星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

カノープスの探し方

 寿老人といえば七福神の神様の一人です。それぐらい私も知っていましたが、この神様と星が結び付くのは星が好きになって、南極老人という星を知ってから。この寿星という星、私の住む関東からでは、なかなかお目に掛かることのできない星、りゅうこつ座のカノープスのことです。ちなみに寿星とは中国の星の名前で「寿星」、「老人星」、「南極老人」、「南極老人星」 はすべて同じ星のことです。また、関東近郊の漁村では「布良星(めらぼし)」などと呼ばれています。
  ときどき奉納されているところの案内板や、目指す場所の七福神巡りのブログなどを参考にさせてもらっていますが、そうした中に「寿老人が寿星」「福禄寿が南極老人星」といったことが書かれていることがありますが、どこかでごっちゃになってしまったのでしょう。「寿老人と福禄寿」が同一の神様なのに二人いるみたいなことになっちゃったんでしょうか。

 そんな星の化身が、実は身近なところに、しかも探せばあちこちにいるとは思ってもみませんでした。星のソムリエとして、あちこちでお話をする際、星と生活、文化、芸術などと抱き合わせて話を作るのですが、そのほとんどは西洋のものばかり。
  星の和名を調べていくうちにたどり着いたのが、二十六夜待ちと、この寿星との繋がり。話を作ると称して、自分自身がすっかり「寿老人(寿星)めぐり」にはまってしまいました(笑)。

 そしてあちこち訪ね歩いていると、どうやら寿星(南極老人星)の化身は寿老人にとどまらず、福禄寿も寿星の化身(こちらを南極老人星と呼んでいるところもあった。同じ星なのに…)だという説明もありました。ということは!? 

 とはいえ、私は信心深くもなんともないので「七福神めぐり」ではなく、あくまでも「寿老人(寿星)めぐり」なので、7人の神様に逢ひに行くのではないし、お賽銭を落としていくわけでもない、ということをご理解の上、様々な表情の寿老人(寿星)をご覧いただければ嬉しいです。

ゆくゆくは全国制覇?なんて(笑) 現在31巡り目。

2023年4月23日更新

 

東京都
1.葛飾区「柴又七福神めぐり」(2016/01/05)
4.新宿区「七福神めぐり」(2017/02/24)
16.江東区「深川七福神めぐり」(2018/12/28)
19.「谷中七福神めぐり」(2019/02/07、2022/02/04)
22.日野市「日野七福神めぐり」(2021/03/28)
28.「隅田川七福神」(2022/02/04)




千葉県
2.佐倉市「七福神めぐり」(2017/02/19)
3.松戸市「七福神めぐり」(2017/02/19)
5.東金市「全七福神めぐり」(2017/03/19)
6 .八千代市「八福神めぐり」(2017/03/19)
9.印西市「七福神めぐり」(2017/04/02)
17.山武市「九十九里七福神めぐり」(2018/12/31)
21.成田市「しもふさ七福神めぐり」(2021/03/06)
24.南房総市「武田石翁の七福神」(2022/02/03)
25.「南総なのはな七福神」(2022/02/03)
26.鴨川「長狭七福神」(2022/02/03)
27.「上総七福神」(2022/02/03)
31.「柏七福神」(2023/04/23)




埼玉県
7.三郷七福神「早稲田めぐり」(2017/03/20)
8.三郷七福神「八木郷戸崎めぐり」(2017/03/20)
10.三郷七福神「彦成めぐり」(2017/04/16)
12.草加市七福神「草加宿七福神めぐり」(2017/12/29)




鹿児島県
11.屋久島七福神「屋久島七福神めぐり」(2017/11/19)




神奈川県
13.常泉寺かっぱ七福神(2018/02/17)




栃木県
14.今市宿七福神(2018/11/03)
20.八溝七福神(2019/04/29)




茨城県
15.利根七福神(2018/12/25)
18.取出市利根七福神(2019/01/05)
23.常陸七福神(2021/04/03)
29.菅生沼七福神(2022/11/03)

京都府
30.都七福神(2022/11/11)

 

 

1.葛飾区「柴又七福神めぐり」
寿老人(観蔵寺 -かんぞうじ-)

所在地:東京都葛飾区高砂5-5-2
福禄寿(万福寺 -まんぷくじ-)

所在地:東京都葛飾区柴又6-17-20
 初めての「寿老人(寿星)めぐり」で、衝撃の事実が… この柴又七福神めぐりで(これは母へのお土産も兼ねていたので7人の神様を全員めぐりました)、福禄寿も「南極老人星の化身」ということを知りました(上に案内板に記載されているのをよむことができます)。

 柴又の七福神では、そのお姿を拝むことはできませんでした(祠に入っていたのかな?)が、案内板や石碑(名前を彫ったもの)を見学することができました。

 

2.佐倉市「七福神めぐり」
寿老人(宗圓寺 -そういんじ-)

所在地:千葉県佐倉市新町89
福禄寿(麻賀多神社 -まがたじんじゃ-)

所在地:千葉県佐倉市鏑木町933-10

 佐倉市の七福神キャラクター(それぞれその場所に案内板として掲げている)は、タレントの車だん吉さんがてがけたもの。そういえば、むかーし、日本テレビの「お笑いマンガ道場」でレギュラー出演してましたね。愛嬌のあるキャラクターで描かれています。

 葛飾区では寿星(南極老人)との関わりが記載されていましたが、佐倉市は皆無。地元だけにちょっと、というか、ずいぶんがっかりしてしまいました。

 地元佐倉市にもしっかりと七福神があったとは驚きました。もしかしたら幟は見ていたのかもしれませんけど(特に麻賀多神社へは何かの折にお賽銭あげにいってますから)
(2017/02/19)

 

3.松戸市「七福神めぐり」
寿老人(徳蔵院 -とくぞういん-)

所在地:千葉県松戸市日暮5-270
福禄寿(円能寺 -えんのうじ-)

所在地:千葉県松戸市千駄堀735

 松戸市は、小学3年生まで住んでいた懐かしの土地。その頃は星に興味があったわけではなく(初めて星を見た時の記憶は残っています。兄と、その友達と3人で夜の行程に忍び込み…)、今日になって、こんなに近くに星の化身がいただなんて思ってもみませんでした。 さて、こちらのお二人にも佐倉市同様、特に星とかかわりがあるというような記述は一切説明はありませんでした。
 円能寺では、七福神全員が揃った宝船の彫像もありました(ちょっとお得な気分)。

午前中は地元佐倉市、そして午後は母のお見舞いをかねて、向かう途中に立ち寄ってみました。千駄堀の円能寺は、昔、まだ常盤平に住んでいた頃、八柱の千駄堀で遊んだ記憶が残っている想い出の場所(父が心配になって自転車で迎えに来てくれたことを思い出します。確か夕暮れの空には赤とんぼがたくさん飛んでいたような…)。そんな面影が、何となくでしたが残っていて嬉しく思いました。(2017/02/19)



4.新宿区「七福神めぐり」
寿老人(法善寺 -ほうぜんじ-)

所在地:新宿区新宿6ー20ー16
福禄寿(永福寺 -えいふくじ-)

所在地:新宿区新宿7ー11ー2

 どちらもお姿を見ることができませんでしたが、寿老人の方は下の写真にある通り、建物の中にいるのか、拝むことができるような感じです。仕事の昼食時に散歩が寺足を向けただけだったので、ここで住職とかにお話を聴いていたら、とてもじゃないけど帰って来れないような気がして、目の前で引き返してしまいました。

 ネットには福禄寿は「南極星」、寿老人が「老人星」のそれぞれの化身であると説明が書かれていました。う〜む、同じ星なんですけどね。「南極老人」という一つの名称なので、どこかでごっちゃになっているんでしょう。(2017/02/24)

 

5 .東金市「全七福神めぐり」
寿老人、福禄寿(妙泉寺 -みょうせんじ-)

所在地:千葉県東金市山田1210


 関東産大厄除け大師として広大な敷地(駐車場が広かった)に、7神が揃ってました。それぞれにお守りとか絵馬とかがあり、宗教色がプンプン漂ってました(私は苦手)。こちらも寿星との関わりはなし。(2017/03/19)

 

6.八千代市「八福神めぐり」
寿老人(長福寺 -ちょうふくじ-)

所在地:千葉県八千代市 萱田1472
福禄寿(東栄寺 -とうえいじ-)

所在地:千葉県八千代市保品917

 八千代市の「八」にかけて、ここは「七福神」ならぬ「八幅神」なんだそうな(吉祥天が加えられているとか… 相変わらず興味は寿老人と福禄寿だけなので見ていない…)。福禄寿の東栄寺は星寺と書かれ、もしかしたら星と関わりがあるんじゃないかと思ってみましたが、八千代市のお二人とも、特に寿星に関わると言った解説は皆無でした。
  ただ、いろいろ調べてみたら地名である「保品」は「星名郷」として1353年(文和二年)の「室町幕府御教書」にその名が確認とのこと。確かに「星埜山」なんて書いてありますし。

というわけで、今回は地元ということもあって午前中に東金、午後から(夕方に掛けて)八千代市を見て回ってきました。
(2017/03/19)

 

7.三郷七福神「早稲田めぐり」
寿老人(萬音寺 -まんのうじ-)

所在地:埼玉県三郷市半田1216
福禄寿(円光院 -えんこういん-)

所在地:埼玉県三郷市南蓮沼61
 円光院は、以前母がお世話になっていたケアセンターのすぐ近くにある無人のお寺(境内には公民館)だったので、最初は特定するのに苦労しました(笑)。「本当にここか?」って具合。寿老人はどっかで見た(笑)のと同じ石像が祀っていました。八木郷戸崎と同じく、寿星との関わりは無し。(2017/03/20)


8.三郷七福神「八木郷戸崎めぐり」
寿老人(香岩寺 -こうがんじ-)

所在地:埼玉県三郷市栄1ー221

福禄寿(宝蓮寺 -ほうれんじ-)

所在地:埼玉県三郷市高州3−123ー1

 全国的にも市内に三カ所も「七福神巡り」のあるところは珍しいのだそうです。香岩寺の寿老人は石碑にお姿が描かれ、7神が揃ってました(下の写真)。
 また、宝蓮寺の福禄寿はどこにいるのだかわかりませんでした。取りあえず本殿をパチリ。いずれの場所にも、寿星との関わりは解説なし。(2017/03/20)

 

9.印西市「いんざい七福神めぐり」
寿老人(観音堂 -かんのんどう-)

所在地:千葉県印西市木下777
福禄寿(地蔵寺 -じぞうじ-)

所在地:千葉県印西市別所1005

 寿老人は道辻の祠に。お寺さんとかではなく人々の行き交う観音堂。近くは新興住宅地でしたが、通りを抜けてこの一角辺りのみが昔ながらの風情が漂っていました。薪を積み上げる腰の曲がったおばあさんが挨拶してくれました。
 また、地蔵寺の方は別名を宝泉院というのでしょうか? その名称を目印に進んでいったら「地蔵寺」とだけ掘られていました。赤い幟が風に揺られていたからわかったようなものの、細い農道から入っていくので、最初は通り過ぎてしまいました。
 ここ、印西市でも、寿星との関わりは解説なし。(2017/04/02)

 

10.三郷七福神「彦成めぐり」
寿老人(延命寺 -えんめいじ-)

所在地:埼玉県三郷市彦倉1ー83ー1
福禄寿(円能寺 -えんのうじ-)

所在地:埼玉県三郷市彦倉彦沢1ー71ー1

 寿老人にしても福禄寿にしても寿星との関わりの解説もなく、お目にかかりたかった対象となるお姿も境内の何処にも存在しませんでした。寿老人のいる(?)お寺さんの名前は明星山延命寺と称するようで、ちょっと期待して足を運んだのですが、そちらよりも「彦倉虚空蔵尊」という像が有名なんだそうです。寿老人の面影のない場所でしたが、うなぎ供養の池とか、見所がそれなりにあるお寺さんではありましたが。
  興味深かったのは『遠野物語』で深く関わりのある「力石」の実物がいくつも納められていたこと。遠野でもなかなかお目にかかることの出来ない、実際に投げられていた実物がこんなに沢山見られるなんて思っても見ませんでした。円能寺もまた赤井幟がはためくだけで、特に面影のないお寺さんでした。社殿の中にいるのかもしれませんけど、私はそこまでしてお目にかかるつもりもない軽薄な旅人(笑)ですから、なければないで「プイッ」と出てきてしまいます。

 それにしても、寿星めぐりを始めたのは良いけれど、だんだん「星の民俗」とはかけ離れていくような気がして、そこがちょっと気になるところ。個人的な興味は増すばかりなのですが… 歳とった証拠なのかぁ (2017/04/16)


11.鹿児島市「屋久島七福神めぐり」
寿老人(尾之間温泉前 -おのあいだ-)

所在地:鹿児島県熊毛郡屋久島町尾之間
福禄寿(屋久島町役場 宮之浦支所の近く -みやのうら-)

所在地:鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦

 寿老人は温泉前の駐車場に、福禄寿は川沿いの緑地にポンと鎮座。最初に築いたのは寿老人。カノープスをこの地で見たら私の住んでいる関東と比べ、どのぐらいの高度で見えるのだろうと言うことで出向いた地。今回はカノープスが宿の部屋からも輝く姿が見えるほどでしたが、まさか寿星(寿老人ね)に出会えるとは思っても見ませんでした。ということで、温泉に足を運んだ前日の夜には全く気がつかなかったのですが、昼間訪れた際に見つめられて(笑)気づいた寿老人。この日はヤクスギランドに行って、天文の森を歩くつもりでしたが、急遽路線変更。残りの福禄寿を求めて大移動。その間、この島の「お月見」に関する情報も得、なかなか充実した一日を送りました(笑)。

(宿・天豆 -そらまめ- より 2017/11/19/03h59m)
  なお、ここでも寿星との関わりの解説なく、日常的に季節になれば毎晩輝くカノープス(南極老人星)への寿命が延びる話はまったく知られておらず(地元の方々へリサーチしてみた結果)。その代わりに十五夜のお月見(綱引きを行う)と二十三夜のお月見信仰(お祭り)が、各集落に伝統的に行事として続いているといった話が聞けて大満足(先の「充実した一日」)でした。
(2017/11/18)

 

12.草加市七福神「草加宿七福神めぐり」
寿老人(高砂三峯神社 -たかさごみつみねじんじゃ-)

所在地:埼玉県草加市高砂2ー21ー30
福禄寿(谷古宇稲荷神社 -やこういなりじんじゃ-)

所在地:埼玉県草加市神明2ー2ー25

 寿老人は駅前通り(?)の市街地に面した場所に奉納されていましたが、解説には草加宿の七福神めぐりは平成13年に設置されたばかりの歴史の浅いところのようですが、神々はそれぞれ歴史のある木彫りが、どの神様もまつられているとか。この寿老人もガラスケースの中に祀られているのが見られました。明後日から平成30年。きっとここの七福神巡りも参拝される方で賑わうのでしょうが、今は年末。シーンとして、本来の姿が見られたのかも。
  寿星のもう一人、福禄寿は更にわかりずらい住宅地の中にいて、本体を拝むことはできず(もっとも信心があって訪れたのではないから、拝めなくても良いっちゃあ良いんですけど…)

 こんな感じですから、星との関係は皆無のようで…

(2017/12/29)

 

13.大和市七福神「常泉寺かっぱ七福神」
寿老人、福禄寿(常泉寺 -じょうせんじ-)

所在地:神奈川県大和市福田2176

 カッパの七福神としても、地元で親しまれている七福神たち。それにしても、ここには何体のお地蔵様が祀られているのでしょうか?すでに閉門の時間が過ぎてしまっているにもかかわらず、庭掃除をしていた住職さんが「どうぞどうぞ」と案内してくれるまでの参道には、数えきれないほどのお地蔵様の顔、顔、顔。少なくとも300体は越えているそうです。それにしても大和市にはシリウスホール、七福神(寿老人、福禄寿→寿星→南極老人→カノープス)があるので、全天第一位、第二位の星の輝きが地上にあることになり、星の好きな人にとっては意外な星との関わりがあることに喜ぶのではないでしょうか?

  さてさて、明日はシリウスホールでイベントです。 そこで使うネタにと、この夕刻迫る常泉寺にやって来たのでした。いつも大和市でやるときは講座ギリギリで到着で、関係者の皆様方へ無用な心配をおかけしていることへの反省から、南林間駅前のビジネスホテルに宿を取りました。なので、ちょっとヨユー(笑)

(2018/02/17)

 

14.日光市七福神「今市宿七福神」
福禄寿(明静寺 -めいせいじ-)

所在地:栃木県日光市瀬尾791
寿老神(本敬寺 -ほんけいじ-)

所在地:栃木県日光市今市1430-15
 たまたま訪れた土地で巡り会うと「行っとかなきゃ…」となります。今回も大目的とは全くことなる旅行でしたが、町をブラブラと歩くとこうした情報が目につきます。「旅はやはり歩いて町を歩くことをしないと…」と思います。
  両方とも時期外れだったこともあって、住職さんに声を掛けるとビックリされたのですが、社殿に案内してくれて拝観させてくれました。特に福禄寿の方は住職さんにとても良く似た木造でした。
 寿老人(本敬寺)の方は、これから「行事があるから…」といって忙しそうにしている手を止めてニコニコと対応していただきました。

(2018/11/03)

 

15.利根七福神「利根七福神めぐり」
寿老神(応順寺 -おうじゅんじ-)

所在地:茨城県北相馬郡利根町羽中1431
福禄寿(早尾天神社 -はやおてんじんじゃ-)

所在地:茨城県北相馬郡利根町早尾74-1
 日本の天文学との関わりの深い人物、佐原の伊能忠敬記念館の延長での七福神巡り。そろそろ寿星ことカノープスが南の地平線に顔を出す時期(もっとも、もっと早く見ることは出来るのですが…)。来週以降、新年の行事としての七福神巡りが活発化する前の、静かな暮れのひとときとでもいうのか。およそ、来客があるとは思えないような静まりよう。寿老人が祀られている応順寺の方は、まだ開けた土地のお寺なので、実際に寿星が顔を出すかもしれないのですが、福禄寿の方は山の中。そして木々に囲まれた神社の中にあって、寿星はおろか、星空もままならないような環境です。
 
(2018/12/25)


16.江東区七福神「深川七福神めぐり」
福禄寿(心行寺 -しんぎょうじ-)

所在地:東京都江東区深川2ー16ー7

寿老神(深川神明宮 -ふかがわしんめいぐう-)

所在地:東京都江東区森下1ー3ー17

 昨年の暮れ、事件を起こした神社の一つが七福神巡りの舞台となっている富岡八幡宮。そこには恵比寿様が祀られているということですが、相変わらずの寿星めぐりの私が目指したのは福禄寿と寿老人の祀られている二カ所。それぞれに向かう前には、伊能忠敬の住居跡地(何も残っていない…)、閻魔様が祀られているえんま堂、そして天文将軍の名で知られる八代将軍徳川吉宗の孫に当たる松平定信(伊能忠敬に日本地図を作らせた)のお墓などを巡る変化にとんだ行程となりました。

 伊能忠敬住居跡地から10分も歩かないところにある心行寺には福禄寿。年の瀬に訪れる人がほとんどいない境内といっても、他の七福神巡りの場所と違って、都会の喧騒とした環境の中にあるので、 ちょっと騒々しい。それでも来週から始まる七福神巡りの主因を求める多くの人びとで賑わう時とは正反対なんだろう。
 心行寺のホームページを見ると「福禄寿は、星宿の神、南十字星の化身ともいわれ…」とあった。南十字星と言う案内は初めて出会った。ご本尊は六角堂の中に安置されているらしく、見ることはできませんでした。石像はいつでも見られる場所に出ているから、幟しかなかった七福神と比べるとまだ良いか(笑)。
 次に向かったのは寿老人。と、その前に松平定信のお墓に寄って、強い北風が吹くのに逆らってが祀られている深川神明宮へ向かいました。深川発祥の地らしく、立派な鳥居の向こうにありましたが、残念なことに寿老人は見られず。入り口に写真が貼付されていたので、とりあえずはそれで我慢。(2018/12/28)

 で、その後すぐに間宮林蔵のお墓を訪ねた際、深川神明宮を再訪しました。お正月の七福神巡りよろしく、多くの参拝客にあふれ帰っていました。また、他の神様たちの祀られている場所も、参拝客でにぎわっていました。そんな中、寿老人と福禄寿だけしか拝まない人間も珍しいのだろうなぁと、思ってしまいました。(2019/01/05)

 

17.山武市「九十九里七福神めぐり」
寿老神(光明寺 -こうみょうじ-)

所在地:千葉県山武市富田1715

福禄寿(宝積寺 -ほうしゃくじ-)

所在地:千葉県山武市松尾町大堤449

 元日前日… 昨夜は大晦日に日付が変わる直前に近所の田園から明るいカノープスの輝きを眺めたこともあって、九十九里で生誕した伊能忠敬の史跡を訪ねるついでに九十九里七福神を巡ってみました。まぁ、お祭り前夜のお寺さんということもあって、乾いた空気に空っ風が吹いて、何もかもの音が響く清閑とした佇まいで「嵐の前の静けさ」 を感じさせるひとときでした。福禄寿こそ姿を見ることができましたが、庭掃除をしているおばちゃんが「明日には奇麗になっているからね」と声を掛けて来てくれました。九十九里の二神には「星の化身」といった説明がなされていました。この二神は近所に祀られていることもあり、訪ねた時間帯はほぼ正午で、太陽の南中位置からすれば、もしかしたら寿老人の目の前を南極老人星が通るのかもしれないと言うロケーションには嬉しく思いました(ただし、本日はご神体は祠の中…)。

(2018/12/31)

 

18.取手市「利根川七福神めぐり」
福禄寿(念仏寺 -ねんぶつじ-)

所在地:取手市東2-6-52

寿老神(光明寺 -こうめいじ-)

所在地:取手市桑原1133

 伊能忠敬の弟子で『大日本沿海輿地全図』を完成させた間宮林蔵めぐりの延長で足を伸ばした七福神。両寺院とも静かな佇まいの中(誰もいなかった)お参りすることができました。特に念仏寺の方は高台にあって、おそらく南極老人星も見えるのではないでしょうか?
 
(2019/01/05)


19.「谷中七福神めぐり」
寿老人(長安寺 -ちょうあんじ-)

所在地:東京都台東区谷中5−2−22

福禄寿(東覚寺 -とうがくじ-)

所在地:東京都北区田端2−7−3

 谷中は最近注目を浴びているスポット。確かにお寺さんが多い印象もあります。寿老人はそんな谷中側(日暮里駅の北側)にあり、福禄寿は南側… この日(2/7)は夕方近くに訪れてしまったため、福禄寿へのお参りは叶わず「後日でいいか…」と断念してしまいました。寿老人の方も、シーズンが終わってしまっているということもあり、ご神体は拝めず。あのカノープスだって年がら年中晴れれば見える星でもないから、まぁ、門前払い的な気分も致し方ないといったところでしょうか。

 世界中が未曾有のコロナ・パニックに陥った関係で(2022年現在、第6波のまっただ中)途中断ち切れた感がありましたが、再び復活の寿老人&福禄寿めぐり。谷中の福禄寿にお会いしていなかったのが心残りで、ようやく達成。寿老人と合わせてご神体を拝むことはなく格納されていました。でもスッキリ(笑)。
 
(寿老人:2019/02/07、福禄寿:2022/02/04)




20.栃木県「八溝七福神めぐり
福禄寿(乾徳寺 -けんとくじ-)

所在地:栃木県那須郡那珂川町馬頭114

 前回の谷中に続き、中途半端な寿星巡りとなってしまいました。今回は寿老人に会えず… 毎度、紙の地図で当たりを付けて訪ねて行くのですが、最近はスマホ(大きな声ではいえませんが、個人ではスマホを持っていないので会社の…)を頼りにしています。それが途中でバッテリー切れ! つくづくこうした機器はめんどいです(笑)。

 そんな中、今回は途中できれてしまったので諦めていたところ、なんと、別の訪問先に向かっている最中に「乾徳寺」の文字が飛び込んできたのです。そんなわけでも訪問になったわけですが、もう栃木県の山の中に入ってしまうと、おそらくここからは寿星、すなわちカノープスなんて見る影もないだろう、と思えました。実際、山頂まで昇ってしまえば、まだまだ見られることはわかっているのですが、里山の中、四方を山に囲まれてしまうと、ちょっと難しいですね。
 
(2019/04/29)





21.千葉県「しもふさ七福神めぐり
福禄寿(成田ゆめ牧場)

所在地:千葉県成田市名木730

寿老人(昌福寺 -しょうふくじ-)

所在地:千葉県成田市西大須賀1870

 第20巡りから1年以上間が開いてしまいました(新型コロナのせい)。調べてみたら地元から比較的近い場所に、まだ行っていないところがあったので、別件(佐原の多田朝日森稲荷神社にお参りに)を済ませてから足を向けてみました。時間が時間だけに、すでに日も暮れてしまっていたので薄暗い中でのお参りとなってしまいました。ただ、いずれの化身たちに星の関わりを記す案内はありませんでした。
 福禄寿の方はレジャー施設成田ゆめ牧場の入り口にあったので、新鮮な牛乳を頂いて行こうと思いましたが、営業時間が終了間際に到着し、オーダーズトップが掛かっていたこともあってありつけませんでした。
 
(2021/03/06)





22.東京都「日野七福神めぐり
寿老尊(延命寺 -えんめいじ-)

所在地:東京都日野市川辺堀之内595

福禄寿(石田寺 -いしだじ-)

所在地:東京都日野市石田1ー1−10

 立川に寄ることがあったので、近所を調べてみたらあった、あったありました!福禄寿はかなりふくよかなお顔立ち。寿老人は寿老尊としてまつられて、その姿は海外の神様のようなすらりとした出で立ちで、ちょっとビックリしました。案内板には寿星、老人星との関わりは記されていませんでしたが『日野七福神めぐり』のパンフには福禄寿の方に「中国宗士天南星の化身とも南極星の化身ともされ」と案内されていました。
  なお、福禄寿が祀られている石田寺には新撰組の土方歳三のお墓もありました。
(2021/03/28)

 





23.茨城県「常陸七福神めぐり
寿老人(西蓮寺 -さいれんじ-)

所在地:茨城県行方市西蓮寺504

福禄寿(長勝寺 -ちょうしょうじ-)

所在地:茨城県潮来市潮来428

 かなり新しい七福神で、昭和57年の真延寺が発祥とのこと。 ここには金無垢の七福神が安置(永正元年正月元旦 後藤祐乘作之と刻まれている)され、そこから牛久市の一色邦彦氏が、この七福神像をモデルにしてブロンズ像を作り、常陸の里の寺社に安置しました。 (おお〜 っと、)いろいろと勉強にはなりますが、私の場合は二神のみのお参りなのでもったいないお話です… そして、常陸七福神は8つの広範な市に跨る8寺社を巡り「日本一長い順路を持つ七福神詣」とされています。

  桜川市(月山寺:布袋尊)、石岡市(西光院:毘沙門)、行方市(西蓮寺:福禄寿)、稲敷市(逢善寺:弁財天)、土浦市(月山寺:布袋)、潮来市(長勝寺:福禄寿)、笠間市(笠間稲荷神社:大黒天)、つくば市(筑波山神社:恵比寿)。

 霞ヶ浦に近い場所にあり風光明媚ではありましたが、東は鹿島工業地帯で背の高い煙突が彼方まで並ぶ姿に星空がどのぐらい暗いのか心配になってしまいました。

(2021/04/03)




(2022年1月1日、千葉県南房総市根本)


24.千葉県「厳島神社武田翁の七福神」
寿老人(厳島神社 -いつくしまじんじゃ-)

所在地:千葉県南房総市白浜町白浜629

福禄寿(厳島神社 -いつくしまじんじゃ-)

所在地:千葉県南房総市白浜町白浜629

 まさか天の川スポットで有名な野島崎灯台の、まさに足元に江戸後期に活躍した石工武田石翁(1779/安永八年-1858/安政五年)の七福神が鎮座しているとは思いませんでした。星の昨晩からこの地にやってきて、徹夜で星の写真を撮りまくり、気分転換の散歩で立ち寄った厳島神社に。七福神の他、男根をあしらったご神体が祀られていました(気になる方はコチラ)。
(参考:チバテレビ制作「ちば見聞録#074」)(2022/02/03)





25.千葉県「南総なのはな七福神」
寿老人(観音寺-かんのんじ-

所在地:千葉県鴨川市横渚1133

福禄寿(長福寺 -ちょうふくじ-)

所在地:千葉県館山市館山 928

「令和元年房総半島台風(台風15号)・令和元年東日本台風(台風19号)で甚大な被害を受けた被災地の一刻も早い復興と、国家安寧・世界平和を願い、有志の寺院で令和2年に開創された(wikiより)」

  24からの続きで、帰路の途中の寿星巡り。寿老人を祀る観音寺は星の観望会も行なわれた所のようです。Wikiにもあるように、真新しい巡礼地のようです(お寺さんは古くからある)。寿老人は社殿の中に鎮座しています。もう一つの福禄寿の方は館山城のすぐ近く。こちらも社殿の中に祀られています(2022/02/03)




26.千葉県鴨川「長狭七福神」
寿老人(真福寺 -しんぷくじ-)

所在地:千葉県鴨川市大幡1177

福禄寿(安國寺 -あんこくじ-)

所在地:千葉県鴨川市北風原911-1

 長狭米で有名なところというイメージしかありませんでしたが、御二方とも穏やかな表情を浮かべて出迎えてくれたような気がしました。平日の昼下がり、静かな境内に鎮座していました。(2022/02/03)




27.千葉県「上総七福神」
寿老人(圓如寺 -えんにょじ-)

所在地:千葉県君津市小市部127

福禄寿(圓明院 -えんみょういん-)

所在地:千葉県君津市山本1535

 祠の中に鎮座する寿老人の前にも七福神全員が揃っていました。また、お寺さんの立地が古を感じさせてくれるような(イメージは「一休さん」や「まんが日本昔ばなし」)いい雰囲気でした。福禄寿の方は、これまた風変わりなお姿です。とはいえ、日本古来の風俗習慣からいえば、それほど珍しいものではないのかもしれません。遠野ではたくさん出あいましたけど。(2022/02/03)





28.東京都「隅田川七福神」
寿老人(白鬚神社 -しらひげじんじゃ-)

所在地:東京都墨田区東向島3ー5−2

福禄寿(向島百花園 -むこうじまひゃっかえん-)

所在地:東京都墨田区東向島3ー18

 白鬚神社は、神社そのもの(名前もねぇ)が寿老人とのことでお姿はなく、福禄寿の方はコロナで臨時休園中のため叶わず。ただ、地図を頼りに裏に回った所、それらしいお堂があって、おそらく底に祀られているだろうと思った次第。帰りにおいしいコーヒーを戴きました。(2022/02/04)



29.茨城県「菅生沼七福神」
寿老人(持福院 -じふくいん-)

所在地:茨城県坂東市大崎235ー1

福禄寿(大安寺 -だいあんじ-)

所在地:茨城県坂東市矢作1856

 両神様ともりっぱな木彫りの立像でした。写真的には寿老人のお堂が密閉されているためガラスごしに眺めるしかありません。福禄寿の方は覗きまどよろしく、取っ手の持ち手の部分とおぼしき穴があけられているので、そこから直に拝むことができます。福禄寿の方は「星の化身」とか「南極星」との関わりが少々記載されていました。(2022/11/03)



30.京都府「都七福神」
寿老人(革堂行願寺 -かうどう ぎょうがんじ-)

所在地:京都府京都市中京区
行願寺門前町5−番地 竹屋町上ル行願寺門前町17

福禄寿(赤山禅院 -せきやまぜんいん-)

所在地:京都市左京区修学院赤山町

 コロナ前に大阪へ「日本の天文学をめぐる旅」をして、それに続く「めぐる旅」は、新幹線新大阪のひとつ手前に停車する京都。調べて見ると七福神の中でもっとも古い歴史をもつそうで、寿星巡りで初めて御朱印を戴きました。もっとも京都らしい雰囲気(あくまでも個人の感想です)が漂っていたのは、今回の行程で一番遠い位置になった赤山禅院。そこに行くまでの川沿いや、山肌に秋が降りてきていた、という景色を眺めながらの福禄寿。そこでご担当をされていた方と話をしているときに教えてもらいました(いく前に自分でもチャント調べとけって話ではあるのですが…)。そんなわけで、じゃあ、朝一で訪れた寿老人の方に戻って、同じく御朱印をもらっとかなきゃ、と思い、お昼を済ませた後に再び足を向けました。
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色とりどりの幟。最も敬愛する(笑)寿老人が紫の幟。よきよき (2022/11/11)







31.千葉県「かしわ七福神」
寿老人(戸張香取神社 -とばりかとりじんじゃ-)

所在地:千葉県柏市戸張1309

福禄寿(豊受稲荷本宮 -ゆたかいなりほんぐう-)

所在地:千葉県柏市豐四季972−14

 最初に足を向けたのは、現在では珍しいお稲荷さんと神社が合体している豊受稲荷。ここは全国でも珍しい「神仏混淆(しんぶつこんこう)」という姿で、お稲荷さんと福禄寿、そして寿老人の姿(社務所の方に案内して拝観させていただきました)もありました。ただ、境内には写真に残したように石仏として、福禄寿のみがニコニコと出迎えてくれます。
 寿老人が祀られている香取神社は、豊受稲荷から車で10分ぐらいのところ、お稲荷さんは市街地のど真ん中にありましたが、閑静な住宅街に祀られていました。どちらも星との関わりは記されていませんでした
(2023/04/23)


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