ブラジルの作曲家アルメイダ・プラド(Almeida Prado)のカルタス・セレステス。ナディア・ブーランジェとオリヴィエ・メシアンに師事したというインフォメーション以外、これといった情報もないのですが、メシアンが好んで使いそうなピアノの響きを受け継いでいるような感じです(そういえばメシアンも天体に関する曲を幾つか書いてました)。 天体の図象と言う意味を持つ18の曲集。おそらく星図のコトじゃないかと思います。曲目を見ると星座の名前が各章に見受けられます。基本はピアノソロですが、第7番、8番、11番はアンサンブルのための作品で、ここで紹介するアルバムには収録されていません。ここで紹介するGRAND PIANOというレーベルにレコーディングされたのは、ピアノ独奏のための作品15曲。ピアノソロによる楽曲をレコーディングしてくれたのはAleyson Scopelです。各ディスクの邦題は、私が勝手に付けたもので公式に発表されているものではありませんが、極力最新の情報を入れこんでみました。 どの曲も現代音楽の範疇に収まるもので、私が「口を酸っぱく」して何度も書くように、実際の星空を眺めながら穏やかに流れている曲とはほど遠いものばかり(決してそればかりとは言えない)なので、個人的には、そうした宇宙論と現代音楽の関わりに関心が向きます。しかし現代音楽好きの方なら、タイトルなど無視してセット するのではないでしょうか?特に楽器(ピアノ)をいかに音を出すかとか、響かせるかといった方向性があるように思います。 タイトルを見ればわかるように、古典的な作風が生み出された時代の楽曲と違って、数字だけだったり無機質で科学的なタイトルが多いので、一体どんな作風(響き)?と思います。そしてなんといっても興味深いのは、私の住んでいる北半球ではなく、南半球の星空を描いているということです。まだ見ぬ南半球の星空を、作曲者の感性を通してどんな風に目の前に展開するのか、4枚という多作なところも楽しみです。 Jose Antonio Resende de Almeida Prado(1943-2010) 『カルタス・セレステス(CARTAS CELESTES)』 第1番:ピアノ独奏(1974) 第2番:ピアノ独奏(1981) 第3番:ピアノ独奏(1981) 第4番:ピアノ独奏(1981) 第5番:ピアノ独奏(1982) 第6番:ピアノ独奏(1982) 第7番:2台ピアノとシンフォニック・バンドのための 第8番:ヴァイオリンとオーケストラのための 第9番:ピアノ独奏(1999) 第10番:ピアノ独奏「神秘的な動物の星座」(2000) 第11番:ピアノ、マリンバとヴィブラフォンのための 第12番:ピアノ独奏「ニコラス・ローリックの空」(2000) 第13番:ピアノ独奏(2001) 第14番:ピアノ独奏(2001) 第15番:ピアノ独奏(2009) 第16番:ピアノ独奏「不思議な動物たち」(2010) 第17番:ピアノ独奏「エジプトとギリシアの星座」(2010) 第18番:ピアノ独奏「マクナイーマの星空」(2010) |
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CARTAS CELESTES VOL.4 |
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