Photo by Toshiharu Minagawa. |
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ウィンダム・ヒルからアッカーマンが離れ、90年代の終わりのほうではアーティストのソロアルバムよりも、コンピレーション(オムニバス)物ばかりが目立つレーベルになってしまったイメージがありますが、レーベルが誕生して5年目に、味もそっけもないベスト・アルバムがリリースされます。こののち、毎年のように「サンプラー」がリリースされるようになるので、ベストものとしてはこれが最初のベスト盤になります。5年で14枚のアルバムを制作し、その中かな当時のレーベルイメージに合った選曲をしていますが、中でも貴重な音源としてはトラック2と5ではないでしょうか。 |
The Bricklayer's Beautiful Daughter / William Ackerman | |
アッカーマンの代名詞ともなっているギターソロで、邦題は「ブリックレイヤー家の美しい娘」です。 |
Santa Cruz / David Qualey | |
クラシック・ギター(ガット弦)の名手でもあるデビッド・クォーリが、ウィンダム・ヒルに残した唯一のアルバムからの選曲。たった一枚しかレコーディングを残しませんでしたが、レーベルの音楽性を左右するウィリアム・アッカーマンが、デビッドの音楽性とスタイルに強く惹かれてレコーディングされたものなので、非常に興味深い楽曲が揃っています。 taken from "SOLILOQUY" |
3 Gymnopedies / Bill Quist | |
アッカーマンが最も影響を受けたというエリック・サティ(1866-1925)の作品集をウィンダム・ヒルから。異色作ともいえる純クラシックなアルバムになっています。
おかしな表現をするようですが、クラシックの世界から眺めてもサティを演奏しているにもかかわらず異質であり、レーベル内から見ても(かなりクラシックよりということで)異質な性格を持つ孤立した立場にいます。選曲は人気の「ジムノペティ」ですが、日本独自のベスト盤では「天国への英雄的な門」という渋い選曲でした。 それにしても白い音楽です。 taken from "THE PIANO SOLOS OF ERIK SATIE" |
Children's Dance / Alex de Grassi | |
デビューアルバムにして全曲オリジナルというデ・グラッシのギターソロ。シンプルにギター1本で織りなす世界は、すでに彼の音楽性が確立していることにほかなりません。。曲から曲へ、その技巧も優しい雰囲気の中で耳にすると、それがどんなに難しいレベルであっても、そんなことさえ忘れさせてくれます。すでに独自のスタイルを確立しているアーティストの強みでしょうか。 |
Variations on Clair De Llune / Robbie Basho | |
おなじみドビュッシーの「月の光」をギターにアレンジした曲が収録されました。この曲が含まれているアルバムはCD化されていないだけに貴重な音源と言えると思います。アッカーマンがあこがれていたギタリスト、ロビー・ベイショのウィンダム・ヒルから2枚目のアルバム。 |
Moon /George Winston | |
日本では「トヨタ」のCMで使われた「あこがれ/愛」だけはコンサート・ピースに入れて欲しいというぐらい、彼の代名詞となっていますが、本国では状況が違うようで、ここに収録されているのは「月」です。 |
Sleeping Lady / Alex de Grassi | |
アレックス・デ・グラッシの2ndアルバムから。今のところ、最初で、今のところ唯一のアッカーマン・プロデュース作品です他のアレックスの作品からは感じられない独特の空間を感じることができます。いかにもウィンダム・ヒル。中域から低域までの音域が耳に心地良いギターサウンド。それだけでも「ウィンダム・ヒルらしい」と言えるかもしれません。 taken from "SLOW CIRCLE" |
Autum / Daniel Hecht | |
ウィンダム・ヒルからはたった一枚しかレコーディングをしていません(今のところ、ほかのでのレコーディングはなく、現在はホラー作家として活躍中)。それなのに私の中では彼の存在は大きく、初期のウィンダム・ヒルには欠かせないアルバムになっています。聴くたびに映像が広がってくるアルバムです。まさに「音楽が風景に、風景が音楽になった」アルバムの代表作と言えるでしょう。 taken from "WILLOW" |
Seattles / William Ackerman | |
私がアッカーマンの作品で、最初に目を引いたアルバム。ジャケットの持つ影響力は非常に大きく、そしてそこから中身が想像できて、ぴったり一致するなんて素敵すぎます。そのイメージを膨らませてくれるようなタイトルもまた、曲想と一致しているからです。 taken from "CHAILDHOOD AND MEMORY" |