームスのピアノ編曲は他の作曲家と比べて取り上げ、レコーディングする機会に恵まれているような気がします。ブラームスも時代の潮流に乗り、楽譜も売れるということもあって、自作のピアノ版をたくさん作りました。 |
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| オーディオファイルにもなっているサン=サーンスの交響曲第3番を、作曲者が2台ピアノのために編曲したもの。これに主役であるオルガンが加わったら… などの邪道なことを考えてしまいそうですが、華やかな響きの交響曲が、単色のピアノのみで奏でられるとは思っても見ませんでした。このジャンルの楽しみである骨格が、この演奏(編曲)ではデッドな録音で、オリジナルの響きとは真逆な姿を見せてくれます。この手のレコーディングでは、比較的エコーを掛けて、スケールの大きなオーケストラに負けじとした演出が加わることも多いのですが、この演奏ではそれが感じられません。 |
♪ ピョートル・チャイコフスキー ♪ (Pyotr Tchaikovsky, 1840-1893) |
| 人気の作曲家のこともあり、ブラームスのピアノ編曲は他の作曲家と比べて取り上げ、レコーディングする機会に恵まれているような気がします。ブラームスも時代の潮流に乗り、楽譜も売れるということもあって、自作のピアノ版をたくさん作りました。 |
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| この曲ピアノ版の存在を初めて知ったアルバム。そして「ピアノ版」という面白さにも気づかせてくれた一枚です。特に抒情的な楽章では、ピアノらしい響きに、コレはオリジナルがピアノ難じゃないかと思えるような旋律の歌がクッキリと聴こえてきます。そして対照的な第3楽章などのテンポのよい楽章の前のめりになる雰囲気は、オーケストラにはない迫力が味わえます。 |
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| このアルバムの主人公はロシア人姉妹。母国の作曲家であるチャイコフスキーの交響曲をまとめてピアノでレコーディングしてくれました。とはいえ、全曲作曲者の編曲ではなく、2番と6番のみで、残りはマンフレッドと併せて他人の編曲。それでもチャイコフスキーの交響曲がピアノで全曲聴けるのは「ピアノ版フェチ」にとって至福の喜び。しかも嬉しい(私だけかも)ことに、音がデッドで、運指が手に取るように聴こえて来る録音にゾクゾクします(スケルッオ楽章に顕著)。続編のベートーヴェンも完成させてます(コチラは全曲作者以外の編曲)。 |
♪ アントン・ドヴォルザーク ♪(Antonín Dvořák, 1841-1904) |
| 人気の作曲家のこともあり、ブラームスのピアノ編曲は他の作曲家と比べて取り上げ、レコーディングする機会に恵まれているような気がします。ブラームスも時代の潮流に乗り、楽譜も売れるということもあって、自作のピアノ版をたくさん作りました。 |
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| これもブラームスの「ハンガリー舞曲」に倣い、最初に連弾版が作曲され、のちにオーケストラ版が作られました。ブラームスに触発され(というより儲かるからと促され)作曲された舞曲集ですが、それぞれの個性の違いがこれほどまでに描き出されたのは、彼らの個性のたまものでしょう。やはりこの曲も最初に聴いたのはベロフとコラールのコンビです。 |
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| この名曲がピアノ版だなんて!と思って手に取ってみました。聞く前に期待をしていたのは第2楽章と、カップリングされている「モルダウ」でしたが、手に汗握る第3楽章、第4楽章が名演です。 |
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| 交響曲第9番は、人気曲ということもあって複数のレコードがありますが、第7番、第8番となると聞いたことがないピアノ編曲版です。世界初録音ということもあり、貴重な演奏です。なお、このデュオのデビュー・アルバムはスメタナ自身の編曲による『わが祖国』でした。 |
♪ グスタフ・ホルスト ♪(Claude Debussy, 1862-1918) |
| オーケストラ・ピースとして大人気の曲に、まさかの2台ピアノ版がリリースされることが告知された時は、まさに狐につままれた気分になりました。そんなものが存在するの!? |
惑星 / Richard Rodney Bennett & Susan Bradshaw |
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| このレコードがリリースされるまで、『惑星』に作曲者自身のピアノ編曲版があるとは誰が想像したでしょうか? カラフルなオーケストレーションに負けないぐらい表情豊かな演奏は、大げさすぎる残響にも負うところが大きいようです。意外にも木星の第4主題の始まり方が短音で静かに始まり、徐々に盛り上がってゆくあたりは、楽譜に記されているのでしょうが、これはオーケストラよりも効果が大きいと思います。金星や海王星といったアダージョ楽章の曲が雰囲気がとても良いです。これでコーラスが入ったらと思うのは贅沢でしょうか? |
惑星 / Richard Markham & David Nettle |
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| まだCDがそこそこの時代にレコードでレコーディングされていますが、およそ日本で紹介されることのない時代でした(笑)。ホルスト自身による2台のピアノ版です。 現在はファミリーネームを入れ替えて「Nettle & Markham」の名義で活動しています。 |
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| 2台用のピアノで、初のデジタルレコーディングです。かなり硬質な響きの演奏ですが、そこら辺はさすがにデジタルならではかもしれません(私がピアノ版を知った2種目)。結構好みが分かれるかもしれません。骨組みがしっかりとわかるようで爽快ですらあります。 |
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| 2台用のピアノに編曲されたレコードは多いですが、これはホルスト自身による連弾版。世界初録音だそうです。1台を4手で叩いているので、奥行きや迫力には今一つ欠けるところもありますが、この手の編曲は「手軽にオーケストラを楽しむ」ことができなかった時代の産物なので無理はありません。よほどのマニアでない限り、手を出すことはないのではないでしょうか?私はカップリングの「夜想曲」目当てです。 |
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| 2台用のピアノが日本人によって初めてレコーディングされたとのことです。 |
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| 1990年にこのアルバムのリリースがアナウンスされたときの驚きようといったら、自分の中でもここまでドキドキした体験はないと思えるぐらいです(笑)。しかもアシュケナージとガブリーロフの組み合わせは、この後もリリースされることになる同曲の中では、もっとも贅沢な共演ではないでしょうか? メインの「ハルサイ」のほか、ストラヴィンスキーの小品を収録しています。 |
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| こんなにも激しい曲を1台のピアノで演奏するという快挙にも似たレコードです。このデュオはホルストの「惑星」でレコード・デビューを果たしたおしどり夫婦で息もぴったり。私がこのアルバムに惹かれるのは、やはり作曲者自身のピアノアレンジというところです。 |
♪ クロード・ドビュッシー ♪(Claude Debussy, 1862-1918) |
| 人気の作曲家のこともあり、ブラームスのピアノ編曲は他の作曲家と比べて取り上げ、レコーディングする機会に恵まれているような気がします。ブラームスも時代の潮流に乗り、楽譜も売れるということもあって、自作のピアノ版をたくさん作りました。 |
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| またまた登場のデュオ・クロムランクのおしどり夫婦によるコンビ。ここではドビュッシーの「海」のピアノ版がメイン・ディッシュとなります(笑)。同じようにおしどり夫婦である永井&アシャツのコンビもドビュッシーに取り組んでくれていますが、そちらはカプレの編曲によるものです。 |
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| 「牧神」のピアノ版はラヴェルが編曲した版が割と演奏、録音されるケースは多いのですが、ここで演奏されている作曲者本人のアレンジは珍しいです。また「舞曲」も珍しいアレンジ。 |
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| グラウ・シューマッハー・ピアノ・デュオは現代音楽作品を数多く取り上げているピアノ・デュオ。ショスタコはまだわかりますが、カップリングのシューベルトは意外でした。 |
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| ロシア人姉妹によるピアノデュオ・アナスタシア&リウボフ・グロモグラソヴァのコンビニよるショスタコーヴィッチ交響曲全集の一枚目。第5番が最初というのは、挨拶がわりか、最も人気があるからか… それにしても複雑なのが、まさにウクライナとロシアの戦争の真っ只中ということ。非常に興味深いシリーズなのだけれど、今はちょっと聞ける余裕がない。 |
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| カラヤンが唯一レコーディングを行った交響曲第10番。ショスタコーヴィッチがスターリン亡き後、吐露した彼への心情が第二楽章に反映されているとされている第二楽章が聞きどころ… と書いたものの、一枚目同様、いまだに聞く気になれない。 |
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| カール・セーガンの『コスモス』で印象的な場面で使用された第1楽章。個人的にドンピシャな選曲に、このアルバムを発見したときには即買いでした(笑) |
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| 思わずジャケット(一卵性双生児)に目が行ってしまいがちですが、ここに収められている曲の珍しいこと珍しいこと。よくぞここまで集めてくれたと、惜しみない拍手を送りたいです。私のお目当てはオネゲルとムソルグスキー Jumelles, facebook |