マクロコスモス I(1972) 夏の夜の音楽(マクロコスモス III)(1974) |
現代音楽の中にあって、難曲中の難曲と言われる「マクロコスモス」。ピアノを打楽器として使うことも想定し、ピアノ内部にも異物を挟み込む「プリペアド」という奏法で表現する大曲。その性格のため、なかなか演奏される機会がありませんが、2019年に日本人の清水美子のCDがリリースされ、ちょっとした話題にはなりました。しかし、それでも全曲というわけにはいかず、とりあえず2019年現在では、ドイツのベルリン・ピアのパーカッションというユニットのCDが2011年に全4部作をレコーディングしてくれたアルバムが、その全貌が明らかにしてくれています。ライヴレコーディングで、最期には観客の拍手が入りますが、なんとなく困惑したような、躊躇しているような拍手まで収録されています(なんか逆効果?) 曲目には思いっきり惹かれるのですが、いざ聴いてみるとオカルト映画のB.G.M.なみのおどろおどろしさもあり、実際にこれを流しながら眺めてみる勇気はありません(笑) |
夜想曲/ ジョージ・クラム (Nocturnes/ George Crumb) |
1964年にヴァイオリンとピアノのために書かれた4つの夜想曲。「夜の音楽 II」という副題を持っているので、夜想曲ファンとしてはワクワクしてしまうのですが、実際は現代音楽である、ということを肝に銘じて聴かないと見事に裏切られてしまいます。 この曲は楽器の様々な音色を追及するというクラムの個性が現れ(まぁ、いわゆる現代音楽なので無調音楽です)、ヴァイオリンにしてもピアノにしても、正統的に音を出すばかりではなく、楽器のフレームを素手で叩いたり、ワイヤーブラシでこすったり、(ピアノの弦を)弾いたり… さまざまな方法で音を紡ぎだしていきます。 初演は作曲された翌年クラムのピアノ(対等に演奏するので伴奏ではない)、ポール・ズコフスキーのヴァイオリンで1965年に行われました。 |
I: Serenamente |
II: Scorrevole, vivace possibile |
III: Contemplativo |
IV: Con un sentimento di nostalgia |