星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)



マクロコスモス
(Makrokosmos)

マクロコスモス I(1972)
アンプリファイド・ピアノのための黄道十二宮にちなむ12の幻想曲集

第1部
1. 太古の響き(創世 I)「巨蟹宮」
2. プロテウス「双魚宮」
3. 牧歌(紀元前1万年頃のアトランティス王国から)「金牛宮」
4. 十字架上のキリスト「磨羯宮」

第2部
5. 幽霊ゴンドラの船頭「天蝎宮」
6. 夜の呪文 I「人馬宮」
7. 影の音楽(エオリアンハープのための)「天秤宮」
8. 無限からなる魔法の円環(無窮動)「獅子宮」

第3部
9. 時の深淵「処女宮」
10. 春の炎「白羊宮」
11. 夢の映像(愛/死の音楽)「双児宮」
12. 螺旋の銀河「宝瓶宮」



マクロコスモス II (1973)
アンプリファイド・ピアノのための黄道十二宮にちなむ12の幻想曲集

第1部
13. 朝の音楽(創世 II)「巨蟹宮」
14. 神秘のコード「人馬宮」
15. 雨/死の変奏曲「双魚宮」
16. 双子の太陽(永遠からのドッペルゲンガー)「双児宮」

第2部
17. 幽霊の夜想曲:ストーンヘンジのドルイド僧のための(夜の呪文 II)「処女宮」
18. ガーゴイル「金牛宮」
19. トラ!トラ!トラ!(黙示録的カデンツァ)「天蝎宮」
20. ノストラダムスの予言「白羊宮」

第3部
21. 宇宙の風「天秤宮」
22. "北の冠座"からの声「宝瓶宮」
23. 銀河の鐘の連祷「獅子宮」
24. アグヌス・デイ「山羊座」


夏の夜の音楽(マクロコスモス III)(1974)
2台のアンプリファイド・ピアノと打楽器のための

1. 夜の響き(目醒め)
2. さすらい人幻想曲
3. 降臨
4. 神話
5. 星降る夜の音楽



夏の夜の音楽(マクロコスモス IV)(1979)
2台のアンプリファイド・ピアノと打楽器のための

天空の力学(1979)

1. ケンタウルス座アルファ星(アルファ・ケンタウリ)
2. はくちょう座ベー タ星(アルビレオ)
3. りゅう座ガンマ星(エルタニン)
4. オリオン座デルタ星(ミンタカ)


 現代音楽の中にあって、難曲中の難曲と言われる「マクロコスモス」。ピアノを打楽器として使うことも想定し、ピアノ内部にも異物を挟み込む「プリペアド」という奏法で表現する大曲。その性格のため、なかなか演奏される機会がありませんが、2019年に日本人の清水美子のCDがリリースされ、ちょっとした話題にはなりました。しかし、それでも全曲というわけにはいかず、とりあえず2019年現在では、ドイツのベルリン・ピアのパーカッションというユニットのCDが2011年に全4部作をレコーディングしてくれたアルバムが、その全貌が明らかにしてくれています。ライヴレコーディングで、最期には観客の拍手が入りますが、なんとなく困惑したような、躊躇しているような拍手まで収録されています(なんか逆効果?)

 曲目には思いっきり惹かれるのですが、いざ聴いてみるとオカルト映画のB.G.M.なみのおどろおどろしさもあり、実際にこれを流しながら眺めてみる勇気はありません(笑)

夜想曲/ ジョージ・クラム
(Nocturnes/ George Crumb)
 1964年にヴァイオリンとピアノのために書かれた4つの夜想曲。「夜の音楽 II」という副題を持っているので、夜想曲ファンとしてはワクワクしてしまうのですが、実際は現代音楽である、ということを肝に銘じて聴かないと見事に裏切られてしまいます。

 この曲は楽器の様々な音色を追及するというクラムの個性が現れ(まぁ、いわゆる現代音楽なので無調音楽です)、ヴァイオリンにしてもピアノにしても、正統的に音を出すばかりではなく、楽器のフレームを素手で叩いたり、ワイヤーブラシでこすったり、(ピアノの弦を)弾いたり… さまざまな方法で音を紡ぎだしていきます。

 初演は作曲された翌年クラムのピアノ(対等に演奏するので伴奏ではない)、ポール・ズコフスキーのヴァイオリンで1965年に行われました。


I: Serenamente
II: Scorrevole, vivace possibile
III: Contemplativo
IV: Con un sentimento di nostalgia

クラシック・インデックス作曲家のページ

星の音楽、宇宙の響き

宇宙と音楽(天文学史と音楽史)

home(一番星のなる木)