ウィンダム・ヒルが日本で最初に紹介されたのは、本国でのリリースから遅れること4年、1980年に入ってから。当時はワーナー・パイオニア傘下のアルファ・レコードから販売されていました。
真っ白いキャンバスに一枚の風景写真というシンプルなデザイン。それがレーベルのポリシーだったので、日本の伝統である帯が問題となりました。帯をつけない方がジャケット本来の美しさを味わいつつ、ジャケットの視界も遮ることなく音楽に集中できるのではないでしょうか? しかし、担当者の下した決定は、これまで通り帯をつけつつも、ジャケットの美しさを生かしたデザインでした(さすがは日本人の感性)。
すなわちジャケットの写真が透けてみえる透かし帯(トレーシングペーパー)。この帯はレーベルの雰囲気や、ジャケットの美しさを壊すどころかウィンダム・ヒルのイメージを決定付け、彼らの音楽を文字とキャッチコピーでも連想させるものでした。この帯こそが、日本でのウィンダム・ヒル・ブームに火をつけたと言っても過言ではないでしょう。
日本でのリリースから僅か6年足らずで、ワーナーはキャニオン・レコードに版権が移り、以降のリリースはキャニオンに託されました。その際の帯のデザインも踏襲されましたが、微妙にデザインやフォントを変更しています。同じ明朝体を使用していますが、アルファ盤はやや長体でゆったりとした雰囲気を感じさせますが、キャニオン盤は横長に変更しています。 |