星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

役に立たないレビュー「ニーベルングの指輪」篇

 2016年にリリースされたショルティとカルショウの制作によるワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』が、なんとブルーレイ1枚に収まってしまいました。私の高音質への傾向は、最近になってからなので、エソテリックから限定でリリースされたSACDボックスセットなど、リリース後にその存在を知ったぐらいですから、BDとはいえ高音質で(何より手軽に)聴くことができると相まって、聴き通す自信はないものの、レコード芸術の最高峰としてのパッケージをなんとしてもクリア(最後まで辛抱して聴くという意味…)したいという欲望から、今回のBD盤の購入に踏み切ったのでした。

 このディスクはCD14枚分のセットのおまけとして、ボーナスディスク的な扱いをされていたので、とりあえずはスルーしていたのですが、いよいよ単発でリリースされることになり、それならばと購入することに…

  しかし、まだ取っ掛かりをつかめず自分の好きなところだけをチョイスして聞いている程度なのです。  

  そんな状況なのになのに、今度はいろいろな意味でショルティの対抗馬(?)となっている カラヤン/ベルリン・フィルの『ニーベルングの指輪』ブルーレイが、これまた1枚に収まってリリースされ、ショルティ盤もまだクリアしていないのに、カラヤン盤まで購入してしまいました。上の写真にあるように、持っているだけでなんか満足してしまいそうなパッケージですね(戦略かなぁ?)。

 さらにさらに、2017年暮れにはステレオ・サウンドからショルティのSACDが除幕(ラインの黄金)から3ヶ月おきにSACD化される(3月:ワルキューレ~ 6月:ジークフリート~ 9月:神々の黄昏)というニュースを読み、即予約。クリスマスの日に届いたのでした。

  こちらは国内盤なので、歌詞カードや解説が付属。以前はこの楽劇を聴くために図書館とかで、この楽劇のテキスト(解説本)などを借りるつもりでしたが、何も必要はなくなったかなと密かに喜んでいます。

  現存するこの楽劇のレコードとして、 この両者のレコードは唯一のスタジオ録音盤だとのこと(それ以外は制作の費用面からも、オペラなどはライヴ録りが基本のようです)。
  そしてベルリン・フィルとウィーン・フィルという関係。 じっくり耳を傾けたとき どんな感じを受け取るか楽しみです。





 
 ワーグナー初体験は、ショルティの♪ワルキューレの騎行でした。たしかロンドン・キング・レコードんこ企画で、45回転レコードという音質にこだわったオーディオファイル向けのシリーズの1枚で、たぶん映画に使われた曲を選曲したんだろうと思います(地獄の黙示録と2001年宇宙の旅)。反対側(つまりB面)は♪ツァラトゥストラはかく語りき(冒頭のみ)でした。その迫力たるや。今でもこの曲、ひいては『ニーベルングの指輪』の一番の名演は、このショルティとカルショウのセットだと思います。

 (いちおう、掛け流しでバレンボイムとティレーマンのセットは聴いたことあるんですが)

あれから40年近く…

 まさか全曲盤を手にすることになるとは思っても見ませんでしたが、しかもそれがたった1枚のディスクに収まっていると言う事実。
 
数ある『ニーベルングの指輪』のレコードの中で、ショルティとカラヤンのレコーディングが、唯一のスタジオセッションだったということは、最近まで知りませんでした。しかも、その両セットを持っているというなんという贅沢さ!(笑)

  でも、これだけの作品ですから、ライヴにありがちな幕間の咳払いとかの雑音、演奏上でのミスなどは(ほぼ)ないはずですから、音楽に集中できるというもんです!
 
 そして2017年暮れから始まったステレオ・サウンドのシリーズの解説を読むと、それまで世に出ていたマスターを用いるのではなく、緊急用のセカンド・マスターといわれる、今まで世に出たことがないと言うテープを使ってのSACD化。そんな情報を胸にディスクを再生すると、それだけで気分が変わってしまう(プラシーボ?)のですが、BDよりも「聴いている」感が強いのは解説書などのせいでしょうか?
 
 第2夜が届きました。一番楽しみなのは♪ワルキューレの騎行です(Disk3の1曲目!)。期待を胸に聞いてみましたが、「う〜ん… テープの劣化なのかなぁ…」と思わせるようなダメージ感が(とてもモノラル感)。ということは、今まで聴いていた音源は、見事に現代的に修復されていたことなんでしょう。ひどくレトロな感じがしたのも正直なところですが、私のように「星空の彼方から聞こえてくる天界の音楽」的な要素を求める向きには、歴史的音源を聴く感じがして良いかもです。ただし、音質のみを追求するようなリスナーには、このディスクよりはエソテリック、もしくはBDの方が向いているかもしれません。あくまでも♪ワルキューレの騎行だけの感想ですが…

  このパッケージはLPサイズなので場所は取りますが、もともとレコードを愛聴(ええ、今も時々は)していたから、飾り棚などはあるので、飾って眺めて楽しんでいます。

 

 リリース予定通り、序夜(12月)、第1夜(3月)に続き、第2夜(6月)が届きました。留守にしがちなので発送よりも送れて手にしていますが、「果報は寝て待て」というか、今回も期待に違わぬパッケージで、明けるのが楽しみ(儀式)でした。そして、まだ聞き終えていないうちから最終夜『神々の黄昏』のリリースがアナウンスされてしまいました(笑)
01. 楽劇《ラインの黄金》第4場:神々のヴァルハラヘの入城
02.楽劇《ヴァルキューレ》第3幕 第1場:ヴァルキューレの騎行
03.楽劇《ジークフリート》第2幕:森のささやき
04.楽劇《神々のたそがれ〉序幕:ジークフリートのラインへの旅
05.楽劇《神々のたそがれ》第3幕 第1場:ラインの乙女たちの歌
06. 楽劇《神々のたそがれ》第3幕 第2場:ジークフリートの葬送行進曲
07.ジークフリート牧歌
 2021年3月にハイライト版がリリースされました(オリジナルは1969年に海外で編まれたもの)。そしてジークフリート牧歌も、その時に初出(私はブルックナーとのカップリングがオリジナルだと思っていましたが、こちらが最初のようです)。




01. 楽劇《ラインの黄金》第4場:おうい! おうい! ここへ来い、雲よ!
02. 楽劇《ラインの黄金》第4場:夕べの空は陽に映えて
03. 楽劇《ラインの黄金》第4場:ラインの黄金!

04.楽劇《ヴァルキューレ》第3幕:ヴァルキューレの騎行
05.楽劇《ヴァルキューレ》第3幕:ヴォータンの別れ
06.楽劇《ヴァルキューレ》第3幕:神たるわしよりもさらに自由なる者が彼女を花嫁にするのだ!
07.楽劇《ヴァルキューレ》第3幕:魔の炎の音楽

08.楽劇《ジークフリート》第1幕:鍛冶屋の歌
09.楽劇《ジークフリート》第2幕:俺のお母さん、人間の女!
10.楽劇《ジークフリート》第2幕:ジークフリートの角笛

11.楽劇《神々のたそがれ〉第3幕:ジークフリートの葬送行進曲
12.楽劇《神々のたそがれ》第3幕:ラインの岸辺に、大いなる薪を
13. 楽劇《神々のたそがれ》第3幕:ブリュンヒルデの自己犠牲
14. 劇《神々のたそがれ》第3幕:からすたちよ、飛んで行け!


 2022年10月から「ゲオルグ・ショルティの生誕110周年・没後25周年を記念した大プロジェクト」と銘打て、ユニバーサルからもSACD化されます。すでにステレオサウンド社のSACDは所有しているので、食指は伸びませんが、ハイライトの収録曲目が異なるので、こちらは要チェックです。なんでこんなジャケットになったのかわかりませんが…



このページは、
元http://www.catv296.ne.jp/~tupichan/Review_Wagner.html

および

http://tupichan.net/Classical/RichardWagner.htmlのページです。

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