星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

 水星は太陽に最も近い惑星(太陽系第一惑星)のため、その姿をなかなか見ることができません。歴史上でも地動説を唱えたニコライ・コペルニクスでさえ見ることが叶わなかったと言うほどの天体です(コペルニクスのこの逸話は本当かどうかわかりませんが、きっと彼が住んでいた緯度や、当時の天体位置予報の計算など、さまざまな条件が重なって「見ることができなかった」という話が伝わったのではないでしょうか? 位置予報に関していえば、当時は楕円軌道による予報をしていなかったことで、惑星の確かな位置予報が出来ていなかったのではないでしょうか? 

  「コペルニクスさえ見ることができなかった」という常套句にもなっているとはいえ、ちゃんと条件が揃えば、それほど難しい対象ではないと思います。あとは「見たい!」という気持ちがあれば(笑)。

 私は望遠鏡を通した撮影をほとんど行わないので、ほぼ肉眼で楽しめる、望遠鏡とかいらないという楽しみ方をしています(めんどくさがりや…)。 ここで紹介する水星の写真は全てその土地の中に紛れ込んでいる水星の姿です。



2023年の水星のこよみ
1月30日西方最大離角
4月12日東方最大離角
5月29日西方最大離角
8月10日西方最大離角
9月22日西方最大離角
12月4日西方最大離角




2009/01/01(17h45m)
 2008年12月29日に水星食が起こりました。昨日は木星と最接近(1分11秒、見かけ月の約1個分)私は見ることができませんでした。翌日、正月の夕方にその姿を見ることができました。1月4日に太陽から最も離れた東方最大離角を迎えます。





2016/02/05(05h38m)
 この後6日後に、水星と金星が大接近しました。自身の記録には残っていないので、残念ながら曇ったか定かではありません。ただ、個人的には肉眼で眺めることが好きなので、今回のような構図に満足してしまいます。画面には映りきりませんでしたが、この時は水星、金星、(月)、火星、土星、木星が揃って輝いていました。





2017/01/13(05h42m)
 西方最大離角(2017/01/19)は日の出直前の東の空で起こりますが、今回は冬のまっただ中だったから日の出も遅く、たっぷりと春から夏に掛けての星座たちを季節外れに味わうことができます。そんな中、水星が1月のいて座に顔を出してくれて、さそり座にいる土星とランデブーです。徐々に赤く染まっていく中、水星はこんなに明るく輝くのか!と毎度のこと驚かされます。。





2018/03/17(18h20m)
 金星も宵の明星になったばかりなので、水星よりも高度が低くなっています。水星がこんなにも明るく見えると、なんだか嬉しくなってしまいます。





2018/07/01(19h55m)
 毎年後半、夏~冬に掛けて江東区潮見の施設で天文講座に参加していますが、その帰り。残念ながら施設からは建物の影で見ることができない西の空ですが、ちょっと移動して見ると林立するマンションの間に水星が見えました。あまり条件の良くない場所ですが、ほんの少しの移動で見ることができることがわかりました。それにしても迫り来るマンションの明かりと水面に映る反射が圧倒的な場所でした。夕涼みに出ている人が沢山いましたが、ほとんどといって、誰も水星の姿を見ていないでしょう(笑)  というわけで、この写真からも水星がどこにいるのかわからないかもしれません。画面左上にいるのは宵の明星、金星です。





2020/11/14(05h26m)
月齢28と並ぶ水星。昨日西方最大離角になったばかり

2020/11/14(05h28m)
上のショットのクローズアップ。地球照もバッチリ。



2021年の水星のこよみ
1月24日東方最大離角
3月6日西方最大離角
5月17日東方最大離角
7月5日西方最大離角
9月14日東方最大離角
10月25日西方最大離角

2021/03/11(05h22m)
 日の出前、土星(写ってない)、木星が先行し遅れて水星、月齢27の月(上の11月の写真と比べて月の角度に注目。秋は横倒し、春は立ち上がった状態で昇る)。神々の共演という演目がふさわしい。3月6日に西方最大離角になったばかり(おしくも当日を逃す!)。





2021/05/23(19h48m)
 前回の西方最大離角から続けて東方最大離角は、今年度もっとも水星が見やすくなる高度になりましたが、日没も遅いために、結局は薄明の中では暗い水星も肉眼で見る時間は限られてしまいます。金星がもう沈もうとする直前に、目視でその姿を見ることができました。この日、水星が没したのは20時26分。





2021/10/24(05h04m)
 翌日、西方最大離角となる水星。いつもの地平線まで見渡せる場所までやって来ると、車の中からも確認できるほど明るくなっていました。朝焼けに負けず+0.4等はさすが惑星 。





2021/12/29(17h18m)
 来年早々東方最大離角になる水星と内合になる金星の最接近。昨日まではあちこち回って、西天に勢揃いした兄弟星たちを狙っていましたが、やっと水星の姿が確認できました。




2021/12/30(17h24m)
 韋駄天の名にふさわしい動きを見せる水星。昨日からおよそ24時間後には金星を追い抜かんばかりに高度を上昇させていました。明るい夕闇にありながら、目立っています。





2021/12/31(17h28m)
 昨日の位置と比べてみると水星が金星を抜かして上に昇ってきました。逆に金星も地球と太陽の間に入り込む内合へ向け足早に動いていきます。わずか24時間4分でこの動き。水星はほとんど位置を換えていないように見えます。




2022年の水星のこよみ
1月24日東方最大離角
3月6日西方最大離角
5月17日東方最大離角
7月5日西方最大離角
9月14日東方最大離角
10月25日西方最大離角

2022/01/01(17h33m)
 水星のアルバムなのに、ここ3枚は金星の動きを見る写真になってしまいました。水星はほぼほぼ安定して、風車の羽の右側、明るく夕焼けの中に輝いています。1月7日に東方最大離角。





2022/01/02(17h16m)
 水星のアルバムなのに、ここ3枚は金星の動きを見る写真になってしまいました。水星はほぼほぼ安定して、風車の羽の右側、明るく夕焼けの中に輝いています。1月7日に東方最大離角。





2022/01/04(17h22m)。
 今回の水星を追いかけたのは印旛沼の風車の前。偶然にも冬休み最後の日に昨日新月だった月が並んでくれました。水星も探すことなく明るい姿で夕焼けの中に輝いていました。




2022/02/12(05h32m)。
 5日後に西方最大離角を迎える水星。初春の澄んだ朝の空気は、さざ波さえ立てない湖面に反射するぐらい透き通っています。金星は明日最大光輝。




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