ジョン・ケージの音楽にたどり着いた時、とうとうここまで来たか(笑)… と感慨深く、そして「結構いけるじゃん」と意外な音響に心躍りました。これに関しては自分でも意外に思いました。 そして、調べていくと「夜想曲」を書き、「偶然」という発想をきっかけに、南天星図、北天星図、全天星図と、まさに天球の音楽を完成していたのです。 これまでの作曲家は、星空から受けたインスピレーションを音楽という道具を使って「天球の音楽」を表現していましたが、ケージの場合はまったく異なり、地上から見上げた星空(星図)の姿を譜面に書き写し「天球の音楽」を表現してくれたわけです。 |
夜想曲(Nocturne) Gilbert Kalish & Paul Zukofsky |
(1947作曲) |
(1961/62作曲) そして星のソムリエとして気になってくるのがジャケットに使われている領域です。この領域が、この曲と関連があるのなら、黄道付近であることは間違いなく。そこから推測して、星図に記載されている星番とギリシア文字(α、β、γ…)の位置から読み取ると、へびつかい座(Oph)が浮上してきました。 |
私がこの曲に出会ったのは日比谷で行った星のソムリエでの講座「天界の音楽」のネタ集めの時。ピタゴラスの天球の音楽に始まって、現代にいたるまでの天文学史と音楽史を絡めた講座を行った時です。その時にご一緒したピアニストMikaさんには、自作を演奏していただきました。 |
南天のエチュードの姉妹作品のような「北天のエチュード」は、ピアノもしくはチェロのソロ。またはピアノとチェロという組みあわせで、4つのパートに分かれています。残念ながら、現在レコーディングされているのは、このアルバムに収められた2つのパートのみ。
さて、このジャケットに使われている星図はどこかといえば、これは簡単でした。ジャケットに大きく張られた丸いシール(John Cageとクレジットされている)がオリオン座。 |
南天のエチュード、北天のエチュードと続いたシリーズに、全天のエチュードが加わりました。作曲はポール・ズーコフスキーによる依頼で、2回に分けられて第1巻、第2巻が1977-80、第3巻、第4巻が1989-90。超絶技巧というのか、曲芸まがいの演奏の無伴奏ヴァイオリンソロ。 |
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