ウィンダム・ヒルの掲示板

 ウィンダム・ヒルは特に冬というシーズンに重きを置いているようで、様々な形で冬をテーマにしたアルバムをリリースしてくれています。たとえばアッカーマンやウィンストン、ストーリーなどのアルバムがそれこそ3~5年ぐらいの間隔でしかニュー・アルバムを発表しませんが、冬のシリーズは形を変えて毎年のように新しい冬の季節を迎えさせてくれます。

  ここでは『WINTER'S SOLSTICE(ウィンター・コレクション)』以外、オムニバス、ソロ作品を紹介します。


CHRISTMAS GUITAR/ John Fahey
 ウィンダム・ヒル、クリスマス… このキーワードをあげたら、先ず真っ先にあげるべきアルバムではないでしょうか? ガット弦によるクラシカルな雰囲気をたっぷりと含んだキャロル群。これぞギター・アルバム。ウィンダム・ヒルが日本でブームになった直後、1986年にリリースされました。(レビュー



HYMN,CAROLS AND SONGS ABOUT SNOW/ Tuck Andress -1991-
 おしどりデュオ、タック&パティのギタリスト、タック・アンドレスが1958年製のレスポール1本で紡いだ心温まるクリスマスキャロル集。生ギターが暖炉の暖かい炎を感じさせるなら、こちらのエレキギターはガラスの中に閉じこめられたオイルランプのような温もりを感じさはしないでしょうか。

 彼のコメントには失敗(弾き損じ)もそのままの状態で録音したので気になさらないで欲しい、といったたぐいのメッセージが寄せられているのですが、完璧なまでのエモーションで弾かれているので、そんなことはいっさい気にならないし、私のような知ろうとが聴いたところで、まったくわかりません。もしかすると、逆に失敗を見つけられるなら探してごらん、とでも言っているかのようです。 (レビュー




THE GIFT/ Liz Story-1994-
 リズ・ストーリーがベースのジョエル・ティバートロと組んだ、優しいクリスマスキャロル集。澄み切った冬の凍てついた夜に降る粉雪に混じって何かが始まりそうな予感を感じさせるピアノに、静かにたたずむ森の木々といった趣のアコースティック・ベースの深い音色。プロデュースは『ウィンター・コレクション』のドーン・アトキンソン。リズはこのアルバム以外でも、ここで紹介している別のアルバムで、様々な聖歌をレコーディングしています。ちなみに本国のジャケットは包装紙のようなデザインでしたが、日本盤は味わい深い風景のジャケットに変更されています。 (レビュー


BY THE FIRESIDE/ Turtle Island String Quartet -1995-
 日本風に訳すことが許されるなら「炉端にて」と名付けたくなります。Tracy Silvermanがヴァイオリニストとして加入した最初のアルバム。バンドとしては9枚目(ウィンダム・ヒルでは8枚目)にして、ウィンダム・ヒルでのラストアルバムになってしまった作品集。(レビュー

 

THE CAROLS OF CHRISTMAS -1996-
 ジム・ブリックマンの、濁りの全くないピアノの響きで幕を開ける作品集。『ウィンター・コレクション』という看板があるにもかかわらず、こういった作品集がリリースされたことに驚きました。ただし同シリーズと違い、プロデューサーがドーン・アトキンソンではなくブライアン・キーンが務めています。
  今までノンジャンルだった雰囲気が、そのためなのかジャズのテイストが非常に強くなった感じです。良い意味でも悪い意味でも洗練されたジャズのクリスマスアルバムという仕上がりになっています。その中にあって、ウィンダム・ヒル・アーティストたちは一聴してわかるところが、ただ者ではありません。
  ブライアンはこのあと、第二集と『ウィンター・コレクションVI』を手がけました。(レビュー



THE CAROLS OF CHRISTMAS II -1997-
 1997年はウィンダム・ヒル系のクリスマスアルバムが一挙に4枚もリリースされた一年になりました。ファンとしては嬉しい限りでしたが、今までの『ウィンター・コレクション』を手がけたチームがウィル・アッカーマンのレーベルにそっくり移ってレコーディングしていることがひっかかります(イマジナリー・ロードからリリースされた『ON A WINTER'S NIGHT』)。
  しかしどのアルバムも内容は高水準。このアルバムで興味をひくのは、ロック系のギタリスト、ディープ・パープルのスティーヴ・モースやTOTOのスティーヴ・ルカサーが参加していることでしょう。1集目よりはアコースティックな楽曲が増え、より『ウィンター・コレクション』に近い雰囲気が感じられます。(レビュー



ON A WINTER'S NIGHT -1997-
 ウィリアム・アッカーマンがウィンダム・ヒルとは別に立ち上げたレーベル、イマジナリー・ロード(ウィルの同タイトルのアルバムからつけられた)。ウィンダム・ヒル同様、レーベルとしては活動を止めてしまいましたが、そこからは興味深いアルバムが何枚かリリースされ、このコレクションもそのうちの一枚。このアルバムは『A WINTER'S SOLSTICE VI』と『THE CAROLS OF CHRISTMAS II』『CELTIC CHRISTMAS III』と同時にリリースされました(1997年)。
 このレーベルのために発掘してきた新人だけだと思っていたら、ウィンダム・ヒル・アーティストの名前も見られ、ファンとしては嬉しい作品集です。同じ企画ものでもタイトルが違っただけで、いいアクセントになっています。クリスマスの曲ばかりですが、ここでも中身は“冬”にこだわっています。(レビュー


SIMPLE GIFTS -1997-
 A Winter's Solsticeのシリーズ後継?と思わせてくれましたが、続編が出ることなく単発の物語。しかし、ウィンダム・ヒルには冬が似合います。アコースティックな響きに、暖炉を囲んだようなぬくもりを感じてしまうのは、このレーベルのカラーでしょう。15年前の『A WINTER'S SOLSTICE』以来、スタイルを変えることない響きに耳を傾けると、変わらぬ風景に出会えそうです。(レビュー



CHRISTMAS/ Philip Aaberg -2001-
  彼の新しい子供が誕生しようとしている、まさにその時(分娩室の前の廊下で待っていることができずに)スタジオに入りしてレコーディングしていたという作品集。有名なキャロルから、彼自身がウィンダム・ヒルに残してきた『ウィンター・コレクション』の楽曲までをリ・レコーディングして編まれた作品集。ジョージ・ウィンストンと違って、アメリカの大らかな大地を感じさせるスケールの大きな雰囲気を持つ曲が多かったが、ここではひとつの小さな生命に対する大きな祈りのような讃歌が奏でられています。(レビュー

 

DECEMBER PEACE / Stanton Lanier -2009-
 『A WINTER'S SOLSTICE』と同じ曲で幕を開けるStanton Lanierのクリスマス・アルバム。新雪を思わせるピアノ・ソロ、Imaginary Road Studiosの馴染みのアーティストたちとのアンサンブルとまじり合い、表情豊かな冬のアルバムに仕上がっています。(レビュー

 

WINTER LOVES COMPANY/ Kristen Miller & Tom Eaton-2010-
 のちにImaginary Road Studiosのエンジニアとしてウィル・アッカーマンの右腕となるTom Eatonが、まだスタジオ入りする前、アーティストとして、チェリストのKristen Millerとレコーディングした冬の作品集。(レビュー

 

WINTER GIFTS/ The Many Miles Music Artists-2010-
 The Many Miles Musicにゆかりのあるアーティストを中心にDamon Buxtonが選曲した冬の作品集。アルバムのコンセプトは冬ですが、このアルバムのための新録がないため、ジャケットの雰囲気から冷たい北風を感じたいものです。(レビュー


CHRISTMAS JOY/ Fiona Joy Hawkins -2011-
 オーストラリア出身のピアニストFiona Joy Hawkins。2010年にImaginary Road Studiosでウィルのプロデュースで『BLUE DREAM』をレコーディング。今回はエンジニアのCorin Nelsenがプロデュース。のちに前作とともにSACD化され、サラウンドでより雰囲気のある一枚になりました。

 

WINTER GIFTS II/ The Many Miles Music Artists-2012-
 前作同様、The Many Miles Musicのアーティストたちのアルバムからセレクトされた一枚。今回はCorin Nelsenが全体のまとめを行なっています。(レビュー


EARLY FALLS THE CHRISTMAS SNOW/ Dominic Silla -2013-
 ウィルのプロデュースによるDominic Sillaのピアノ・ソロによるキャロル集。(レビュー

 

HIGH PLAINS CHRISTMAS/ Philip Aaberg -2013-
 12年ぶりにレコーディングさたクリスマス曲集。アルバムタイトルは彼のデビュー・アルバム『HIGH PLAINS』と絡めているのでしょう。アルバムのインナー・スリーブには、まるでサンタクロースのようなフィルが笑顔で出迎えてくれます。

 




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