星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

選ばれた乙女/選ばれし乙女
(La Damoiselle élue)
 ここではドビュッシーの女声の趣味が爆発(笑)した作品「選ばれた乙女」を紹介します。オリジナルは管弦楽(1896/1897)ですが、私が初めて聞いたのはフィリップ・カッサールによるピアノ伴奏版。詩はダンテ・ガブリエル・ロセッティ(1828-1882)。長い前奏(3分ぐらい)のあと女声合唱から、私の望む神秘的なカンタータは始まります。



選ばれた乙女/ バーバラ・ヘンドリックス(1979)
 バーバラ・ヘンドリックスは、この時期EMIにミシェル・ベロフの伴奏でドビュッシーの歌曲集路レコーディングしています。今回はパリ管を率いるバレンボイムで。カップリングはドビュッシーの歌曲が管弦楽伴奏に編曲された珍しい選曲。ジャケットはドビュッシーが、この曲のインスピレーションとなったにロセッティの『祝福された乙女』が使われています。良いですね〜




選ばれた乙女/ フレデリカ・フォン・シュターデ(1983)
 この曲を二度レコーディングしている小沢征爾。オケは共にボストン交響楽団。一度目の乙女はアメリカ人歌手のフレデリカ・フォン・シュターデ。私が彼女の歌声を初めて聴いたのは、クラウディオ・アバドがマーラーの交響曲第4番のレコーディングで起用した音源。




 ジャケットはこの詩の作者であるロセッティの手による「アスタルテ・シリアーカ」(1877年)絵画を使っていますが、この「選ばれた乙女」という絵も描いています(このページの一番下)。乙女役のソプラノはマリア・ユーイング。伴奏を務めるのはクラウディオ・アバドとロンドン交響楽団。この二人はドビュッシーの神秘劇『ペレスとメリザンド』でも共演してます。




選ばれた乙女 / ドーン・アップショウ(1993)
 カプリングが女声ヴォカリーズが入る「夜想曲」という魅力的な一枚(他にもう1曲 交響的断章「聖セバスチャンの殉教」が収録されています )。ここでソロをとるドーン・アップショウは、1997年にジェームズ・レヴァインをピアノに向かえ、ドビュッシーの若き歌曲集『ヴァニエ歌曲集』をレコーディングし、若々しい歌声を披露してくれています。私が聞いた順番は逆で、先にヴァニエ、そのあと乙女… だから乙女の方は最初に聴いたドビュッシーより、さらに若々しくグッときました。ここに紹介するアルバム・ジャケットは一番良い(笑)




選ばれた乙女/ アグネス・ヴァルツァー(1996)
 小澤二度目の乙女は、アグネス・ヴァルツァーをソリストに向かえ、カップリングとしてラヴェルの「シェエラザード」をレコーディングしています(前回のカップリングはベルリオーズ)。




 この曲を最初に聞いたのが、このカッサールのピアノによるヴェロニク・ディエッチのソプラノ。サインはドビュッシー・マラソン・コンサートの時にフィリップからもらったもの(交差点で!)




 カッサールはよほどこの曲が好きなんでしょうね!これで2度目の録音。




選ばれた乙女/ ギレーヌ・ジラール(2009)
 若きドビュッシーがローマ大賞に関わる作品ばかりを集めた『ローマ賞のための音楽』と銘打たれたマニアックなアルバム。これを企画したのはフランス・バロック界のエルヴェ・ニケという人。
  「選ばれた乙女」以外も1883年の「闘牛士」、翌1884年の「放蕩息子」、1886/87年の「春」といったカンタータも収録されてます。カッサール以来のピアノ版です。



The Blessed Damozel(祝福された乙女)
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
(Dante Gabriel Rossetti, 1828-1882)

ドビュッシーのページクラシック・インデックス

|home(一番星のなる木)|