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An Electronic Portrait Of Holst's THE PLANETS Patrik Gleeson, EUu Poliphonic Synthesizern. |
Patrik Gleeson/Keyboards |
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01. Mars, The Bringer Of War(07:03) 02. Venus, The Bringer Of Peace(07:37) 03. Mercury, The Winged Messenger(03:04) 04. Jupiter, The Bringer Of Jollity(08:20) 05. Saturn, The Bringer Of Old Age(09:34) 06. Uranus, The Magician(06:39) 07. Neptune, The Mystic(06:51) |
このアルバムの原題を「BEYOND THE SUN」と銘打ったホルストの「惑星」。冨田勲のレコードよりも早く、電子楽器による惑星に取りかかっていた米国のアーティスト、パトリック・グリースン。私にしてみれば「トミタの惑星」の方を先に聴いていたので、どうしても比較して聞いてしまいますが、どう贔屓目に見て(聴いて)もアレンジなど、トミタサウンドのユニークな音色には及ばないな、というのが第一印象でした。
冨田版の『惑星』は、オリジナルにあった副題が外され、オーケストラがイメージするローマ神話の神々の姿をひとまず脇に置いて、自由なアレンジを試みているところが斬新であり、これがアレンジというものを提示してくれているようでした。
どうしても冨田勲の比較してしまいますが、グリースンの惑星は、あくまでも原曲を忠実にシンセサイザーに置き換えて演奏しただけといった感じで、ホルストの遺言の呪縛から逃れることができなかったのかもしれません。ちょっと飽きてしまうかも。だったらオケを聴いていた方がいいや、なんてね。 当時のシンセサイザーという楽器性能を考えると、単色もやむを得ないのかもしれませんが、2012年にリ・イシューされた『月の光』には、ある音から口笛に変換させたり、鐘の音に変換させたりといった「裏話」を赤裸々に披露し、こうした努力と探求の賜物であったことを垣間見せてくれました。
グリースンのクラシカル作品は「惑星」とヴィヴァルディの「四季」の二作(もしかしたら本意ではないのかもしれません…)。日本で発売されたのは後者のみで、アメリカ盤と違って、いかにも日本人が好みそうなジャケットに差し替えられ(左の帯付きがそうですね)、さらに、当時のビクター色が色濃くでたジャケットでリリースされました。その帯には「DIGITAL デジタル to デジタル」というコトバが、これでもかー というぐらいに書き足され、そのデジタルな明るいジャケットと併せて、楽器(シンセサイザー)から直接ピュアなデジタルの音を聴くことが出来るというイメージを売りにしています。帯には「この低音が再生できるか」などと書かれていました。
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※2018年にヴィヴァルディが、2019年にホルストがCD化されました。さぞやリマスターとかリミックス化と思いきや、アナログをそのままダイレクトでレコーディングしたような音質です。しゃーしゃーというような、レコード針が溝をなぞっている音も聞こえて来ます。とてもクリアーな音、デジタルテープにトランスファーして… といった感じではないようです。とはいえ、今まで聴いていたアナログ盤より、ぜんぜん聴きやすいし、いままで聴き取れなかったような音まで入っているのがわかるので、まぁまぁ、よほどのマニア以外は手に取ることはないのかな?などと思えて来ます。
(2019/10/23更新)
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背景画像は「Adagio」と書かれていますが、「金星」の直筆譜です。
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