ウィンダム・ヒルの掲示板


RETURNING / Will Ackerman -2004-

Produced by Corin Nelson and Will Ackerman.
Engineer, Mixing: Corin Nelson.
Recorded at Imaginary Road Studio.

Will Ackerman


 ウィルがついにウィンダム・ヒルを離れた!! オーバーな表現かもしれませんが、私の人生の中でのウィンダム・ヒルの存在と影響は 現在進行形であるだけに、創立者のウィルがレーベルを離れたのは正直ショックでした。しかも初期のレーベルポリシーを再び取り戻そうと立ち上げた新しいレーベルImaginary Roadも売却してしまったというからなおさらのこと。
 しかし新たな動きとしてMary's Treeというレーベルを立ち上げました。その第一弾アルバムがウィル本人のアルバムとなり、ひとまず安心。レーベルの名前といい、1stアルバムが彼自身のソロといい、28年前のウィンダム・ヒル創立時に近い環境にもどしたのは意図的なことではないでしょうか?

 ウィンダム・ヒルの1stアルバムと2ndアルバムは、彼にとっての完全なギター1本によるレコーディングでしたが、厳密にいえば『IT TAKES A YEAR』のタイトルトラックが風とのデュエットだったので、完全なギターソロという意味で28年ぶりのソロ回帰になります。以下、曲目のあとの*がオリジナルアルバムと、その時の共演者です。

 そしてまた、2017年にアナログ盤として、高音質メーカーとしてもファンが多いAudio Fidelityからリリースされ、こちらはWest River Recordsからリリースされました。



01.The Bricklayer's Beautiful Daughter(1975)
Will Ackerman ; Guitar
*IT TAKES A YEAR(1977), PASSAGE(1981)
William Ackerman ; Guitar


02. Anne's Song(1977)
Will Ackerman ; Guitar
*CHILDHOOD AND MEMORY(1979), PASSAGE(1981)
William Ackerman ; Guitar


03. The Impending Death of the Virgin Spirit(1970)
Will Ackerman ; Guitar
*IT TAKES A YEAR(1977)
William Ackerman ; Guitar
*PASSAGE(1981)
William Ackerman ; Guitar / Dan Reiter ; Cello
*A WINTER SOLSTICE REUNION(1998)
William Ackerman ; Guitar


04. Pictures(1998)
Will Ackerman ; Guitar
*THE SOUND OF WIND DRIVEN RAIN』→Shella's Pictures
Will Ackerman ; Guitar


05. Hawk Circle(1980)
Will Ackerman ; Guitar / David Cullen ; Guitar
*PASSAGE(1981)
William Ackerman ; Guitar / George Winston ; Piano
*THE SOUND OF WIND DRIVEN RAIN(1998)
Will Ackerman ; Guitar / Samite ; Vocals


06. Barbara's Song(1970)
Will Ackerman ; Guitar
*IN THE SEACH OF TURTLE'S NAVEL(1976)
William Ackerman ; Guitar


07. Unconditional(1977)
Will Ackerman ; Guitar
*A SUMMER SOLSTICE(1997)→Incondizionatamente
Will Ackerman ; Guitar / Rob Eberhard Young ; Guitar
*THE SOUND OF WIND DRIVEN RAIN(1998)
Will Ackerman ; Guitar / Rob Eberhard Young ; Guitar


08. Visiting(1982)
Will Ackerman ; Guitar
*PAST LIGHT(1983)
William Ackerman ; Guitar / Chuck Greenberg ; Lyricon / Michael Manring ; Fletress Bass


09. Processional(1973)
Will Ackerman ; Guitar
*IN THE SEACH OF TURTLE'S NAVEL(1976)
William Ackerman ; Guitar
*PASSAGE(1981)
William Ackerman ; Guitar
*THE SHARP OF THE LAND(1986)
William Ackerman ; Guitar / Chuck Greenberg ; Lyricon / Michael Manring ; Fletress Bass
*CONFERRING WITH THE MOON(1986)
William Ackerman ; Guitar / Chuck Greenberg ; Lyricon


10. In a Region of Clouds(1987)
Will Ackerman ; Guitar
*IMAGINARY ROADS(1988)
William Ackerman ; Guita


11. Last Day at the Beach(1986)
Will Ackerman ; Guitar / David Cullen ; Guitar
*CONFERRING WITH THE MOON(1986)
William Ackerman ; Guitar / Eugene Friesen ; Cello / Philip Aaberg ; Piano



 個人的に注目していたアルバムジャケットは、セピア調に施されたウィルの表情からも過去の思い出を懐かしんでいるように見えてきます。「レーベルの売却も移籍も関係ないよ。音楽を奏でることが大切なんだ」とでも言っているように。変に勘ぐるよりは、久しぶりのニューアルバムを歓迎したいと思います。
 興味深いのはその収録曲で、今まで発表済みの楽曲をたった一人で再録音しているという点でしょう。新曲が含まれていないのは残念ですが、過去の作品との聴き比べという別の楽しみ方があります。リリコンやヴァイオリン、ピアノとのコラボレーションも、すべてギターソロで演奏しているからです。
 また、全体的にテンポの設定がオリジナルよりも遅くなっているのが印象的で、1曲1曲に込められた当時の楽曲を、時間を隔てたところで懐かしみ愛でているように感じます。特に“Anne's Song”のオリジナルは、もっと掻きむしるように、何か必死になっているような、鬼気迫るものを感じましたが、この演奏は実に穏やかに耳に響きます。

 ウィルはよく曲名を変更することがありますが、今回も例外ではありませんでした。たとえば4の“Pictures”は1998年の『THE SOUND OF WIND DRIVEN RAIN』がリリースされた時、“Shella's Pictures”でした。7の“Unconditional”は初出当初“Incondizionatamente”でしたが、今回のレコーディングではオリジナルに戻っています。10の“ In a Region of Clouds”のオリジナルも“A Region of Clouds”です。

 今回、気になる点を上げるとすると、このアルバムがコンパクトディスクではないということ。かといってCCCDというわけでもなさそうです。どちらにしてもケースやスリーブの中にロゴがプリントされているのですが、どちらの表記もありません。表記に関しては義務づけられているので、どちらでもないということが非常に薄気味悪いです。仮にCCCDだったとすると、プレイヤーで再生してプレイヤーが故障してもメーカーが責任を負わないとしているので、掛けるに掛けられません。ただ、訴訟問題の多いアメリカで、そういったことが起こりうると予測されているのにCCCDのリリースはしないでしょうから、これがどちらのディスクなのか非常に気になるところです。【FBI Anti-Piracy Warning: Unauthorizedcopying is punishable under federal law】という「違法コピーは罰せられる」とFBIを絡めての警告文だけならば良いのですが。

 なお、このアルバムは2004年度第47回グラミー賞でBEST NEW AGE ALBUMを受賞しているにもかかわらず、2009年2月現在で国内盤は発売されていません。Mary's TreeはDECCA USAからリリースされているレーベルで、ドミニク・ミラーの『SHAPES』も同じDECCA USAからリリースされ、国内盤でもリリースされているのに寂しい限りです。ドミニクの方はスティングが“Shape Of My Heart”等、2曲で参加、ルチアーノ・パヴァロッティも参加しているので、売る要素は揃っていたという強みはありますが…

 


 2017年に高音質のリ・イシュー盤を手がけるAudio Fidelityからアナログ盤がリリースされました。レーベルもMary's TreeからWest River Recordsに差し替えられています。
  また、CDでは1曲だけDavid Cullenとのデュエット(Hawk Circle)に触れていましたが、 今回のアナログ盤には最後の曲(Last Day At The Beach)でも リードギターを弾いているのはDavidだとクレジットが入りました。CDでは「The little guitar...」という表現でしたが、アナログ盤は「David's guitar...」になっています。

 もうひとつの違いはレーベルデザイン。 CDはmary's tree(唯一、この作品のための) そしてこれはwest river records. どちらもシンプルに一筆書きのようなラインであしらっています。


 
 
 
     
 

 2004年のCDと比べると、やっぱりこのサイズのジャケットはいいですね。 スピーカーからはずっしり(しっとり)と落ち着いた音色と、 時々(手入れはしているものの)プチプチとしたスクラッチノイズ… そんなに昔の音源ではないのに懐かしい空気…

 

〜Discography(Amazon へリンクします)、♪(レビュー)〜
IN SEARCH OF THE TURTLE'S NAVEL (1976)
IT TAKES A YEAR(1977)
CHILDHOOD AND MEMORY (1979)
PASSAGE (1981)
PAST LIGHT(1983)
CONFERRING WITH THE MOON(1986)
IMAGINARY ROADS (1988)
THE OPENING OF DOORS(1992)
WILL ACKERMAN / A WINDHAM HILL RETROSPECTIVE(1993)
SOUND OF WIND DRIVEN RAIN (1998)
HEARING VOICES(2001)
RETURNING(2004/Mary's Tree)
PURE(2006)
MEDITATIONS(2008)
NEW ENGLAND ROADS(2010)
FLOW(2017)
WAS IT THIS LIFETIME -Pieces for Guitar 1995-2011(2019)
FOUR GUITARS(2019)
PROMISE / FLOW(2019)
BROTHERS(2021)