「天球の音楽」という言葉を聞くと、どんな音楽を想像するでしょうか?

「天球の音楽」という概念(哲学?)を生み出したのは

遥か昔にこの地球にいたサモス島の偉人ピタゴラス(B.C.582-B.C.496)でした。

彼の話では誰もが聞くことが出来るというわけではなく
(この時点で終わってしまうではないか・・・)

のちのちになって音楽論(平均律)へと発展していくことになるのですが、

このピタゴラスの神秘的な考え方を継承し、

なんとしても「天球の音楽」を聞きだそうとしたのがヨハネス・ケプラー(1571-1630)です。

ピタゴラスは一日に一回、

頭上に広がる天球がどうして動くのか考えました。

当時の地球は中心に大地があって、

その大地を取り囲むようにいくつかの球に覆われている世界を考えていたのです。

ピタゴラスが最初に思い付いたのは

天球を動かすのは神に仕える天使たちが動かすのに使う道具、

銀の鎖を引っ張るときに音を発すると考えたのです。

頭上に被さっている大空、すなわち大きく重たい天球が動く際に

何層にもなっているそれぞれ惑星天や恒星天が

擦れ合うときに発する音だという考えには納得してしまいました。

プラトン(B.C.427-B.C.347)の『ティマイオス』でそのことが書かれています。

当時は宇宙の構造がどうなっているのか、

どうして星々や惑星、月、太陽が動いているのかということに注目していました。

だから、一体全体宇宙というものは

自分たちの住む世界とどういうつながりがあるのだろうと考えて


私の考える「天球の音楽」は

こじつけに近い(その点ではピタゴラスと一緒か・・・)のですが、

作曲家のインスピレーションが宇宙に向いているものや、

宇宙からインスピレーションを与えられた曲だと思っています。

本来ならば人間には聞くことが出来ない音が、

作曲家たちの作品として聞いているような・・・

そして楽器。

現在は録音という行為によって、

いくらかの過去に遡って聞くことが出来ますが、

その技術が発明される以前の世界では過去を聞くことは不可能です。

最近の音楽シーンでの流行は、

作曲家が活躍した当時の楽器を奏でることで少しでもその神髄に触れようと

多くのアーティストたちによって年代物の楽器が掘り起こされています。

星空の彼方から届く星の光は、

すなわち過去の光。

その光を眺めるとき様々な想像が頭の中を駆けめぐります。

40光年の星を見ると40年前に「そこ」を出発した光が今届いている?

だとすると「そこ」から地球を眺めたとすると、

40年前の光(映像)が届いている?

音も電波に乗せれば同じことになります。

300光年の星から届く架空のラジオの音。

そこにはバッハ(1685-1750)やテレマン(1681-1767)が活躍する時代の音が

万華鏡のごとく煌びやかに鳴り響いてくるでしょう。


音楽史を紐解いていくと、

人間が宇宙を理解、あるいは解読していくタイミングに合わせるように

スタイルが変わっていくように思えます。


天球の音楽を求めて

書籍

〜作曲家〜

教会音楽

ヨーゼフ・ハイドン

ベートーヴェン

ジョン・フィールド 「夜想曲」

ヨーゼフ・シュトラウス 「天体の音楽」

グスタフ・ホルスト 「惑星」

吉松隆「プレイアデス舞曲」

ウィリアム・ハーシェル

現代音楽