Photo by Toshiharu Minagawa.


 ウィンダム・ヒルの歴史はウィリアム・アッカーマンの歴史でもあります。特に彼がプロデュースした作品は、レーベル色が色濃く反映されているといってよいでしょう。というのも、やはり彼がウィンダム・ヒルそのものだからに他ありません。
  ここでは、ウィンダム・ヒル・レーベルを売却した後に立ち上げたImaginary Roadという新しいレーベルに併せて新設したウィルのスタジオ、イマジナリー・ロード・スタジオで制作されたウィルのプロデュース作品のうち、2019年にリリースされたアルバム、ならびに元ウィンダム・ヒルのアーティストのアルバムを紹介します。 なお、オムニバスなどのエグゼクティブ作品は割愛しています。ウィンダム・ヒルの作品集はコチラをご覧下さい。

WAS IT THIS LIFETIME -Pieces for Guitar (1995-2011)-/ Will Ackerman -2019-
 ファンにとってはウィルの挨拶代わり(元気にしているよ)、ウィルを発見した若い世代には自己紹介的な正確のベストアルバム。選曲は彼の代名詞ともなっているウィンダム・ヒル以降にレコーディングされた名曲集となっています。FLOWと平行してソロ活動、プロデューサー業も行なっている多忙を縫ってのリリース。こちらをジロリと見つめる瞳には、並々ならぬ気迫を感じるのは私だけでしょうか?(レビュー) 




LILAC SKIES/ Shambhu -2019-
 Imaginary Road Studios作品ではないのですが、エンジニアには前作同様Todd Boston、マスタリングにはTom Eatonが関わっています。ジャケットから想像できるように、ヒーリング系(?)といった感じの安定したアンビエントな癒し系のギターミュージックに仕上がっています。




FOUR GUITARS/ Will Ackerman, Vin Downes, Todd Mosby,Trevor Gordon Hall -2019-
 参加メンバーはWill Ackerman, Vin Downes, Todd Mosby,Trevor Gordon Hall。いずれもImaginary Road Studioでレコーディングしているメンバーたち。この4人のギタリストがセッションを行なったのがこのアルバム。すべてニュー・レコーディング。選曲の中にはウィルの名曲も含まれており、ニュー・カマーたちとのデュオなどのアンサンブルは新鮮。(レビュー




RESTLESS WIND/ George Winston -2019-
 これもイマジナリー・ロードでの作品ではありませんが、もと盟友ジョージ・ウィンストン、2017年の『SPRING CAROUSEL』以来のピアノソロ。安定したジョージの楽曲群は、もはやジャンルと言っても過言ではないかもしれません。




BEFORE TODAY, BEYOND TOMORROW/ Ann Sweeten-2019-
 参加メンバーはNancy Rumbel (English Horn), Eugene Friesen (Cello), Charlie Bisharat (Violin), Premik Russell Tubbs (Soprano Saxophone), Trisha Craig (Flute)。(レビュー




HOW IT HAPPEND/ Tom Eaton-2019-
 Imaginary Road StudiosのエンジニアであるTom Eatonは、マルチプレイヤーというもう一つの顔を持っていて、アーティストとしてソロアルバムを何枚も制作しています。これまでに彼が手掛けてきたプロデュースやエンジニアなどを通じて見えてくる顔は、ウィルの右腕、ウィンダム・ヒルを彷彿とさせる、アコースティック主体なサウンドを得意とするエンジニアといった顔を見せてくれていますが、ソロ・アーティストとしての彼は、必ずしもアコースティック・サウンドに偏っているわけではなく、ブライアン・イーノやマーク・アイシャム、ティム・ストーリーといったクリエイターのような、アンビエント・ミュージックに近い作風です。




THE LATE TRAIN HOME/ Ed Blumenthal -2019-
 ピアノアンサンブル。参加アーティストはCharlie Bisharat、Eugene Friesen、Jill Haley English、Noah Wilding、Premik Russell Tubbs、Tom Eaton NS、Will Ackerman。(レビュー




UNDERWATER WHISPERER/ Masako-2019-
 Imaginary Road Studioで4枚目となる日本人アーティストMasakoの新作。(レビュー




UNSPOKEN/ John Otott -2019-
 本人にとっては5作目となるアルバム(ジャケットに写る紳士姿に、最初は洋服のCMかと思ったぐらい、全く関係のないものだと思っていました…)。ピアノアンサンブル。参加はviolin, cello, guitar, percussion, flugelhorn and some bass guitar。(レビュー




STAR LULLABY/ Raphael Groren -2019-
 家具職人と言う肩書きを持つ(という意味ではウィルと同じ道を歩んでいる)ギタリストの2ndアルバム。前回はソロだったのが、一転、アンサンブルをフューチャーした2枚組。(レビュー




THE WINDS OF BADLANDS/ Jill Haley -2019-
 National Park Seriesの5枚目。今回はImaginary Road Studiosを離れ(恐らくスケジュールの都合)、Corin Nelsenのところでのレコーディング。前作同様、家族総出演(レビュー)




SOLACE OF MOUNTAIN'S & CLOUDS/ Kathryn Kaye -2019-
 
イマジナリー・ロード・スタジオでの8枚目(!)となるアルバム。




RESONANCE/ Barbara Higbie -2019-
 

 ウィンダム・ヒルのマルチプレイヤーだった一人、バーバラ・ヒグビーのニューアルバムです。2014年の『SCENE FROM LIFE』以来。 そして彼女がこうしたウィンダム・ヒル的なジャケットでのリリースは『TIDELINE』以来じゃないかしら? と思ったりして… この雰囲気、スコット・コッスの『REUNION』にそっくり。





CUPID BLINDFOLDED/ Michael Whalen-2019-
 
 ピアノソロ。(レビュー




OPEN WATERS / Todd Mosby -2019-
 参加メンバーはズラリとMichael Manring(ベース)、 Charlie Bisharat(ヴァイオリン)、 Fiona Joy Hawkings(ピアノ)、 Lola Hennecki(ヴォーカル、ピアノ)、 Tom Eaton(いろいろ)、Premik R Tubbs(サックスほか)、Jeff Haynes(パーカッション)、 Steve Bankuti(ドラム)、 Noah Wilding(ヴォーカル)。
レビュー




PROMISE / FLOW -2019-
 Will Ackermanのギター、Fiona Joyのピアノとヴォーカル、 Lawrence Blattのギター、 Jeff Osterのホーンという布陣のセカンド。共同プロデューサー、エンジニアのTom Eatonが八面六臂の活躍。
レビュー




DANIAL'S END / Alan Matthews -2019-
Alan Matthews

 2017年にデビューしたAlan Matthewsの2ndアルバム。(レビュー





REVEALED / Gina Lineé-2019-
 前作『RED DIAMONDS』をウィルのプロデュースで制作、今回通算8枚目となる作品。(レビュー




Jeff Pearce
 彼(Jeff)も私同様星を見ることが好きなようで、こうしたアルバムを作り上げてしまうあたり、私なんかと格が違います(笑)。ただ、こうして好きなアーティストと共通の趣味などがあるととても親近感が生まれます。それでなくても、今までの作品も幻想的な作風が多かったので、そのための音楽となると別格です。レコーディングにはTom Eatonが関わっています。




A Winter's Solstice (A Windham Hill Tribute) / Isadar -2019-
Isadar
 初期のImaginary Road Studiosからソロ・アルバムをリリースした経験を持つピアニスト、イサダル。わずかに2曲だけのシングルですが、ウィンダム・ヒルの『ウィンター・コレクション』で取り上げられていたアイラ・スタインのEngravings IIと、リズ・ストーリーのGreensleevesがセレクトされました。ちなみに後者の曲は、2012年にイサダルのソロ・アルバムに収録されている音源です。

 

|Imaginary Road Studios 2019|Imaginary Road Studios 2020Imaginary Road Studios 2021
 
 
(2023/06/03)