「惑星」といえばエードリアン・ボールトの名を真っ先に挙げる人は多いのではないでしょうか。私も小学生の時に出会ったレコードが、1967年にレコーディングされたニュー・フィルハーモニア管弦楽団を演奏したエードリアン・ボールトのレコードでした。 |
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| 公式初演者エードリアン・ボールトによる最初の録音。ホルストの演奏に比べるとずっしりと重く感じるのは、技術の進歩のおかげでしょう。ノイズもあまり気にならず、それがあった方がかえって楽しいと思えるほどです。音質を求める向きには、もっと最近の録音をお勧めしますが、歴史的、あるいは過去の音を星空に求める私のような人間には、このノイズさえ音楽の一部になるのです。 |
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ボールト7種目の「惑星」。レコーディングは第二次世界大戦が終わった1946年2月2日のアメリカ、ボストンシンフォニーホールでボストン交響楽団を振ったライヴ盤です。
ホルスト生誕150周年として企画されましたので、ボールトに特化したアルバムではありません。ただ、個人的には初演者ボールトによる「惑星」がメインと捉えています(笑) |
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| 10年前のレコーディングの音と比較すると、この録音の驚異的な音圧やダイナミックレンジの広さには耳を疑ってしまいます。すでに65歳に達していて円熟を増しているとはいえ、レコーディング技術の向上は目を見張るものがあります。当時の音録音もさることながら、現在私たちが手軽に聞くことのできるCDへのコンバート技術もしかり、です。 このレコーディングの5年後には、「惑星」を一般大衆に知らしめることになるカラヤンとウィーンフィルというパッケージがリリースされることになりますが、こちらのボールトのレコードは、当時デッカと二分していたレーベルで、ボールトはここの看板アーティストでした。なお、ここでの楽団は、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の母体です。 |
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| ウィーン国立歌劇場管弦楽団というのはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の別名。敢えてこの名称を使ったのには、当時デッカの専属アーティストだったためにやむを得ない理由からです。そして2年後には「伝統のある」ウィーンフィルの名目で、当代きっての大スターによるレコーディングが行われることになります。当時、ステレオが流行りだした頃で、プロデューサーのジョン・カルショウの手腕がいかんなく発揮されたレコードとなり、クラシック音楽を扱ったレコードとしては、時代の追い風もあり好セールスを記録したようです。 それにしても右から2番目ののジャケットのセンスといったら、いったいなんなんでしょうか? 右側のヒロインの姿って、これでいいのでしょうか? もろ見えちゃってますが。 |
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なんたって自分のお小遣いで初めて買ったレコード(真ん中のジャケット)でもあるので、思い入れは一番ある演奏です。この後に録音しているLPO(1978年)よりもずっとずっと名演であると思っています(クラシック音楽って、ファーストチョイスがスタンダードになる、そういうところがある)。 |
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| 2012年12月、待ちに待ったボールト4回目の「惑星」がSACD化されました。どんだけこの音源の音質改善盤を待ち望んだことでしょう!すべての音を大切にリマスターしてくれるエソテリックの「オーディオ」への愛情を、ひしひしと感じましたが、社長ご本人のリマスター作業中のビデオを見てしまってからは、ここのディスクへの信頼が薄れてしまいました。なので、現在、このディスクを手にすることなくラックにしまいっぱなし、2023年にタワー・レコードから「助け舟」的なSACD化されたおかげで、永遠に封印とならずにすみました(笑)。
♪追記(2012/12/04)♪ エソテリック盤の「解説」ですが、「ホルストの惑星」を説明するのに、「天体の惑星」を引っ張り出してくるまでは良かったのですが(実際にホルストの惑星とは関係ないが)、天文学の惑星とからめて記述している部分「2004年に冥王星が惑星から降格され」とあります。冥王星は準惑星(Dwarf Planet)、あるいは海王星外縁天体(Trans-Neptunian Objects)と分類されただけで、分類されたにすぎません。この解説者はマスコミが面白おかしく記事にするために使った「降格」という言葉を使ってます。この方は「惑星が上で準惑星が下」といった印象を持っているのかもしれませんが、それは理解&勉強不足です。理解できていないのであれば、そのことには触れないほうがよかった。音楽の事だけ熱く語ってください。まあ、私も音楽の事良くわかっていないのに好き勝手なこと言っているんですけどね(笑)。 |
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| 1973年9月7日ロイヤル・アルバート・ホールで行われたライヴ・レコーディング。元々2013年にBBC Music Magazineの付録としてCD化された音源の普及盤。ただし、この企画版の目玉は公開で行った最後のオーケストラ・コンサートである1977年の「南極交響曲」の初発売とのこと。 他に ♪「フーガ風序曲 Op.40-1」 ♪「前奏曲とスケルツォ Op.52(ハマースミスより)」(以上ホルスト)、 ♪「青柳の堤」(ジョージ・バターワース) ♪「南極交響曲」(レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ) ♪「交響曲 第1番 変ロ短調」(ウィリアム・ウォルトン) |
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| 1967年の録音が私にとってのNo.1。このレコードはおよそ10年ぶりの彼の新録音とあって、どれだけ期待大だったことか! 残念ながらそれを越える演奏をしてくれませんでした。ただ録音が新しい分スケールが大きくなり、特に木星の第4主題の歌わせ方は、物静かなこの指揮者の性格を考えると後半部の盛り上がり方が信じられないほど興奮させられます。こういうのを作曲者直伝、初演者の強みの貫禄の演奏というのでしょう。自信と誇りと。ロンドン・フィルとは2度目の録音。 2002年にEMIよりGREAT RECORDING OF THE CENTURYとしてリマスター盤がリリースされ、2012年の暮れにはシングルレイヤーとしてリリースされました。 |
