星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)


20時南中:9月10日
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 この星座がもっとも見頃となるのは夏も後半になってのことになりますが、日本では七夕の彦星としておなじみのアルタイルが、中心に輝いているので、ヴェガ同様初夏から見頃といえるのかもしれません。

この星座がもっとも見頃となるのは夏も後半になってのことになりますが、日本では七夕の彦星としておなじみのアルタイルが、中心に輝いているので、ヴェガ同様初夏から見頃といえるのかもしれません。
 1等星アルタイルの名は「飛ぶ鷲」というアラビア語から来ています。その姿は紀元前1200年頃、すでにバビロニアでは天翔る鳥の姿として描かれていました。
 ギリシア語で、わし座全体を“ゼウスの鳥”という名前で表現されているように、ギリシア神話では大神ゼウスが化けた鷲の姿として描かれています。別の神話ではプロメテウスを苦しめた鷲であるともいわれています。 アルタイルまでの距離は16.8光年。

 



西の空に夏の大三角
(2015年9月13日 00h50m)

 あまり知られていませんが、わし座のアルタイルに向けて1983年8月15日(この年の旧暦七夕)に、森本雅樹、平林久の二人の天文学者による日本独自のSETIを行なっていました。もしもアルタイルに知的生命が存在するなら、折り返し返事が届くのではないかという期待を込めて。

  アルタイルまでの距離は約16光年とい観測されているので「すぐに」返信されれば光速の理論上32年後の2015年ぐらいには届くのでは? と考えられていました。その後、忘れ去られてしまったのか、誰も話題にすることなくゆっくりと時は過ぎていきました。

 物事をいい方に考えられるなら、受け取った(?)アルタイル星系の地球外知的生命が、元の場所に向けて返事を送信してくれたとしても、その元の場所に地球かいないはずです。つまりアルタイルからのメッセージは地球に向けて送信されたにもかかわらず、実は地球の元いた場所を、受取手がいない空間を通過してしまっているのでしょう。メッセージが送信された瞬間に届くなら話しは別ですが。

 宇宙に存在するすべての星は固有運動を行なっているそうで(1718年エドモンド・ハレーが発見)、返信する技術を持っているぐらいなら、そのぐらいのことは承知のことかもしれません。だからメッセージを受け取ったアルタイル星系の地球外知的生命がその方向を割り出してくれているのではないでしょうか? そう考えると、その逆の考え方もなりたってしまいます。つまり動いている物体に対して何かを投げることを考えてみれば、その理論はすぐに理解できそうです。もっと難しいのはお互いに動いているということ、そして距離が遠いこと…

 つまり、地球から送信されたメッセージが、アルタイルの進行方向へ電波を送信していることも重要な要素でしょう。しかも持ち時間は30分(アメリカから電波望遠鏡で送信された時間はわずか30分だけだったそうです)。アルタイルの固有運動の速度、太陽系の速度、地球の公転速度など、さまざまな要素が絡み合ってきそうです。もっと単純に考えて、まだ来ないなぁと考えるのがシンプルで良さそうです(笑)。







 わし座に関連する芸術作品を探すなら、本人(笑)の固有名詞がないので、お決まりで、まずはギリシア神話に求めてみましょう。

 たぐいまれな美しさを備え、人間の中では最も美しいとまで称賛された青年を、大神ゼウスが見過ごすはずはなく、彼をヘベやヘルメスの代わりの酌取り役を務めさせるため、大神の象徴とされる大鷲の姿になって、彼を誘拐してしまいました。その時のゼウスの姿がわし座になったとされています。

 ギリシア神話が面白いとされる理由の一つである異説もまた多数(笑)。このわし座のモデルは、神々に反逆したプロメテウス(ゼウス、あるいはアテネから火を盗んで人間に与えた、あるいは人間の魂とした)に対し、ゼウスが立腹し永遠に苦しみを与える罰を与えました。それはイーダ山、あるいはカウカソス山の洞窟に鎖で繋ぎ、鷲がプロメテウスの内臓をついばむというもの(鳥葬みたいなもの。でも彼は生きたまま)。その鷲の功績を称えてゼウスが星座に残したといわれています。また、ゼウスの血が流れるヘラクレスの矢を運んだ鷲の姿であるとも伝えられています。そして、その矢がわし座の近くに置かれたや座というわけです。残酷な言い伝えを無視するなら、これが一番平和的な星空なのかもしれません(笑)

 美少年ガニュメーデスは、黄道十二宮のみずがめ座のモデルともいわれています。
 
文学『縛られたプロメーテウス』アイスキュロス(B.C.525-B.C.456)この作品に「解放されたプロメーテウス」「火を運ぶプロメーテウス」と併せて『プロメーテウス三部作』を構成しています。
絵画『縛られたプロメテウス』(ルーベンス/スナイデルス)他多数
絵画『誘拐されるガニュメーデス』(レンブラント、コレッジョ)とか『…の略奪』とか他多数
音楽『プロメーテウスの創造物 Op.43』(ベートーヴェン)、『交響詩 プロメテウス』(リスト)、『交響曲第5番 プロメテウス 火の詩』(スクリャービン)、『プロメテオ』(ノーノ)、『プロメテウス』『ガニュメーデス』(ゲーテ作詞、シューベルト


いるか座、や座、そしてアルタイル


♪「プロメテウスの創造物」より(ベートーヴェン)
♪交響詩「プロメテウス」(リスト)
♪交響曲第5番「プロメテウス」(スクリャービン)
♪「プロメテウス」より(ノーノ)
 1992年5月24日、ベルリン・フィルのの定期演奏会で、プロメテウスに基づく4人の作曲家の作品が上演されました。CDだとわかりませんが、映像に収録されたライヴ盤では、スクリャービンの「プロメテ - 火の詩」にマルタ・アルゲリッチが参加。そして、スコアに指示のある色光の照明を実践した珍しい演出を見ることができます。

星、宇宙がテーマの音楽集

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