星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

 最近クラシック界ではやっているオリジナル(またはそのコピー)楽器によるレコーディングです。しかもこのオーケストラはこの曲の初演を演奏したオケ。つまりこのオーケストラは、初演を再現するために結成されました。それだけでも十分話題性に満ちているディスクです。
 編成がモダンオーケストラと同じ規模なので、古典派のような(ハイドンとか!)劇的な変化が感じられずちょっとがっかり。これだったらまだホルスト自身が振った1923年の演奏の方が、別の意味でスリリングというもの。もっとこぢんまりとした室内楽的な演奏を期待していたのに…
 とはいえ、ノンヴィブラートの影響から来るテンポの設定や、甘美なソロのないすっきりとした演奏は、純音楽として楽しめます。特に管楽器などのスイング感は、このオケならではなのかもしれません。

 「大管弦楽のための」という肩書きがついているので、解説書に書かれた楽器にこだわって耳を傾けてみると、モダンオーケストラにはない響きを楽しむことができます。

 この組曲とカップリングされることの多いのが、ヴォーン・ウィリアムズの楽曲群。図書館(笑)を巡っている時に探し当てたのが下記のアルバムです。このオーケストラのデビューアルバムで、邦題が『ヴォーン・ウィリアムズの世界』です。

 ホルストにしてもウィリアムズにしても、ピリオド楽器でのレコードは、恐らくこれらが初めてのCDではないかと思います(1948年以前のSPとかを探してみれば、当然のことながらノン・ヴィブラートでしょうが)。せっかくなので、指揮者はことなりますが、同じオーケストラによる同じ響きのアルバムも紹介しておきます。

01. タリスの主題による幻想曲
02. ノーフォーク・ラプソディ第1番
03. ひばりは昇る*
  ヴァイオリン・ソロ*;ハゲイ・シャハム
04. グリーンスリーヴスによる幻想曲
05. 「富める人とラザロ」の五つの異版
06. 沢沼地方にて
 こちらのアルバムは、ホルストのアルバムよりも早くレコーディングされ、同楽団の(再)デビューとなりました。特に私は「グリーンスリーヴス」が大好きな曲なので、ヴィブラートが掛かっていない演奏のテンポの速さに「おおおお・・・ 早い早い早い・・・」などと驚かされっぱなしですが、当時の響きを再演していることを念頭に入れつつ、楽しんでいます。

 指揮はバリー・ワーズワースです。彼は4を『LAST NIGHT OF THE PROMS』で(ホルストの「祖国よ、私は誓う」をレコーディングしているのが目玉!←木星ですから)、3を『JANINE JANSEN(ヤンセンデビュー!)』で取り上げている楽曲をレコーディングしているので、モダンオーケストラとの響きの違いを楽しむことが出来ます。

New Queen's Hall Orchestra

 
 
 
 

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