私がサティに目を向けさせるきっかけを作ったのは、2015年2月2日に89歳で亡くなったアルド・チッコリーニのEMIにレコーディングした最初の全集(1971年)でした。
 まだ中学生にもかかわらず、うん万円もする全集をよく買えたものだと思いますが、じっくりと大切に、一枚一枚聴いた思い出があります。暫くして、今度はデジタル録音のボックスがリリースされるというニュースを入手し、発売日にレコード屋に行ったことを懐かしく思い出します。

ピアノ作品全集/アルド・チッコリーニ
Disk1 ;初期と最晩年の作品
Disk2 ;神秘主義的な作品
Disk3 ;エチュード
Disk4 ;夢想家の作品
Disk5 ;舞踏のための音楽

録音;1983年11月〜1986年4月

Disk1 ;初期と最晩年の作品

アレグロ(1884)/ワルツ=バレエ(1887?)/幻想曲=ワルツ(1887?)/3つのサラバンド(1887)/3つのジムのペディ(1888)/若い令嬢のためにノルマンの騎士によって催された祝宴(1888?)/梨の形をした3つの小品(1903)/3つの夜想曲(1919)/第4と第5の夜想曲(1919)/*3つの組み立てられた小品(1920)/第1のメヌエット(1920)/最後から2番目の思想(1915)

*ピアノ;アルド・チッコリーニ&ガブリエル・タッキーノ

Disk2 ;神秘主義的な作品

オジーヴ(1888?)/最初の思想・バラ十字会(1891)/バラ十字会の鐘(1891)/《星の息子》への前奏曲(1892)/ナザレ人の前奏曲(1892?)/エジナールの前奏曲(1892?)/ゴチック舞曲(わが魂の大いなる静けさと堅固な平安のための九日間の祈祷。崇拝と聖歌隊的協賛)(1893)/ 《天国の英雄的な門》 への前奏曲(1894)/祈り(1895?)/ヴェクサシオン(部分)(1893-1895?)/貧しき者の夢想(1900?)/世俗的で豪華な唱句(1900)

Disk3 ;エチュード

愛撫(1897)/ゆがんだ踊り(1897)/悲しい道化師の小曲(1900)/夢見る魚(1901)/スケッチとクロッキーの手帖(1897-1914)/モンマルトルの素描とスケッチ/1906-1913年の6つの小品/パッサカリア(1906)/あやなすプレリュード(1906)/心にふれる秘密の音楽(1906-1908)/12のコラール(1906-1908)/2つの夜の夢(1910-1911?)/*不愉快な概要(1908-1912)/*馬の装具で(1911)

*ピアノ;アルド・チッコリーニ&ガブリエル・タッキーノ

Disk4 ;夢想家の作品

新・冷たい小品集(1907)/犬のための、ぶよぶよした前奏曲(1912)/犬のための本当にぶよぶよした前奏曲(1912)/自己記述(1913)/ひからびた胎児(1913)/でぶっちょ木製人形へのスケッチとからかい(1913)/あらゆる意味で、でっちあげられた数章(1913)/古い金貨と古いよろい(1913)/官僚的なソナチネ(1917)/童話音楽のメニュー(1913)/絵のような子供らしさ(1913)/うるさいいたずら(1913)/新・3つの童話音楽(1913)/スポーツと気晴らし(1914)/世紀毎の時間と瞬間的な時間(1914)/嫌らしい気取り屋の3つの高雅なワルツ(1914)

Disk5 ;舞踏のための音楽

グノシェンヌ(1889-1893)/冷たい小品集(1912)/びっくり箱(1899)/舞踏への小序曲(1900)/あんたが欲しい(1897-1904)/金の粉(1902)/ピカデリー(1904-1907)/《メデゥーサの罠》のための7つの小舞曲(1913)/操り人形は踊っている(1913)/*風変わりな美女(1920)

*ピアノ;アルド・チッコリーニ&ガブリエル・タッキーノ


Disk1 ;初期の作品とその他の作品

Disk2 ;若い頃の作品、ばら十字教団、
Disk2Diカフェコンセールとミュージックホールの作品

Disk3 ;スコラ・カントルムの課題曲、
Disk2Di子供のための作品、晩年の作品、映画音楽

Disk4 ;気まぐれな作品

Disk5 ;劇上演用音楽

録音;2001年12月〜2002年9月

 アメリカ在住のフランス人ピアニスト。「ピアノの貴公子」とも呼ばれているんだそうですけど、ドビュッシーを聞いた限りでは音の作り方が私の好みとは掛け離れた残響の中に音が埋もれてしまい、手にすることはなかったのですが、このサティは5枚セットで、曲目はチッコリーニ盤よりも多く、はじめて聞く曲が含まれていました。これは手にするしかないでしょう?(笑) しかも聴けばチッコリーニ盤(というよりもEMI盤と表現すべきか?)よりも音に芯があって、ふくよかな楽器の音、という感じがします。ただちょっと「白い音楽」というサティ独特の世界とは掛け離れてしまっていますが。ここまでまとめてくれているならば、4手および連弾や、器楽奏者とのやり取りもレコーディングして欲しかった。


01.梨の形をした3つの小品*
02.バレエ「バラード」*
03.「3つのサラバンド」第3番
04.風変わりな美女*
05.不愉快な概要*
06.快い絶望

07.うつろな夢
08.馬の装具で*
09.組み立てられた3つの小品*
10.左右に見えるもの(Vn:シャンタル・ジュイエ)

録音;1996年9〜10月

 

 洋楽の世界ではよく見かけるレーベルを越えた共演はありますが、ここではデッカのパスカル・ロジェがEMI専属アーティストである先輩のジャン・フィリップ・コラール*を迎えてサティの4手のピアノ作品をレコーディングしてくれました。コラールといえばベロフが連弾相手として名が浮かぶのですが、まさかレーベルを越えてまでの共演は嬉しくなります(1995年にはプーランクで共演)。そして、ヴァイオリンとのデュオも1曲あり。これで、ロジェのサティ・プロジェクトはアルバム4枚を数えますが、現在、同レーベルからの続きはありません。2008年に吉松隆の曲を交えた『CRYSTAL DREAM』をレコーディングしています。



もどるhome