星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

20時南中:12月13日

 「くじら」というのは名ばかりで、星空に描かれている「くじら座」は、西洋では特に問題なく「海獣座」という意味で通用しますが、日本の場合は明治時代に訳した時の名残で、「海獣」とせず、「海の巨大な生き物」「それは鯨でしょう」という会話があったかどうかはわかりませんが、少々違う意味で名付けられた感が漂っています。

  この海の生物は、古代エチオピア王国にまつわる神話に登場するしますが、ギリシア神話を読んでいても、特に固有名で表記されている書籍に出会したことがありません。比較的新しい物語になってくると、学名をそのまま使って「ケートス」だったり「セートス(英語読み)」。出所がはっきりしない「ティアマート」と紹介している作者もいます。

 手持ちの書籍を調べてみると…

★ティアマート(元々はバビロニア神話に登場する女神の名前)
『透視版星座アルバム』藤井旭(1972)
『星座大全・秋の星座』藤井旭(2003)
『星座神話ガイドブック』沼澤茂美・脇屋奈々代(2005)



★ケートス(羅:セートス) :ギリシア神話の「海の巨大な生物、すなわち鯨や海豹などの海獣」
★クラーケン
 『 映画:タイタンの戦い』ポセイドンが呼んでいる

★名無しの化け物くじら(固有名で表現されることはあまりない):ギリシア神話
『グロティウス』

 そもそも、星座の学名はラテン語とすることと決められていますので、英語発音でセートスと呼び表せれているCetusは「海の(巨大な)生き物」、すなわち「鯨」や「海豹」などの動物全般を言い表す言葉が星座名というのが、後世に複数の名前で呼び習わされたのかもしれません。

 全世界で700万人近くが参加していたというSETI@home (Search for Extra Terrestrial Intelligence=地球外知的生命探査)ですが、これは故カール・セーガンの提唱によるもので、 1964年にビュラカン会議と言うシンポジウムの中でセーガン博士が使った言葉です。当初はCETI (Communication with Extra Terrestrial Intelligence)と言い、ラテン語で鯨を表す、つまりこのくじら座の学名Cetusの頭文字“C”を使っているのです。なぜかというと、地球に住むもうひとつの知性種族である鯨にひっかけていたからです。そして、“オズマ計画”に選ばれた最初の星がくじら座のτ星であったためでした。今ではCommunication(双方向のコミュニケーション)ではなく、一方的に相手からのメッセージに耳を澄ます探査(Search)しかできない、ということからCからSに変更され、現在に至っています。





★ くじら座の見どころ ★

ミラ(脈動変光星)

M77(系外星雲)観望記










(2022/10/26 23h029m)
カーソルをのせると星座線、星名が表示されます。
(くじら座の星座絵姿は藤井旭氏の『透視版星座アルバム』より)
Canon EOS 6D



(2023/09/18 01h41m)。
(くじら座の星座絵姿は藤井旭氏の『透視版星座アルバム』より)
Canon EOS 6D




時々惑星が近くを通行するので、ヒヤッとすることがあります。


(2022/10/26)

木星が西から東へ順行中(2022→2023)

日々の観察では外惑星の動きは気付きませんが、
時間をかけて眺めてみると西から東への移動がわかります。


(2023/09/18)

SETI@Home



 全世界で700万人近くが参加していたというSETI@home (Search for Extra Terrestrial Intelligence=地球外知的生命探査)ですが、これは故カール・セーガンの提唱によるもので、 1964年にビュラカン会議と言うシンポジウムの中でセーガン博士が使った言葉です。

  当初はCETI (Communication with Extra Terrestrial Intelligence)と言い、ラテン語で鯨を表す、つ まりこのくじら座の学名Cetusの頭文字“C”を使っているのです。なぜかというと、地球に住むもうひとつの知性種族である鯨にひっかけていたからです。
  そして、“オズマ計画”に選ばれた最初の星がくじら座のτ星であったためでした。

  今ではCommunication(双方向のコミュニケーション)ではなく、一方的に相手からのメッセージに耳を澄ます探査(Search)しかできない、ということからCからSに変更され、現在に至っています。


~ 参考書 ~
透視版星座アルバム(藤井旭)
星座の神話(原恵)
星座の起源(近藤二郎)

★星座の結び方、絵図は藤井旭著『透視版 星座アルバム』を参考にしています。

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