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01.Causeway |
窓を開けると、カーテンをほんの少し動かす程度のそよ風が入ってきて、そのカーテンが頬を撫でる…。特に予定もなく、窓の外の景色をぼんやりと眺める自分の時間がある。このアルバムに耳を傾けたとき、最初にそんなことをしている自分自身の光景がぼんやりと浮かびました。アッカーマンが手がけるジャケットのイメージと、自分なりに季節を思い浮かべながらこのアルバムに手を出すシーズンは、毎年今頃になってしまいます。
アレックス・デ・グラッシの2ndアルバムは、2007年現在、最初で、今のところ唯一のアッカーマン・プロデュース作品です。そのせいか(そのせいだろう)、意識してアルバムを聴いてみると、他のアレックスの作品からは感じられない独特の空間を感じることができます。いかにもウィンダム・ヒル。中域から低域までの音域が耳に心地良いギターサウンド。それだけでも「ウィンダム・ヒルらしい」と言えるかもしれません。翌年制作されたダニエル・ヘクトの【WILLOW】と似た雰囲気を持っています。そのアルバムに、アレックスはゲストで2曲参加しています(顔も似ている2人)。 1stと同様、全曲彼のオリジナルで、“Slow Circle I”と“March Sky”は1975年の作品、レーベル誕生以前に作曲され、それ以外の曲は1978〜79年に掛けて、このアルバムのために作曲されました。トラックの“Slow Circle I & II”とありますが、アナログではこの曲を境にA面とA面に分かれています。 アレックスの独特な早弾きによるフィンガリングは、まだこのアルバムでは出てきませんが、前作のようにメロディアスで叙情的、というよりは牧歌的で、のどかな曲が多く、アッカーマンがコーディネートしたアルバムジャケットの雰囲気を伝えています。 残念ながら、このアルバムは未だに日本盤として紹介されずにいますが、アレックス&ウィルの作品として、ぜひCD化して欲しいと思います。 |
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