2013年のVangelisの公式ページの中で、RCAレーベルで制作された6枚のアルバムが、本人の監修によってリマスター化されたという記事が掲載されました。せっかくなら、『ブレードランナー』がSACD化されたんだから、この6枚もSACD化してくれれば良かったのに、と思います。

  2017年春には『VANGELIS DELECTUS』というボックスがリリースされ、おそらく一連の本人のリマスター・シリーズです(2013年はバラでしたが、今回はまとめて!)。こちらもバラでリリースされました。

 このページでは、先ず私がヴァンゲリスを知るきっかけとなったカール・セーガンの『コスモス』に使われた楽曲が含まれるアルバムから紹介していきましょう。→コスモスのヴァンゲリスのページ

 

01. Heaven And Hell Part 1
02. So Long Ago, So Clear
03. Heaven And Hell Part 2

  カール・セーガンの科学番組『コスモス』のテーマ曲として使われた曲がフューチャーされていますが、番組では他の曲も効果的に使われました。「この曲はあの場面…」と行った具合に聞き進むにつれ、シーンが目に浮かんできます。また、間奏曲的にジョン・アンダーソンとの初コラボにして名曲となった♪So Long Ago, So Clearが美しく歌われます(ミルヴァもカヴァーしています)。

 当時は意識していなかったのですが、ヴァンゲリスの合唱(声)の扱い方はとてもシンフォニックな様式が多く、シンセとの静と動の対比も見事に造形されていきます。もしかしたら、古代ギリシアの劇場の悲劇が上演されていた際のコロスなどをイメージしているのか、などと思って耳を傾けていると、ヴァンゲリスの故郷であるギリシアの乾いた風を感じてきてしまいます。そーいえばヴァンゲリスはギリシア人だったなって。

 このアルバムのジャケットの透明感は、眺めているだけで体が浮遊してきます。CDジャケットだと、こうはいかない。やっぱり音楽作品のジャケットは30センチ四方のがいいな(見て楽しむ、ジャケ買い)、と改めて思います。

 このアルバムは プログレの名盤だから、その筋の正統派リスナーには知名度があったと思います。とはいっても、現在のヴァンゲリスの名前(知名度)が、私をはじめとする一般のリスナーに彼の名が知れ渡ったったのは、まぎれもなくカール・セーガンの『コスモス』のはずです。

 

01. Pulstar
02. Freefall
03. Mare Tranquillitatis
04. Main Sequence
05. Sword Of Orion
06. Alpha
07. Nucleogenesis (Part One)
08. Nucleogenesis (Part Two)
09. Albedo 0.39

 上の『天国と地獄』と同様に、カール・セーガンの科学番組『コスモス』の中でもっとも印象的だった曲と言えば、このアルバムに収録されている「アルファ」ではなかったでしょうか。コスモスのスペシャルプログラムで放送された番組(司会:はせさんじ、ゲスト:横内正)でも、同様の印象をコメントしていましたが、琴のような音色に東洋的な雰囲気を持った曲として紹介されていました。その時初めて♪アルファを意識して聴いたのですが、アルバムジャケットのようなクリスタルな音に耳を奪われてしまったことを、今でもありありと思い出すことができます。
  当時はビデオデッキというものがわが家に無く、カセットデッキをテレビのスピーカーに押し付けて、家族中口を塞ぎ、物とを立てずに見入ったものです。そのカセットテープはまだ現存しているので、時々引っ張り出して懐かしいわが家のやり取りを聞いています(笑)。

 ちなみに上の集合写真は、アナログ盤の他、ヴァンゲリスがリマスターしたシリーズの1枚と、日本の紙ジャケです。紙ジャケは英国版を模しているようです(見開きでヴァンゲリスのポートレイト)。

 

LAPOCALYPSE DES ANIMAUX(動物の黙示録)
01. Apocalypse des animaux - Générique(動物の黙示録)
02. La petite fille de la mer(海辺の少女)
03. Le singe bleu(憂うつな猿)
04. La mort du loup(狼の死)
05. L'ours musicien(音楽家:熊 )
06. Création du monde(世界の創造)
07. La mer recommencée(海への回帰)
 
 
 このアルバムからは、セーガン博士が宇宙飛行船に乗って宇宙空間を飛び回る際に使われた曲が収録されているので、たった1曲ですが外せない一枚となっています。そしてまた、ヴァンゲリスにとっては、このアルバムをきっかけとして、のちに動物三部作と呼ばれることになる、今作と1976年の『野生の祭典』、そして1978年の『野生』へと続く、出発点となった作品です。

 

OPERA SAUVAGE(野生)
01. Hymne(讃歌)
02. Rêve(夢)
03. L'enfant(子供)
04. Mouettes(かもめ)
05. Chromatique(半音階)
06. Irlande(アイルランド)
07. Flamants roses(紅鶴)
 
 
 ヴァンゲリスの楽曲は、聴き手のイマジネーションをかき立てるメロディが多く、このアルバムに収められた♪子供や♪讃歌など、『コスモス』では印象的な場面で使われ、そのワンシーンだけという曲なのですが、番組のハイライトシーンと言っても良いぐらいです。

 

 

〜その他のアルバム〜

BEST OF VANGELIS(白羊宮の巨星)
01. Hymne(讃歌)
02. Rêve(夢)
03. L'enfant(子供)
04. Mouettes(かもめ)
05. Chromatique(半音階)
06. Irlande(アイルランド)
07. Flamants roses(紅鶴)
 
 
 ヴァンゲリスを『コスモス』によって知り、タイトルとジャケットに惹かれたのが、このベストアルバムでした。今も昔もベスト物は好きではないのですが、これはジャケ買いというヤツですね(笑)。その後、レーベル毎とか、ジャンルごとにリリースされるベスト物にはうんざりです(笑)。ただし、このベスト盤がくせ者で、たとえば『PORTRAIT - SO LONG AGO, SO CLEAR』などはリミックス、というよりもリ・レコーディングされた曲に差し換えられていたり(讃歌)、シングルエディットだったり…

 上の写真以外にもまだまだベスト盤は存在していますが、たとえばカール・セーガンの『コスモス』でヴァンゲリスのファンになってしまったリスナーには『GREATEST HITS』がお勧めです。というのも、たとえば『天国と地獄』などはA面/B面がそれぞれ大曲になっているのですが、その中の一部分だけが番組に使われていて、CDなどではトラックに分けられていないため、そこだけ聴きたいという場合にエディット処理されている今作がのが嬉しいところ。

  ちなみにヴァンゲリスは1943年3月29日生まれなので、占星術(獣帯)でいうところの白羊宮にあたるため、ベストアルバムの邦題としてはナイスネーミングだと思います。

SEE YOU LATER(流氷原)
01. I Can't Take It Anymore
02. Multitrack Suggestion
03. Memories Of Green
04. Not A Bit - All Of It
05. Suffocation
06. See You Later
 
 
 今までのヴァンゲリスとは印象の異なるジャケット、そしてジャケットからして、今までのヴァンゲリスとは違う感触がありました。それはターンテーブルに置かれたレコードに針を落としてからも代わることのない印象でした。随所に彼の音は散りばめられているのですが、今までにないヴォーカルの起用に、リリース当初は、目を、いや耳を奪われてしまいました。それに合わせて、かなりロック(あるいは当時流行ったディスコ)のようなビートを強調した楽曲が多く、全体を通して聞くことが少なかった一枚でしたが、『ブレードランナー』にも使用された♪Memories of greenの存在は、彼らしいリリカルな一面を覗かせ、ヴァンゲリスのそうした面に弾かれていた私には救いでした(笑)。
 そして何といっても『トーマト』以降、脱退したジョン・アンダーソンの存在。彼が♪Sofficationの一部でヴォーカルを披露しているのですが、ヴァンゲリスのサウンドに雰囲気がぴったりの声質ではないでしょうか? このあと、彼らは『プライベート・コレクション』を作り上げていきます。
  それでも収録曲の中ににも使われていた♪Memories of Greenなどが収録されていて、ここでアルバムジャケットの意味が分かったような気がしました。

 そして帯には「元イエス」の、なんて肩書きを添えられたジョン・アンダーソン。天国と地獄のようなリリカルな存在を期待していると、ちょっと肩すかしを食らいます。彼の声も多勢の中の一人と言った感じで、特別扱いをされているわけではなかったからです。
 しかし国内盤のタイトル、実際の意味とは関係ないところから良く付けたもんだと感心してしまいますが、私にはインパクトがありました。原題の(SEE YOU LATER)と邦題(流氷原)のギャップがすさまじく異なるのですが、ジャケットを見るとプログレらしくぴったりなのが面白いです。


 

01.Spiral(螺旋 )
02. Ballad(バラッド)
03. Dervish D(托鉢僧D)
04. To The Unknown Man(見知らぬ男)
05. 3+3
 
 
 
 
 

 

 

 

 ヴァンゲリスと言えば、一般のリスナー(?)には『ブレード・ランナー』か『FIFA』となるのでしょうか?2017年現在、唯一のSACDでのリリースは、この『BLADE RUNNER』のみです。背景に映り込んでいるのは、今やどうやって見よう?と考えてしまうLDです。そして、私はこの映画のマニアではないのですが、ヴァンゲリスに関するエピソードが収録されているポール・M・サモンの『メイキング・オブ・ブレードランナー・ファイナル・カット』です。

 

ANTARCTICA(南極物語)
01. Theme From "Antarctica"(「南極物語」メイン・テーマ)
02. Antarctic Echoes(極地のこだま)
03. Kinematic(生きるための戦い)
04. Song Of White(白夜の歌)
05. Life Of Antarctica(生命の神秘)
06. Memory Of Antarctica(南極の想い出)
07. Other Side Of Antarctica(未知とロマンの南極 )
08 Deliverance(奇跡の生存)
 
 ブレードランナーや炎のランナーに話題をさらわれてしまった感がありますが、同じ年に日本の映画会もヴァンゲリスに音楽を依頼し、感動の作品の銀幕を飾りました。
  そうはいっても、映画を観たのがずい分経ってからだったので、このサントラも手にしたのがずい分後になってしまいました。生前の黛一郎が題名のない音楽会で「日本テレビのスポーツ・テーマ曲(ジャイアント馬場の入場曲として、毎日のスポーツニュースのテーマ曲として超有名)と引き合いに出し「これで1億ですよ!」とコケにしたメロディは、良く情景を表しているし、何よりテレビ朝日系列の正月番組『日本百景』の北国や、雪のシーンではこのアルバムの曲がずい分使われていたので、私にとっては馴染みのあるメロディばかりだったのです。
  だから、正月番組を見ている時には「この音はヴァンゲリスだよなぁ」とは思ってましたが、タイトルがわからず。 それからずい分経ってサントラ盤を聴いて「ああ!あのときに聞いた曲だ!」と久々の対面をした友人であるかのように嬉しかったのを覚えています。

 

CHARIOTS OF FIRE(炎のランナー)
01. Titles(タイトルズ)
02. Five Circles(五輪)
03. Abraham's Theme(アブラハムのテーマ)
04. Eric's Theme(エリックのテーマ)
05. 100 Metres(100メートル)
06. Jerusalem(エルサレム)
07. Chariots Of Fire(炎のランナー)
 
 

 

 80年代に入ってからのヴァンゲリスは、特に映画がヒットしたお陰で、本人の意思に反して一躍スターダムに出てきたような感じでした。その先駆けとなったのが、映画がアカデミー作品賞を受賞した『炎のランナー』でしょう。テーマ曲自体がビルボードのポップチャートでも大ヒット(1982/05/08付け1位)してしまったので、嫌でも馴染みの無い名前がお茶の間にもすんなり受け入れられてしまいました(ブリジストンのCMにも使用されました)。私の場合はカール・セーガンの『コスモス』からでしたが、当初、この映画の音楽担当の名前を聞いても、カール・セーガンの番組と同じ人物だとは気がつきませんでした。だからこそ、このアルバムの初回帯には「TV映画コスモスを担当したヴァンゲリス」という文字が踊るのでしょう。

 名曲・名盤なだけに、MFSLからも高音質24K盤がリリースされ、シンセサイザーと言う楽器の回路にでも入り込んで音を聴いているような気さえ起こしてくれました。実際は、それほど劇的な効果があったわけではありませんでしたが、それでもアナログのプチプチスクラッチノイズから解放され、ヴァンゲリスの音世界に一歩近づいたきになったものです。

 1982年に、ヴァンゲリスの盟友Demis Roussos(アフロディス・チャイルドのメンバーで、ハスキーなヴォーカリスト兼ベーシスト) は、ジョン・アンダーソンが♪Titlesに歌詞を付けた♪Race to The Endをカヴァーしています(ジョンはいろいろやるなぁ)

 

〜ジョン・アンダーソンとのコラボレーション〜

01. Hymne(讃歌)
02. Rêve(夢)
03. L'enfant(子供)
04. Mouettes(かもめ)
05. Chromatique(半音階)
06. Irlande(アイルランド)
07. Flamants roses(紅鶴)
 
 
 このアルバムを最初に手にした時、イエスのジョン・アンダーソンとヴァンゲリスのコラボ的なことが書かれていましたが、実際にこのアルバムでの共演は行っていません。だから、本来ならば、このヴァンゲリスのページで紹介するのは間違っているのですが、まぁ、あまりにも似た者同士のコラボで、そう書かれても仕方の無い内容だし、個人的な好みもあって、同じページでレビューを載せることにしました。

 

01. Wisdom Chain
02. Page of Life
03. Money
04. Jazzy Box
05. Garden of Senses
06.Is It Love
07. Anyone Can Light A Candle
08. Be A Good Friend of Mine
09. Shine For Me
10.Genevieve(守護聖女)
11.Journey To Ixtlan(遙かなる旅路 )
12.Little Guitar
 確かこのアルバムのリリースがアナウンスされてから、なかなかリリースされませんでした。理由はヴァンゲリス側に制作面で納得がいかなかった事情があったようですが、ファンと同じで、ジョンがしびれを切らし、ヴァンゲリスの許可なくリリースに踏み切ったという経緯がありました(1991年)。これに合わせてシングル♪Wisdom Chainがリリースされ、そちらにはアルバム未収録の♪Sing With Your Eyesを聞くことができます。
  その後、ヴァンゲリスからクレームがあったようで、彼らはそのあとの共同活動をしなくなってしまいました。1998年に再発されたときは曲順と楽曲が9曲に変更されましたが、これがヴァンゲリスが望んでいた形なのでしょうか? ちなみにこの2種のアルバムの間には、ジョンのソロで弦楽オーケストラをバックにレコーディングされた『CHANGE WE MUST』というアルバムがリリースされていますが、その収録曲にはジョン&ヴァンゲリスの曲も含まれています。
01. Change We Must
02. Anyone Can Light A Candle
03. Page of Life
04. Money
05. Little Guitar
06. Garden of Senses
07. Genevieve
08. Shine For Me
09. Wisdom Chain
 
 
 
01. Wisdom Chain (Single Edit)
02. Wisdom Chain
03. Page of Life
04. Sing With Your Eyes
 
 
 
 

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