特に女声ヴォーカルを意識して聴くようになったのは、アメリカ人歌手バーバラ・ボニーの1stアルバムを手にしたときからです。そこで取り上げられていたのはヴォルフとリヒャルト・シュトラウスのリーダー作品。ボニーのソロ・リサイタルにも足を運びました(新宿オペラシティ)。その後、女声ヴォーカルを求めるようになった動機はいたって単純で「女声の声は美しい」という不純なモノ。なんとなくドビュッシーの気持ちがわかる。ただし、ジャケ買いや極力オペラ物には手を出さないようにしています。 |
Barbara Bonney: Soprano Geoffrey Parsons: Piano |
女声ヴォーカル(特にソプラノ)に最初に興味を持ったのが、このボニーのデビューアルバムでした。この時期、グラモフォンではヴォーカリストをプッシュ していたようで、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターもその一人でした。なんとなくジャケットにもシリーズと思わせるようなレイアウトで、なんかそれにつ られてしまったような気もしました(いわゆるジャケ買いみたいなものか…)。収録曲がマーラーのライバルでもあるリヒャルト・シュトラウスとフーゴー・ ヴォルフだったと言うところも、食指が伸びた理由でした。 もう30年以上前のことなんだなぁ… ボニー、第一線からは引退しちゃいました。 このころのアルバム評価は、オッターと比較しているのかどうかわかりませんが、あまりよろしくないレビューばかりでした。線が細いだの、発音がどうしただの… |
Barbara Bonney: Soprano Geoffrey Parsons: Piano |
ボニーのアルバムは何枚か持っていますが、その中で唯一好きなジャケットがこのモーツァルト。グラもフォンからテラークにレーベルは変わりました。伴奏は大ベテランのジェフリー・パーソンズ。歌声はどこまでも清らかに、とっても潑溂としたモーツァルトよろしく。 |
Angelika Kirchschlager: Soprano Barbara Bonney: Soprano Geoffrey Parsons: Piano |
女声ヴォーカル(特にソプラノ・・・)によるデュエットの絡みが好きで、ヘンデルのデュエットアルバムを聴いてからいろいろ探して聴いていました。そんな中、もっともお気に入りのボニーが、アルトのアンゲリカ・キルヒシュラーガーと共演。もう、ゾクゾクしながら聞いてます。やはり、もっとも聴く率の高いアルバム。 この二人は小澤征爾の『ミサ曲 ロ短調』(2000年松本)でも共演し美しいハーモニーを聴かせてくれました。 ボニーが参加しているアルバムであれば、なるべく(オペラ以外)聴くようにしていますが、オペラではフンパーティングの『ヘンゼルとグレーテル』では、フォン・オッターとのデュオが楽しめます。ガーディナーとの『マタイ受難曲』、「ソルヴェイグの歌」目当てにグリーグの『ペールギュント』、クルト・マズアとのメンデルスゾーンの交響曲第2番、リッカルド・シャイーとマーラーの交響曲第4番と『子供の不思議な角笛』。同じマーラーでもヨエル・レヴィとの交響曲第2番、サイモン・ラトルとウィーン・フィルのベートーヴェンの第九あたりが良く聴くアルバムです。 |
Anne Sofie von Otter: Alto Ralf Gothoni: Piano |
グラモフォンが大プッシュした4人(男声2、女声2)のうちの一人で、バーバラ・ボニーと同時期にソロ・デビューしました。共通はヴォルフ。声もアルトだし、その風格といいオッターの方が姉御的でしょうか(笑)。二人の共演は結構多く、バッハやガーディナーとのバッハ『マタイ受難曲』モーツァルトの『レクイエム』、テイトとのフンパーディンクの『ヘンゼルとグレーテル』では、イメージ通り兄と妹を演じています。ここ数年では、もっとも安定のある歌唱表現を見せてくれるので、あちこちでも引っ張りだこのようです。面白いのはボニーとオッターの曲目が結構重なることでしょうか? ボニーのソロと併せて冒険で購入しましたが、当たりの一枚でした。以後、オッターの安定感に外れはなく、アルトを代表するソリストになりました。なお、ピアノのラルフ・ゴトーニは、オッターと同郷のピアニストで、シベリウスのピアノ作品でお世話になっています(笑)←フィンランディアのピアノ版を初めて聴かせてくれた。 |
Anne Sofie von Otter: Alto Christina Hogman: Soprano Nils-Erik Sparf: Violin Melvin Tan: Piano |
日本盤のアルバムタイトルは『夕べの静かさ』となっていますが、これは1792年製のフォルテピアノの音色が、そんな雰囲気を醸し出しているのかもしれません。 シュポアの曲では1722年製のストラディヴァリウスと共にオッターの声を楽しめます。また、私にとって嬉しい発見だったのは、マイアベーアの「子供たちの祈り」におけるソプラノ1、アルト2という三声のハーモニーを楽しめた事でした。わずか2分という短い曲でしたが、こういう曲が聴けただけでも心が癒やされるようです。 |
イエロー・レーベルのジャケットも、最近ではロゴが小さくなってジャケットが一枚の写真的なレイアウトになっていますが、ポートレイト系では一番スッキリしていていいですね。コジェナーのアルバムも、20年前に購入したボニーやオッターのジャケット同様、一緒に並べていても違和感がありません。 |
前作のソロが同郷の作曲家に焦点をあてたアルバム(選曲)でしたが、今回は多国籍な作曲家。つまり、そこの国の言葉で歌っているわけですが、歌手というのは大変だなぁ、と思います。 とはいっても、私のように、特にクラシックの歌曲に関しては、オペラも歌曲も、どれも同じように聞こえる(楽器の一部として)いるので、フランス語、ロシア語、イタリア語という区別もついていません。わからなくてもいいんです。と、開き直ってみる(笑) |
コジェナーのアルバムを最初に購入したのが、同郷の作曲家リダの「クリスマス・ミサ」。リリースは2009年ですが、レコーディングは1998年です。なんでこんなに時間が掛かったのか?当時はまだ今ほど注目されていなかったのかもしれませんが、ミサには合唱、独唱4人、そしてカップリングされていた「牧歌」でソロを披露してくれています。その歌唱が澄み切った空気を感じさせてくれたので、今ではお気に入りの独唱者として注目しています。 |
冒頭ではオペラには手を出さない、と書きましたが、これだけは別(笑)。というのもジャケットにドーンとコジェナーが映し出されているとおり、全篇でコジェナーの声が楽しめるからです。しかもマクリーシュは、本来はカウンターテナーのパートであるアルトをコジェナーに託し、他3人のソリストも女声なので、私にとってはドビュッシー同様、至福の一枚なのであります。 このオペラ、最初はオルフェウスの物語なのかと思っていましたが(単に作曲家の名前だけで判断すると、グルックのオペラはコレしか知らないし…)、 全く別物の牧歌的作品。なので前編を漂う雰囲気も、どことなく精霊みたいな感触で「声」を楽しんでいます。合唱も神秘的な感じがしますし、人数の少ない重唱にも、女神的な神的な印象が味わえます。こんな作品だから耐えられるのかも(笑)。 |
コジェナーは、バロックモノにも参加していることもあって、室内オーケストラと美声が解け合うハーモニーを堪能できて個人的には非常に嬉しいです。マクリーシュの「マタイ受難曲」や、ゲーベルとの「バッハ・ファミリー」、クイケンとの「カンタータ集」など、神々しい歌声が聴けます。
サイモン・ラトル夫人、ことマグダレナ・コジェナー(雑誌にはスーパーカップルと表現されていましたが、ほっといてくれっ、て感じですね)。 |
サンドリーヌ・ピオー(Sandrine Piau):ソプラノ* グロリア・バンディテッリ(Gloria Banditelli):コントラルト** エウローパ・ガランテ(Europa Galante) ファビオ・ビオンディ(Fabio Biondi) (レビュー) |
Les Kapsber's Girls アリス・デュポール=ペルシエ(Alice du Port-Percier):ソプラノ アクセル・ヴェルネル(Axelle Verner):メゾ・ソプラノ バルバラ・ヒュニンガー(Barbara Hünninger):バス・ド・ヴィオロン アルバーヌ・アンブス(Albane Imbs):リュート、バロック・ギター、音楽監督 |
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