星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

10月7日 「海王星」
 国立天文台が仕掛けた「惑星を見ようよ!」。水星、金星、火星、木星、土星、天王星をクリアし、キャンペーンでまだ見ていなかった海王星をなんとか見ることができ、めでたくゴールドマスターを頂いた。

 昨日のサザンクロスのメインディッシュは、夕方の透明度から判断して(独断で)海王星とした。家を出る前に、ちょっとおさらいをしておく。海王星の緯度経度を調べ、星図に大まかな位置を記入した。これで万全のはず。
 果たして太陽系最遠惑星海王星を、私は探し当てることが出来るだろうか。自身でも生は見たことはなく、四街道のような明るい空で(しかも目安となるようなめぼしい星もない場所で)、果たして見つけることが出来るかどうか不安ではあったが、年間を通じで(今頃は)秋が最も見やすいはずなので、何とか見つけたいと思った。
 ここまでは毎年思うにとどまっていたが、今回は先の『惑星を見ようよ!』もあるし、前回天王星を見つけたという自信もあって、なんとか見つけることが出来るんじゃないかと思ったからだ。

 海王星は2007年現在、太陽系最果ての「惑星」で、1848年に計算によって発見されたガス状の惑星だ。1898年にボイジャー2号が接近した以外、この惑星の詳細な表情は明らかにされていない。その惑星探査機が撮影した表情は、深く吸い込まれそうな青い色を湛えているだけの写真のみだ。

 集まったみんなに「今日は海王星を見るよ~」と告げる。これで時限爆弾は点火され、どうあっても海王星を入れなければならない(笑)。星図を頼りにファインダーでそれらしい場所に向け、それらしい星を導いたものの、いっこうにそれらしい(青っぽい)星は入ってこない。アイピースを交換しても大きく(ディスク状)なってこず、輝星のまま。

中途半端な姿勢で格闘すること15分。首や腰が痛い。。。

 いったん息抜きとして近くにいるM30、M2を見た。ともに球状星団で、それぞれの特徴の違いを楽しむことにしたのである。(土星状星雲NGC7009はあきらめたが)

 気分転換をして、今度は双眼鏡で海王星がいるらしき星空を導入。それにしてもアナログ的に星図からファインダーを覗いて星々の位置を覚えて天体を探すのは毎度のこと骨が折れる。しばし黙りこくって星図と実際の空とを見比べる。

「ん? この星。さっきは見えなかったのに…」

 ちょっとワクワクしながら、参加者に星図と双眼鏡を使って、視野の中の特徴的な星の並びを確かめてもらい、時間稼ぎをしている間に再び私は望遠鏡でチャレンジ。さっきは見えなかったあたりにあわせてアイピースを覗くと沈んだような青い星が視野の真ん中にいる!さっきは見かけなかった天体である(別なところを見ていたか)。
 倍率を上げていくにしたがってだんだんディスク状になって行く青い星。まさに太陽系最遠の惑星、海王星だ。

なんと神秘的な姿だろうか?先月見た天王星同様、独特の吸い込まれるような青い色をしている。木星や土星と違って、表面の模様もなく、ただ青緑がかった円盤状なだけの天体。距離的にはもっともっと遠い天体の光をたくさん見て感動しているのに、どういうわけか天王星や海王星の輝く姿には、それらの遠い天体とは違った別の思いがよぎってしまう。手のとごく所に存在する、もっとも遠い惑星だからだろうか?

 ひとつ残念だったのは、本日参加できなかった大樹に見せてやることができなかったこと。5月2日の水星を皮切りに、一緒に同じ体験をして来ただけあって、その瞬間、私のそば居させることができなかったのは実に残念でならない。

しかし、海王星にしろ、天王星にしろ、(この方法だと)見つけるにも体力がいる。児童導入ならラクラクなのに。

---ほしにっき(2007)


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