星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

組曲「鏡」
作曲:1905
初演:1906年1月6日 リカルド・ビニェス


蛾(組曲「鏡」第1曲)
 唐突ですが、この曲は「クープランの墓」についで好きな曲で、「鏡」という5曲の組み物として聴くよりも、だった1曲、単発で聴いている曲です。なぜ、そこまでこの曲が好きなのでしょう…

 この曲を最初に聞いたのは、EMIから「ラヴェルピアノ作品全集」という3枚組のレコードをリリースしてくれたジャン=フィリップ・コラールの演奏でした。1枚目の最初の曲が「蛾」。その時は、特に意識もせず、解説に

「黄昏時に舞う蛾のはばたき。闇の中をはばたくビロードの様な振動。夜の光を求める蛾の群れの微妙な動きを表現したものである」

  という説明でしたが、その説明の音楽がぴったりだったことに驚きました。音楽でそういう情景が説明できるのかと。また逆もです。情景を音楽で表現できるのかと。それまでにも標題音楽はいろいろ聴いてきたつもりでしたが、この曲ほど、はっきりとした映像が浮かんでこないのがほとんどで、曲想からの印象として、自分なりの想像で映像を思い浮かべる程度でした(当時はドビュッシーの「水の反映」を別として)。参考までに、この曲が含まれている「鏡」のリストは…
組曲「鏡」(MIROIRS)
I. 蛾(Noctuelles)
II. 悲しい鳥たち(Oiseaux tristes)
III. 海原の小舟(Une barque sur l'ocean)
IV. 道化師の朝の夢(Alborada del gracioso)
V. 鐘の谷(La Vallee des cloches)

 星を眺めるのが好きで家の前の道路に天体望遠鏡を出して、手あたりしだいの星を導入して眺めていたのは小学5、6年生の頃。まだその時はラヴェルの曲なんて聞いたこともなければ、ラヴェルの存在すら知らない時でした。
  しかし、お目当ての星を探すためには、庭からよりも、いったん道路に出た方が視界が開けるので、家の前の通りに設置されている防犯灯(いわゆる街灯)が明るいのにも関わらず道路に出ていました。その時、どうしても目についてしまうのは街灯の明かり。そうすると自然と、そこに群がる蛾や、夏の虫たちのチラチラする動きに季節感と言うものを感じ始めました。

 当然、季節に関わらず街灯の位置が変わるわけではなく、それは南の方角にあたるため、いつも邪魔に感じつつも、なんとなくなれ始めてしまいました。
 街灯自体は大した距離を照らしているわけではないから、ちょっと離れると羽虫たちの姿は消え、またすぐにひらひら戻ってくる。そんな飛翔する羽虫たちの姿を繰り返し見ているうちに、彼らの存在にも意識するようになったのかもしれません。そして、はじめてラヴェルピアノ作品を聴いた時、「蛾」の解説を読んだとき、まさに「これだ!」と思いました。

 冬。オリオンの勇壮な姿が、街灯をものともせず輝きます。天体望遠鏡から双眼鏡に持ち替え、ちょうど冬の大三角あたりから南天の空を、まだ見たことのない南半球の星空を想いながら視野を動かしていくと、その金砂銀砂の微光星たちが、あの街灯に群れる蛾のごとく視野の中を飛び交うのです。それ以来、この曲を聴くたびに、肉眼ではもう見えなくなってしまった天の川の星のきらめきが浮かんできます。また、その部分を双眼鏡で眺めていると「蛾」のメロディが頭の中で奏でられるのです。
 
 なお、この曲の原題は「Noctuelles(英語ではNight Mothsとする解説書を見かけます)」Mothって言葉はザ・ピーナツの「モスラぁ~やっ!モスラぁ~やっ!」のことですね。

 Noctuellesも分解していくと「Noctuern」と「Elles」に分解できるでしょうか。フランス語はまるっきりわかりませんが、「Noctuern」は夜想曲のことであり夜のこと、「Elles」は「Elle」の複数形で、英語の彼女(She)と同じ意味らしいです。ここでは複数形になっているので「彼女たち」とするのでしょうか?つまり夜遊びする女性を意味するのかもしれませんね。
 なんだか掘り下げていくと、自分が思い描いていた曲想とはかけ離れて行ってしまいそうなので、ここでは「街灯に群がる昆虫の雌蛾」とでもしておきたいところです。星好きとしては「Noctuern」に絡んでいるので、ラヴェルの「夜想曲」として親しみたいと思っています。


サンソン・フランソワ(1958)
04'45"
悲しい鳥たち
04'21"
海原の小舟
05'58"
道化師の朝の歌
02'49"
鐘の谷
04'50"

 ん~、やっぱりフランソワの音はいいですね。古いといえば古いのですが、星好きとしては古い音は、星空の間からはるばるやってくる星の光(過去の姿)の如く、「過去の音を聴く」という行為に他ならないので、この感触がたまらなく良いのです。デッドな音。無駄な残響も無く、ホールトーンもほとんど感じられない音。和音も音が重なって聴こえず、それぞれが独立した音としてはっきりと耳に届いてきます。他のピアニストで、こんなに音が分離して聴こえてくる演奏はありません。

 とはいえ、随分な数の廉価盤として何度も装いも新たにCDが連発されていますが、どれもこれもアナログを上回る音質を再現出来ていないのが残念でなりません。何が悪いのでしょうか? 今の技術を持ってすれば、同じ音質で再現すること等可能ではないでしょうか?現に、そうしたディスクは沢山あるのに!

 このアルバムは3枚組で、他に古風なメヌエット、亡き王女のためのパヴァーヌ、水の戯れ、ソナチネ、鏡、夜のガスパール、ハイドンの名によるメヌエット、高雅で感傷的なワルツが収録されています。まぁ、ごく一般的な全集といったところでしょうか。

 

ウラド・ペルルミュテール(1970)
夜蛾
04'44"
悲しげな鳥たち
03'41"
海原の小舟
06'25"
道化師の朝の歌
06'17"
鐘の谷
04'51"
 私にとってラヴェルのピアノ作品のファイースとチョイスは、作曲家に取って唯一の弟子となったペルルミュテールの演奏です。作曲家直伝のペダリングの絶妙な響きは、ラヴェル本人の演奏に限りなく近い表現なのではないでしょうか?ここでもビロードに包まれた様なペダリングの妙が堪能できます。 2003年にレコーディングされたミュラロのバリバリの現代音楽表現とは正反対の演奏といえるのではないでしょうか?まぁ、反対の見方をすれば「今どきこんなにもやもやとした様な響きは、輪郭が無いから聴きにくい」と思われてしまいそうですが。つまりは、フランソワの演奏とも対局にあるといえそうです。

 邦題は、私の知る限り、今のところ唯一「蛾」ではなく「夜蛾」と訳されています。

 

Jean-Philippe Collard(1980)
05'15"
悲しい鳥
04'13"
海原の小舟
07'37"
道化師の朝の歌
06'58"
鐘の谷
06'07"
 中学生の当時、ほとんど聞いたこともない作曲家の全集をボックスで買ってしまうなんて、今考えてみたら「なんてませたガキだろう」と思います。まったく知らないとはいえ、実は冨田勲氏のシンセサイザーアルバムで「ダフニスとクロエ」ほかを聴いていたので、このアルバムに収録されている曲はかろうじて知っているだけでした。
 買った甲斐があったかどうか、びくびくしながらターンテーブルに乗せ、最初に聞こえてきたのが「蛾」でした。コラールの演奏は、さすがフランスの誇りを(地味ながら)ヒシヒシと感じる演奏で、テクニックをひけらかしたらり、変に自分の主張を盛り込むといったことをせず、正攻法で演奏してくれています。まさにお手本といったところでしょうか?嫌味な言い方をすると、面白みに欠けてしまいそうですが、私のようにファーストチョイスとしてはこれ以上の演奏はないと思います。

 このあと、ラヴェルの没後50周年として、コラールが「オール・ラヴェル・プログラム」を行ってくれました(1987)。ジャケットのサインは、その時に楽屋に乗り込んでしてもらったものです(宝!)。

 

Dang Thai Son(1980)
04'56"
悲しい鳥
04'13"
海原の小舟
07'37"
道化師の朝の歌
06'58"
鐘の谷
06'07"
 中学生の当時、ほとんど聞いたこともない作曲家の全集をボックスで買ってしまうなんて、今考えてみたら「なんてませたガキだろう」と思います。まったく知らないとはいえ、実は冨田勲氏のシンセサイザーアルバムで「ダフニスとクロエ」ほかを聴いていたので、このアルバムに収録されている曲はかろうじて知っているだけでした。
 買った甲斐があったかどうか、びくびくしながらターンテーブルに乗せ、最初に聞こえてきたのが「蛾」でした。コラールの演奏は、さすがフランスの誇りを(地味ながら)ヒシヒシと感じる演奏で、テクニックをひけらかしたらり、変に自分の主張を盛り込むといったことをせず、正攻法で演奏してくれています。まさにお手本といったところでしょうか?嫌味な言い方をすると、面白みに欠けてしまいそうですが、私のようにファーストチョイスとしてはこれ以上の演奏はないと思います。

 このあと、ラヴェルの没後50周年として、コラールが「オール・ラヴェル・プログラム」を行ってくれました(1987)。ジャケットのサインは、その時に楽屋に乗り込んでしてもらったものです(宝!)。

 

Paul Crossley(2002)
05'02"
悲しき鳥たち
04'31"
海原の小舟
07'21"
道化師の朝の歌
07'02"
鐘の谷
06'03"

・夜のガスパール
・グロテスクなセレナード
・逝ける王女のためのパヴァーヌ
・水の戯れ
・前奏曲
・鏡
・クープランの墓
・ハイドンの名によるメヌエット
・ソナチネ
・シャブリエ風に
・ボロディン風に
・高雅で感傷的なワルツ
・古風なメヌエット

 確か横浜でラヴェルのピアノ作品全曲演奏会が2日に分けて開かれました。圧倒的に曲の多いドビュッシーのマラソン・コンサートはたった1日でマラソン演奏会を成し遂げたので、「なんでやねん」という気持ちから、千葉→横浜への道のりは、かなりしんどかったのを覚えています。しかも、そのうち2日目は鉄道沿線火災で到着が遅れ、結局私は全曲聴くことができなかったのでなおさらです。
 演奏とは関係ない話しを書いてしまいましたが、クロスリーのラヴェルは全体的に「フランス人ぽい」大人しめの演奏という印象です。コラールと似ているのかも。最初に聴いたのがワイセンベルグだったから、なおさらかもしれません。

 

Alice Ader(2002)
夜とぶ蛾
05'01"
悲しき鳥たち
04'31"
海原の小舟
07'21"
道化師の朝の歌
07'02"
鐘の谷
06'03"

・夜のガスパール
・グロテスクなセレナード
・逝ける王女のためのパヴァーヌ
・水の戯れ
・前奏曲
・鏡
・クープランの墓
・ハイドンの名によるメヌエット
・ソナチネ
・シャブリエ風に
・ボロディン風に
・高雅で感傷的なワルツ
・古風なメヌエット


 

Jean-Yves-Thibaudet(2003)

04'39"
悲しい鳥たち
04'21"
海原の小舟
05'58"
道化師の朝の歌
02'49"
鐘の谷
04'50"

・グロテスクなセレナード
・古風なメヌエット
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・水の戯れ
・ソナチネ
・鏡
・夜のガスパール
・ハイドンの名によるメヌエット
・高雅で感傷的なワルツ
・ボロディン風に

ソロのみに限った作品全集。奇をてらうこと無く、正当なフランス音楽の伝道者として落ちついた雰囲気を醸し出しています。ちょっと面白みに欠けると言ったらそれまでですが、ドビュッシーと並んで語られることの多いラヴェルにあって、フランソワの系譜を受け継いでいるのかもしれません。そのあたりは先輩格のジャン=フィリップ・コラールと通じるものがありそうです。

 

Roger Muraro(2003)
04'45"
悲しい鳥たち
04'21"
海原の小舟
05'58"
道化師の朝の歌
02'49"
鐘の谷
04'50"

・グロテスクなセレナード
・古風なメヌエット
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・水の戯れ
・ソナチネ
・鏡
・夜のガスパール
・マ・メール・ロワ
・ハイドンの名によるメヌエット
・高雅で感傷的なワルツ
・ボロディン風に
・シャブリエ風に
・前奏曲
・クープランの墓
・ラ・ヴァルス(独奏版)

 ミュラロのタッチは、そのデビューで聴かせたメシアンなどの現代作品にあった、精巧かつメカニカルなタッチが特徴です。つくづくラヴェルは20世紀の作曲家なんだなぁと思いました。そこにイタリアの銘器ファッオーリの暖かみ(あくまでもジャケットから醸し出される暖色系の印象)のある音。スタインウェイのキラキラとした白色で透明感のある輝きに対して、琥珀のようなイメージを感じさせる音色も、彼のテクニックで、かなりイメージが変わって聴けるところが面白いのです。とはいっても、この冒頭に出てくるスピードは外灯に寄ってくる蛾のスピードを超えていると思うのですが…

 

Carlo Grante(2015)
04'50"
悲しい鳥たち
04'21"
海原の小舟
05'58"
道化師の朝の歌
02'49"
鐘の谷
04'50"

・グロテスクなセレナード
・古風なメヌエット
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・水の戯れ
・ソナチネ
・鏡
・夜のガスパール
・マ・メール・ロワ
・ハイドンの名によるメヌエット
・高雅で感傷的なワルツ
・ボロディン風に
・シャブリエ風に
・前奏曲
・クープランの墓
・ラ・ヴァルス(独奏版)

 ラヴェル作品のレコーディングとしては珍しい古楽による演奏。使用楽器はピアニストでありながら古楽収集家のから借りてのレコーディングというもの。

 

Hakon Austbo(2018)
05'14"
悲しい鳥たち
04'21"
海原の小舟
05'58"
道化師の朝の歌
02'49"
鐘の谷
04'50"

・グロテスクなセレナード
・古風なメヌエット
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・水の戯れ
・ソナチネ
・鏡
・夜のガスパール
・マ・メール・ロワ
・ハイドンの名によるメヌエット
・高雅で感傷的なワルツ
・ボロディン風に
・シャブリエ風に
・前奏曲
・クープランの墓
・ラ・ヴァルス(独奏版)

 ラヴェル作品のレコーディングとしては珍しい古楽による演奏。使用楽器はピアニストでありながら古楽収集家のから借りてのレコーディングというもの。

 

以下は日本人アーティストによる「蛾」です

ピアノ作品集/前田あんぬ(2003)
04'32"
悲しい鳥たち
04'21"
海原の小舟
05'58"
道化師の朝の歌
02'49"
鐘の谷
04'50"

・グロテスクなセレナード
・古風なメヌエット
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・水の戯れ
・ソナチネ
・鏡
・夜のガスパール
・ハイドンの名によるメヌエット
・高雅で感傷的なワルツ
・ボロディン風に
・シャブリエ風に
・前奏曲
・クープランの墓

リリース当初、ジャケットに圧倒されてしまって・・・

 なーんでこんな水商売みたいな格好でラヴェルのジャケットを持ってきたんだか理解に苦しみます。本人も緊張というか、笑顔堅いし。しかもジャケット裏はミニスカートで立ち姿。隣にラヴェルの写真。せっかくペルルミュテールが「ラヴェル弾き」と讃えているというのに。何考えてんだかフォンテック(レコード会社です)。ただ、本人の希望であったなら致し方ないですが。それに応えてなのか、2000年の再発売の時はまるで別人のような写真に差し替えられての発売になっていました。
 で、気になる演奏ですが、ホールトーンが出ていて、どこかのステージで聴いているようなクリアな音が好感持てました。それは演奏から来るもので、ペルルミュテールが「ラヴェル弾き」と言ったことに頷けるのではないでしょうか?特にピアノがオン気味のフランソワの後に続けて聴くと明らかで、その響きに魅せられてしまいます。

  ちなみに、このアルバムがリリースされたときは、日本人による初めてのラヴェルピアノ作品全集(ソロ)と宣伝されていたようです。

 

ピアノ作品集/金澤希伊子(2010)
夜蛾
04'43"
悲しげな鳥たち
03'32"
洋上の小舟
07'16"
道化師の朝の歌
06'26"
鐘の谷
04'50"

・グロテスクなセレナード
・古風なメヌエット
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・水の戯れ
・ソナチネ
・鏡
・夜のガスパール
・ハイドンの名によるメヌエット
・高雅で感傷的なワルツ
・ボロディン風に
・シャブリエ風に
・プレリュード(前奏曲)
・クープランの墓

 ジャケットに映し出されているのは「ラヴェルのピアノ」らしいのですが、撮影用に許可されたショットなんだそうです(残念だなぁ)。この曲に関しては、とてもゆっくりと弾いていて、キンチョーにでもあたって、もうちょっとで息が耐えてしまいそうな「蛾」を連想してしまいそうです(笑)。

 

ピアノ作品集/岡本愛子(2011)
04'40"
悲しい鳥たち
03'28"
海原の小舟
07'03"
道化師の朝の歌
06'37"
鐘の谷
05'32"

・パレード
・古風なメヌエット
・鏡
・グロテスクなセレナード
・シャブリエ風に
・ボロディン風に
・クープランの墓

 このアルバムの目玉は2008年にサラベール社から出版されたばかりの若書きの「パレード」でしょうか。私にとっては「クープラン」目当てで手を出したアルバム(笑)。この曲はアレクサンドロ・タローの全集にも含まれていますが、なかなかレコーディングされない曲です。「蛾」もクリアなタッチで、季節としては夏の虫ですが、その音色は正に冬の冷たい空気を思わせてくれます。


ピアノ作品集/中井正子(2012)
04'32"
悲しい鳥たち
03'41"
洋上の小舟
07'13"
道化師の朝の歌
07'09"
鐘の谷
05'23"

・グロテスクなセレナード
・古風なメヌエット
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・水の戯れ
・ソナチネ
・鏡
・夜のガスパール
・ハイドンの名によるメヌエット
・高雅で感傷的なワルツ
・前奏曲
・ボロディン風に
・シャブリエ風に
・クープランの墓
・メヌエット

 しっかり2枚組の作品全集です。しかも日本のレーベルALMから2種目となるラヴェル全集というのは感激ですね(パチパチ)。
 ドビュッシーの楽譜校訂でも知られるピアニスト。ラヴェルも楽譜校訂を行っていて、今回もそれに基づく演奏です。目玉は1904年に作曲されたとされる「メヌエット」。この曲を1987年3月3日、世界初演も行いました。録音はアレクサンドロ・タローに先を越されてしまいましたが(笑)。

 

鐘の谷/児玉桃(2012)
05'15"
悲しげな鳥たち
03'56"
海原の小舟
07'31"
道化師の朝の歌
06'59"
鐘の谷
05'19"


・鏡(ラヴェル)
・雨の樹素描(武満徹)
・ニワムシクイ(メシアン)
 メシアンの「鳥のカタログ」でレコード・デビューを飾ったピアニストです。ミュラロのように20世紀の作品という面を出した感じです。ピエール=ロラン・エマールと同じ匂いを感じますね(笑)。アルバムタイトルは、「鏡」の中の1曲。
 ここには小柄なラヴェルの姿はなく、大柄なラヴェルの姿が浮かんできそうな演奏が繰り広げられています。ちなみにラヴェルの身長は161センチだそうです(私より小柄)。

 

鐘の谷/野原みどり(2012)

05'16"
悲しげな鳥たち
03'56"
海原の小舟
07'31"
道化師の朝の歌
06'59"
鐘の谷
05'19"


・鏡(ラヴェル)
・雨の樹素描(武満徹)
・ニワムシクイ(メシアン)
 ラヴェルのピアノ作品全集(ソロ)からの選曲です。

もどる(モーリス・ラヴェル)

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