星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

 ソプラノのベロニク・ディエッシを迎えての歌曲集は、本国フランスではレコード大賞を受賞したアルバムで「非常にファンタスティックなアルバムだ」と、マネージャーが絶賛してくれていたにもかかわらず 「日本では未発売です」と答えると残念そうな表情を浮かべていました。

 私にとっての収穫は、『選ばれた乙女』のピアノ版。これは世界初録音で、オーケストラがシンプルなピアノで伴奏され、オリジナル通り女性コーラスもそのまま加わり、とても神秘的な響きを持っています。
上のモノクロジャケットは、ボックス仕様として、下の2枚のアルバムが入っていますが、当初は単品で発売されていました。残念なことにここで弾かれているピアノはベヒシュタインではなくスタインウェイです(声楽伴奏の場合は、個楽器だとピッチの問題が絡むらしい)。
   

忘れられたアリエッタ(1885-1887)

やるせない夢心地/巷に雨の降るごとく/木立ちの影
木馬/水彩画-グリーン/水彩画-スプリーン
ボードレールの5つの詩(1887-1889)
バルコニー/夕べの階調/噴水/内省/愛しあう2人の死
ジャヌ(1881)
カプリス(1880)
みやびな宴 第1集(1891)
ひそやかに/あやつり人形/月の光
(1993年録音)
ビリティスの3つの歌(1897〜1898)
パンの笛/髪/ナイアードの墓
ロマンス(1891)
ロマンス/鐘
まぼろし(1884)
ステファン・マラルメの3つの詩(1913)
ためいき/むなしい願い/扇
星の輝く夜(1880)
感傷的な風景(言うに言われぬ静けさ)(1883)
選ばれた乙女(1887)

(1994年録音)

  ジャケットのサインは、ベロニクのものではなく、フィリップのサイン。
   




・星の輝く夜に
「ヴァニエ歌曲集」
パントマイム/月の光/声をひそめて/アリエルのロマンス/後悔/死後のなまめかしさ
・ピエロ
・現れ
・艶なる宴
「2つのロマンス」I. ロマンス/II. 鐘
・中国風のロンデル
・波、棕櫚、砂
・水に落ちた水夫☆
・弓☆
・ロマンス☆
・エルフ達☆
・カンタータ:選ばれた乙女
(2011年録音)

 カッサールから「ぜひデセイの声で」という申し込みがあってレコーディングされた歌曲集。世界初録音☆を含むファンにとっては興味深い一枚です。今回も「選ばれた乙女」のピアノ伴奏版がレコーディングされました。 
 1曲目の「星の輝く夜に」はちょっと無理があるような歌い方ですが、全体的にドビュッシーが好んだ「ソプラノ」が十分に楽しめるアルバムです。今回も「選ばれた乙女」をピアノ伴奏で収録していますが、カッサールがよほど好きなんでしょう(私も好きです)。ピアノ版はカッサール以外聴いたことがありません。このアルバムは主役がデセイだからなのか、デセイの契約しているVirginからリリースです。



ドビュッシーの世界

マラソン・コンサートのパンフよりフィリップ・カッサールのドビュッシー

ドビュッシーのピリオド演奏

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