星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)



ピアノ:アレッサンドロ・マランゴーニ





 ジョアッキーノ・ロッシーニ(1792-1868)の様々なジャンルを寄せ集め(?)たごった煮の作品集「老いの過ち」あるいは「老いのいたずら」と称される楽曲群。全14巻、およそ200曲に及ぶ膨大な楽曲は、ピアノ独奏、室内楽、声楽といった、作曲生活の中で書き溜めて行った、いわばライフワーク的な作品。全曲の演奏は、恐らく不可能と思えるのですが、レコーディングでは、ピアノ作品だけを集めたもの、は比較的多くレコーディンされています。NAXOSレーベルでは、ピアニストのアレッサンドロ・マランゴーニ(Alessandro Marangoni)を中心として「ピアノ作品全集」の一環として、その全貌をレコーディングするという暴挙、いえ快挙を進行中です。(完成!)



 また、この風変わりな曲集のピアノだけをレコーディング完了したのはレーベルの看板楽器(1901年製のスタインウェイ/Model.100398)を奏しているシュテファン・イルマー(Stefan Irmer)と、同じくピリオド楽器(さらに古いピアノ)を複数台使ったパオロ・ジャコメッティです(一部SACDというのも楽器の響きが生々しく体験できて大変嬉しい)。



ROSSINI PIANO WORKS Vol.1
/ Stefan Irmer
(1901, Steinway, Model.100398)



ROSSINI PIANO WORKS Vol.2
/ Stefan Irmer
(1901, Steinway, Model.100398)



ROSSINI PIANO WORKS Vol.3
/ Stefan Irmer
(1901, Steinway, Model.100398)



ROSSINI PIANO WORKS Vol.4
/ Stefan Irmer
(1901, Steinway, Model.100398)



ROSSINI PIANO WORKS Vol.5
/ Stefan Irmer
(1901, Steinway, Model.100398)



ROSSINI PIANO WORKS Vol.6
/ Stefan Irmer
(1901, Steinway, Model.100398)



ROSSINI PIANO WORKS Vol.7
/ Stefan Irmer
(1901, Steinway, Model.100398)



ROSSINI PIANO WORKS Vol.8
/ Stefan Irmer
(1901, Steinway, Model.100398)



 その他にもパオロ・ジャコメッティはエラールとプレイエルを使い分けてピアノ作品集をレコーディング。その一部はSACDとしてリリースされ、楽器の温もりがより近く感じることができました。単体でのリリース(1998-2006)は、何集かが廃盤となってしまっていますが、全集として再販されているので、手軽に古い音を奏でるロッシーニの作品を気軽に楽しめるようになりました。


ROSSINI Vol.1
Paolo Giacometti
Piano Pleyel(1858)



ROSSINI Vol.2
Paolo Giacometti
Piano Erard(1849)



ROSSINI Vol.3
Paolo Giacometti
Piano Erard(1849)



ROSSINI Vol.4
Paolo Giacometti
Piano Erard(1837)



ROSSINI Vol.5
Paolo Giacometti
Piano Erard(1837)



ROSSINI Vol.6
Paolo Giacometti
Piano Erard(1858)



ROSSINI Vol.7
Paolo Giacometti
Piano Pleyel(1858)



ROSSINI VOL.8
Paolo Giacometti
Piano Pleyel(1858)



ROSSINI COMPLETE WORKS FOR PIANO
Paolo Giacometti
Piano Erard, Piano Pleyel

 




 以下、古楽ファンの私にとっては嬉しいオリジナルのピアノを奏してレコーディングしたディスクの数々…(しかも、ロッシーニ本人が所有していたというピアノで!)。

ROSSINI ON ROSSINI'S PLEYEL
Flavio Ponzi
Pleyel(1846)




GIOACCHINO ROSSINI, Preludes for Piano
Laura Alvini
Pleyel(1844)


 バロックの古楽奏者としていられていたLaura Alviniが、ロッシーニが所有していたというピアノを奏してレコーディングしてくれました。先のFlavio Ponziと異なるプレイエル(ロッシーニはプレイエル好き)というところがミソ… 両者とも抜粋というのが悔やまれますが、それだけ長いこと弾くに耐えないのかもしれないなと、言い聞かせています(笑)



弦楽のためのソナタ


BIS; BISSA2317

BIS; BISSA2318

ロッシーニ:6つの弦楽のためのソナタ
ホフマイスター:弦楽四重奏曲

Minna Pensola; Violin
Antti Tikkanen ; Violin, Viola
Tuomas Lehto; Cello
Niek de Groot; Contrabass


 自分の好きな作曲家ばかり聞いていた頃、たまたま手にしたロッシーニの弦楽ためのソナタ集のジャケットが気に入って借りてきたのがきっかけて、この曲の虜になってしまいました(笑)。弦楽のための、そしてまたカップリングがホフマイスターの弦楽四重奏曲ということで、名前から察すると「ただの弦楽四重奏のことじゃないの?」と思っていたら、編成が変わり種で、通常ならヴァイオリン2、ヴィオラ1、そしてチェロ1が標準編成のところ、作曲者の若書き(振動モーツァルトがよく引き合いに出されたとか)の編成は、怖いもの知らずのチェロの代わりにコントラバスという超低音弦楽器と取り替えています。そのおかげで独特の響きであり、メロディメーカーらしい歌心に満ち溢れた音楽を聞かせてくれます。

 比較的レコーディングも多く、よりどりみどり的な選択ができるのですが、個人的な決定打としては、ピリオド楽器により、SACDでフォーマットされたこのディスクを星空のお供に持ち出しています。明るい曲調が多いので、静かな星空のB.G.M.というよりは、星座神話とか天文史、音楽史など様々なシーンの情景を星空の間に探す道標としての案内役として聞いています。

 ちなみにカップリングされたホフマイスターの弦楽四重奏曲の編成も変わっており、4挺とも異なる音域の楽器なので、SACDでその音域の妙を味わう楽しみもあります。




小ミサ・ソレムニス


サンドリーヌ・ピオー:ソプラノ
ホセ・マリア・ロ・モナコ:アルト
エドガルド・ロチャ:テノール
クリスティアン・セン:バス
ギスリエーリ合唱団

Francesco Corti; Piano, Érard1838, No.14231
Cristiano Gaudio; Piano, Pleyel et Cie,1856 , No.23635
Deniel Perer; Harmonium, Alexandre1890
ジューリオ・プランディ


 先の『老いの過ち』に引っ掛けてなのか、この作曲にあたり「神よ、これは老人の最後の大罪です。ここに貧しい小さなミサ曲を書き終えました。私は聖なる音楽を書いたのか、呪わしい音楽を書いたのでしょうか…」とコメントを残しているそうです。これは晩年の1863年の作曲。12名の声楽、2台のピアノとハルもニウムが伴奏をつとめる、名前のとおり小さな編成で、比較的小さな教会でも演奏可能なのでしょう。ただし、編成は小さいものの、曲の規模は大きく、演奏によっては1時間30分を超えるようです。

 それはともかく、これまで多いとはいえないまでも、ピリオド楽器を使用した演奏もレコーディングされるようになり、ファンとしては宗教心はないものの、ロッシーニが存命中に制作された2台のピアノの音に耳を傾けながら、星空の彼方に想いを馳せるには恰好のアルバム(音)となっています。


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