星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

ネヴィル・マリナー指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(1977)
 この演奏が、誰の指揮かと考えたときに、恐らく最後の最後まで名前が挙がらないのでは思ってしまうほど、それまで持っていたイメージとは異なる演奏に触れました。特に1曲目を飾る「火星」の表情付けには驚かされてしまいました。でも、この演奏の中に、彼のバロック的なアプローチがあるのかと思いきや、余りそうしたこともせずに、モダン楽器を使った現代的な演奏に徹しています。
 また、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団という名門と、英国の女声合唱を得て、今まで演っていなかったことを演ってみたという感じがします(あくまでも、マリナーに対して自分なりに持っていたイメージです)

 フィリップスという名録音を数々行ってきたレーベルの音作りの良さにも時代を感じさせません。気にしようと思えば、曲間や最弱音の時のヒスノイズぐだい。高音はヌケが良く、低音もどっしりと座っていて、音の高低が層になって聞こえてきます。特にティンパニ他の低音域の「唸り」は随一かもしれません。まるで音のレイヤーが手に取るようにわかるみたいに。
 同時期のコリン・デイビスが録ったベルリオーズの『幻想交響曲』に負けないぐらいの録音なので、げひともSACD化をお願いしたいところ。 ライナーノートには、このアルバムの解説を執筆した方のレコーディングセッションの裏話も読むことが出来ます。



 
 
 
 

背景画像は「Adagio」と書かれていますが、「金星」の直筆譜です。
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