星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)



おとめ座
太陽はおとめ座を2023/09/17~2023/11/01に掛けて運行する
(黄道星座中最大の星座のため運行期間も長い)

20時南中:6月7日

 うしかい座のアルクトゥルスと合わせて“春の夫婦星”と形容される純白の真珠のような輝きを持つ1等星スピカを配しながらも、南中しても広い範囲に散らばる微星をたどっていく必要があるため、市街地などの明るい空の下ではその全容を伺い知ることが難しい星座の一つです。それでも、天空に架かる「春の大曲線」が見つけられれば、南の空に比較的おおざっぱな姿を想像できるかもしれません。

 まず、北の空の北斗七星の弓なりのカーブを南にずっと伸ばしてゆくと、途中麦星アルクトゥルスの穏やかな輝きを経てスピカに辿り着くことができます。これが春の大曲線です。

 この星座はスピカ以外は3等星が3つあるだけで、あとはそれ以下の星ばかりです。さらに広大な面積を占めているために、みずがめ座同様なかなか乙女の姿が浮かび上がってきません。しかし黄道十二宮の6番目に位置してるだけに、古代から重要視されてきた星座です。乙女というだけあって、そのモデルになった人物は地域によってバラバラで正義の女神アストレアだったり、農業の女神デメテル、その娘ペルセポネー、ナイルの女神イシス、エーリゴネなど、じつに多くの女神や女性がその候補になっています。

 

 1等星スピカはラテン語の「麦の穂先」という意味で、古星座の絵姿では1本の麦の穂先に輝く星として描かれています。また、スピカの「spic-」や「spik-」という語幹は“とげとげしたもの”という意味で、もちろん麦の穂先にも当てはまりますが、靴のスパイクや線路の枕木を止める犬釘(スパイク)の語源でもあります。スピカまでの距離は270光年、0.98等です。

 






(カーソルをのせると星座線、星名が表示されます)



春の夫婦星
(2022年2月4日 02h46m)
 
 うしかい座のアルクトゥルスと合わせて“春の夫婦星”と形容される純白の真珠のような輝きを持つ1等星スピカを配しながらも、南の空低く掛かっているので、市街地などの明るい空の下ではその全容を伺い知ることができません。ただ、春の大曲線を利用すれば、比較的おおざっぱな姿を見ることができます。

(カーソルをのせると星座線、星名が表示されます)


春の大曲線
(2022年5月3日 23h45m)
 
 うしかい座のアルクトゥルスと合わせて“春の夫婦星”と形容される純白の真珠のような輝きを持つ1等星スピカを配しながらも、南の空低く掛かっているので、市街地などの明るい空の下ではその全容を伺い知ることができません。ただ、春の大曲線を利用すれば、比較的おおざっぱな姿を見ることができます。



(カーソルをのせると星座線、星名が表示されます)



~ 参考書 ~
透視版星座アルバム(藤井旭)
星座の神話(原恵)
星座の起源(近藤二郎)

★星座の結び方、絵図は藤井旭著『透視版 星座アルバム』を参考にしています。

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