ウィンダム・ヒルの掲示板
Photo by Toshiharu Minagawa.

IMAGINARY ROADS/ William Ackerman(WH-1078)
Produced by William Ackerman and Dawn Atkinson.

1988 Windham Hill Records.

 

01.The Moment In Which You Must Finally Let Go Of The Tether Which Has Held Your Hope Airborne
William Ackerman ; Guitar / William Allaudin Mathieu ; Piano

02.A Region Of Clouds
William Ackerman ; Guitar

03.If You Look
William Ackerman ; Guitar / Chuck Greenberg ; Lylicon / Michael Manring; Fletress Bass

04.Floyd's Ghost
William Ackerman ; Guitar / Philip Aaberg; Piano

05.Wondering Again What's Behind The Eyes
William Ackerman ; Guitar / Mitsuhashi Kifu : Shakuhachi(三橋貴風:尺八)

06.Dawn Treader
William Ackerman ; Guitar, Piano

07.The Prospect Of Darrow's Barn And The Blossoms Of An Apple Spring On Imaginary Road
William Ackerman ; Guitar / Jill Haley : English Horn

08.Brother A Teaches 7
William Ackerman ; Guitar / Charles Bisharat : Violin / Michael Manring; Fletress Bass

09.Innocent Moon
William Ackerman ; Guitar

10.The Moment - Reprise
William Ackerman ; Guitar

11.If You Look - Version II
William Ackerman ; Guitar

12.Darrow's Barn - Version II
William Ackerman ; Guitar

 
 
 
 

日本の風景写真家・前田真三氏の写真をジャケットにフューチャーしたウィルの7枚目のアルバムです。
(安っぽく聞こえてしまうので使いたくない言葉ですが)彼の最高傑作だと思っています。

オープニングからしてウィルのギターの序奏に始まり、マシューのピアノがさりげなく入ってくるあたりなど、ウィンダム・ヒルを聴いていて本当に良かった、と思える瞬間を毎回のように感じてしまいます。
今までにウィルの作品や、ウィンダム・ヒルの作品、あるいはウィルが手掛けたフォロアーたちの楽曲を聴いていても、毎回のようにこんな気持ちが湧き上がってくる曲はありません。

うーん、それにしてもタイトルが長い… そのオープニング曲♪The Moment In Which You Must Finally Let Go Of The Tether Which Has Held Your Hope Airborneにしても、タイトルというよりは文章です(笑)ラストにリプライズされますが、その時のタイトルはもっと短く♪The Moment. もしかしたら、彼がもっとも影響を受けたと言っているエリック・サティをまねたのかもしれません。サティのタイトルも意味不明の独特で長い

本人にとっても自信作なのでしょう、このアルバムタイトルをウィンダム・ヒルとは別に、初期のポリシー
を取り戻そうとして立ち上げた新しいレーベル名に“Imaginary Road”と名づけているほど。それほどこのアルバムの内容やタイトルに愛着があるようです。
それはリスナーにも伝わってくるようで、このアルバムは、初期のレーベルの代名詞的だったギターとピアノという二つの楽器が主役となっているからです。 

注目は今作で始めて披露するウィルのピアノでしょうか(6)。フィリップ・アーバーグウィリアム・アラジン・マシューといった本職がピアニストも参加しているにもかかわらず、ウィルがピアノ。どうしても自分で弾きたかったのか、自分にしか弾けない表現があったのか… 様々なことを考えてしまいます。

ウィルの暖かな、彼のぬくもりをも感じるギターの音色とは 対照的に、氷のようにヒンヤリとした感触でクリスタルなピアノの響きを奏でているのは、今やウィンダム・ヒルの代表的なピアニスト、フィリッ
プ・アーバーグ(4、12)と、ウィリアム・アラジン・マシュー(1)の2人。また尺八奏者三橋貴風氏との対話 からは日本の原風景を連想させてくれます(5)。 

 4作目以降、彼のスタイルはギターソロというよりも、デュオか数人によるアンサンブルを中心に、ブリッヂ的にソロギターを配置するスタイルが定着し、それがのちのイマジナリー・ロード・サウンドの基礎になって行ったようです。