インマゼールと同じエラールを弾いていますが、ラスリーは更に古いピアノを用い、バリトンのフェリックスの伴奏で1874年のエラールを弾いています。保存状態がよほどよかったのか、あまり古臭さを感じません。また、レコーディングホールの影響か、残響もほとんどなく、ドビュッシーの書いた音符がコロコロと音を立てているようで、かえって新鮮に聞こえます。
彼のシリーズ(?)のジャケットを見る限り、下記に紹介しているピアノ・アルバムは第1集、第2集とクレジットされていますが、2014年現在、この3枚しかリリースされず、すでに長い歳月が流れてしまいました。
この2枚のアルバムで、ドビュッシーの主要作品はだいたい収録されていますから、まずまずなのかもしれませんが、ちょっと中途半端感があります(ドビュッシー・ファン、古楽ファンとしては)。
ピアノ作品の2枚目では
「前奏曲集」のほかに“レントよりも遅く”が1巻と2巻の間に置かれています。レコーディングの順番でいくと、バリトンのシエリー・フェリックスとの歌曲集が第一弾(アルバムタイトルには第1集とか書いていませんが)、第二弾は『ピアノのために』他、そして第三弾が『前奏曲集』という感じでしょうか。 使用楽器を見ると、歌曲集と前奏曲集のアルバムがエラール1874年製で、第二集が1921年のエラール。作曲家死後に製作されたピアノなので、ドビュッシーが耳にしていない音色、ということになります。 |