星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)


黄道12宮(♈) 20時南中:12月25日

 おひつじ座は、古代ギリシアにおいて神へのいけにえとして捧げられる神聖な家畜として、もっとも身近な動物(存在)でした。そのため感謝の意を込めて黄道十二宮では、おひつじ座に対応する白羊宮の第1番目に挙げられたと言われています。

 黄道十二宮は天球をぐるりと1周する太陽の通り道360度を12に分割(30度×12=360度)。その一つずつの領域を「宮」といいます。幅は黄道を中心とした南北に8もしくは9度の16度、もしくは18度の幅を持つとされた仮想の領域です。おひつじ座に対応する白羊宮は黄経0度から30度まで。二十四節気では春分点から穀雨あたりまでとなります。

 


(カーソルをのせると星座線、星名が表示されます)



(2018年1月13日 21h36m)


黄道星座(おひつじ座は黄道十二宮)のため
惑星の通り道になっています。
(2020年11月11日 19h31m)



 おひつじ座に関連する芸術作品としての探し方は、羊に名前が付けられていないので、ギリシア神話の登場人物が活躍する作品から検索することができます。たとえばギリシア神話に限らず、古代ギリシアでは、羊は神へ生け贄として捧げられることが多いのですが、星座に挙げられたおひつじ座は、金毛の生えた神聖な羊として描かれるイアソンの物語の重要なアイテムとして登場します。残念なことに、生きた状態で描かれることはほとんど無く、大抵の場合は神殿に祀られていたり、ヘスペリデスの果てにある大木にかかっている毛皮の状態ばかりです…。しかし、生け贄に捧げられるほどの神聖な動物ではありましたが、なぜ金色の毛となって描かれたのか疑問が残ります。昔、黒海のあたりでは、川に流れる砂金を、羊の毛皮で受け止め集める方法がとられており、羊の毛に砂金がいっぱいついて金色に輝いて見えということが、その正体らしいです。
  異説の多いギリシア神話の中では唯一、生きている姿で描かれているのは、空を飛ぶことの出来る金毛の羊の伝説が挙げられます。その関連では、のちにエウリピデスが書いた悲劇『メディア』へと発展します。

「毛皮」の姿で登場する神話としては、アルゴ座、ヘルクレス、りゅう座と関連があり、「空飛ぶ羊」が活躍する金毛の羊は、ほとんどの場合が、おひつじ座そのものに帰せられているようです。

 
文学『アルゴナウティカ』アポロニウス(B.C.3頃-B.C.246頃)
映画『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)、『アルゴノーツ』(2000)
絵画『プリクソスとヘレー』『アイソン』(モロー)
音楽(黄道十二宮をテーマとした作品が多数作曲されています。そのものズバリのおひつじ座も)



明け方が近い夏の東天に姿を見せるおひつじ座
なんとなく薄明に晒されている感じがします(日の出は04h36m)。
(2023年7月17日 03h17m)

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