Photo by Toshiharu Minagawa.


 ウィンダム・ヒルの歴史はウィリアム・アッカーマンの歴史でもあります。特に彼がプロデュースした作品は、レーベル色が色濃く反映されているといってよいでしょう。というのも、やはり彼がウィンダム・ヒルそのものだからに他ありません。
  ここでは、ウィンダム・ヒル・レーベルを売却した後に立ち上げたImaginary Roadという新しいレーベルに併せて新設したウィルのスタジオ、Imaginary Road Studiosで製作されたウィルのプロデュース作品(1995-2004)を紹介します。

 

Light And Song / Will Ackerman
Will Ackerman ; Guitar / Eugene Friesen ; Cello
Produced by William Ackerman & Corin Nelson.
 

 スタジオが完成して間もない頃のレコーディング。『ウィンター・コレクション』は、初期の2枚まではウィル本人も製作に関わっていましたが、そのあとはアーティストとして参加する程度でした(なんとなくアルバムの雰囲気も変化していきました)。このアルバムでも同様。初期のレコーディングで、これ以降、ウィルのスタジオで常連となるチェロのユージン・フリーゼンとのデュエットは、ある意味、エポック・メイキングとなりました。



Frank Tedesso
 

 Imaginary Road Studiosの1stアルバム。そしてまた、ウィルがウィンダム・ヒルの次に立ち上げた新たなレーベルImaginary Roadからの、記念すべき第一作。
  エンジニアを務めたコリン・ネルセン曰く「Frank is from another planet」とのこと(笑)。「I think so」とやり返しました(笑)以上、facebookより。(レビュー




 このアルバムもFrank Tedessoと同様、アコースティック・ヴォーカル・アルバムとなりました。ただし、前作のFrankは弾き語り、今作は3ピースバンドに、Imaginary Road Studiosの面々が絡むというスタイル。特に白眉の一曲は、フィリップ・アーバーグが伴奏を務めている ♪Laura。非常に 美しい楽曲で、ここに眠らせておくにはもったと思う佳曲です。(レビュー


Emmanuel / Will Ackerman
Will Ackerman ; Solo Acoustic Guitar
Produced by William Ackerman & Corin Nelson.
 

 ウィンダム・ヒルの冬の名物。ウィンター・コレクションの別ヴァージョン。総合プロデュースは、『ウィンター・コレクション IV』のBrian Keaneこちらにもジャズ・テイストが加わった感触です。
  このアルバムのウィルのレコーディングのみが、新しいスタジオでのレコーディングでした。ウィンダム・ヒルという看板を肩の荷からおろし、アーティストのみの関わりは、ウィルのアーティスト人生の中でも、大きな意味を持った時期となりました。(レビュー

 

Rob Eberhard Young
 ウィリアム・アッカーマンが初心に戻って設立したImaginary Roadsというレーベルからリリースされたこのアルバムは、奇しくも故マイケル・ヘッジスの担い手としてデビューし、彼も4曲目にハープギターで参加しているのに、それが遺作になってしまいました… マイケルに負けず劣らずのテクニックの持ち主で、彼の1stを彷彿とさせるアルバムです。(レビュー

 

This Clearness Of Light / William Ackerman
William Ackerman; Guitar

Rob Eberhard Young; Guitar / Eugene Friesen; Cello
Produced by William Ackerman & Corin Nelson.
 

 ウィルの秘蔵っ子としてレーベルからソロ・アルバムをリリースしたロブを迎え、前回のコンピレーションで初デュオを組んだチェロのユージン・フリーゼンとストリングス・トリオ。

 

O Christmas Tree / David Cullen & Jill Haley
01.David Cullen; Guitars, Synthesizer / Jill Haley; English Horn, Oboe

Yagaba / Samite
Samite ; Voice

Solstice / Rob Eberhard Young
Rob Eberhard Young; Guitars / Will Ackerman; Guitars

 

 Imaginary Roadレーベルからリリースされた冬のアルバムの中で、3曲が同スタジオでレコーディングされました。Rob Eberhard Young の曲は、彼のデビューアルバムに収録された?Elizabethと同一の曲(曲名だけ変更された)

 

Impending Death Of The Virgin Spirit / William Ackerman
William Ackerman; Guitar

Produced by William Ackerman & Corin Nelson.
 

 アルバムが『REUNION』だったから、あえてソロをレコーディングを選んだのでしょうか? 同窓会的な内容の冬の物語。

 

Beneath The Trees/ William Ackerman & Philip Aaberg
William Ackerman; Parlor Guitar / Philip Aaberg; Piano, Keyboard
Mixed by Steven Miller.
 

 盟友フィリップ・アーバーグとのデュオ。レコーディングはColin NelsonとGary Henry。ミキシングはSteven Millerが手がけています。

 

SONGS WITHOUT WORDS II -2002-
The Beauty Of Her Soul/ Zade
Zade; Piano
Mixed by Steven Miller.
 
 1997年にリリースされた『SONGS WITHOUT WORDS』の第二弾。前回のプロデュースはChristine ReedとMichael Whalenでしたが、今回はオープニングでJim Brickmanとデュオを繰り広げているDavid Benoit。エグゼクティブには、Dawn Atkinsonです。ただ、それぞれの曲に関しては、アーティスト本人が行なっています。
 そんな中、アルバムのラストに収められている ヨルダンのピアニストZadeの曲だけ、ウィルのプロデュースでImaginary Road Studiosで行なわれました。よほどのお気に入りだったのでしょう。この1曲から発展して、フルアルバムとして直後にリリースされることになります。

 

ZADE/ Zade -2003-
Zade
 
 2002年の『SONGS WITHOUT WORDS II』(上で紹介しているアルバム)で唯一、ウィルがプロデュースを行なっていたアーティストのフル・アルバムです。(レビュー

Sergio Altamura
 
 数種類のギターを弾き分けるマルチ・プレイヤーSergio Altamura(セルジョ・アルタムーラ)。ジャンルにこだわることなく、良質の音楽を生み出すウィルにとって、刺激的なプロデュースになったのではないでしょうか?
レビュー

 

|Imaginary Road Studios 1995-|Imaginary Road Studios 2005Imaginary Road Studios 2006
 
 
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(2020/01/25)