Giovanni Battista Viotti(1755-1824) |
イタリア、ヴェルチェリ島のフォンダネット・ダ・ポー生まれ。11歳の時トリノへ赴き、宮廷楽団のヴァイオリン奏者だったアントニオ・チェロニアトとガエターノ・プニャーニの門下でヴァイオリンを修めました。 1775年より1780年に掛けて、トリノの宮廷楽団でヴァイオリン奏者を務め、1780年から1781年に掛けてプニャーニと共にヨーロッパ各地を巡演。1782年、パリのコンセール・スピリチュエルに出演して絶賛を浴び、パリに居を定めました。 当初は公開演奏会が活動の中心でしたが、1784年からマリー・アントワネットの宮廷奏者、続いてスピーズ公の宮廷楽長を務めました。1788年には王弟プロヴァンス伯の支援を得て、オペラ・ブッファ用の劇場テアトル・ド・ムッシューを創作。また同じ頃弦楽四重奏のアカデミーを設立し、これは後のフランス国民学派の母胎になりました。しかし、幸福なパリ時代は、フランス革命によって破綻してしまいます。 1792年、ヴィオッティはロンドンへ逃れることを余儀なくされ、ヨハン・ペーター・ザロモンの演奏会やキングズ劇場で活躍するようになりました。しかし、ジャコバン党との関係を疑われ、1798年から1801年にかけてハンブルクに脱出しなければなりませんでした。ロンドンへ戻ってからは音楽活動から退き、ワインの販売などを手がけるものの失敗に終わってしまいます。この間1813年には、ロイヤル・フィルハーモニー協会の設立に加わっています。 1819年、王政復古によりルイ18世が即位すると、ヴィオッティはオペラ座ならびにイタリア劇場の監督に指名され、パリに戻ってきます。しかし仕事は順調ではなく、1821年には職を辞してロンドンに帰り、そこで世を去りました。 ヴァイオリンの名手であったヴィオッティは、18~19世紀のフランス・ベルギー・ヴァイオリン学派の祖と呼ばれています。弟子であったピエール・ロードをはじめ、彼の影響を受けたピエール・バイヨ、ルドルフ・クロイツェルの門下から、多くの優秀なヴァイオリン奏者が巣立ちました。この三人の弟子たちによる『ヴァイオリン教則本』(1803年出版)や、バイヨの『ヴァイオリン技法、新教則本』(1834年)は、ヴィオッティの教えによる影響が出ています。 作品はヴァイオリンのためのものが中心で、なかでも29曲のヴァイオリン協奏曲は、伝統的な演奏技法や名人芸的要素を残しながら古典派の作曲様式を取り入れ、ベートーヴェンなど後のこのジャンルに大きな影響を与えました。 初めてヴィオッティの作品に触れたのはTACTUSのアルバムでした。その解説によれば、ジュゼッペ・タルティーニ(1692-1770)亡き後、ニコロ・パガニーニ(1782-1840)が登場するまでの間、もっとも影響力があったヴァイオリニスト、兼作曲家であったそうです。私など、彼の存在を初めて知ったのがDuo Deschkaのアルバムでした。 |
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協奏的二重奏曲 第1番 ニ長調 G67 |
出版社によって作品番号が異なる「協奏的二重奏曲」は、1784年にパリで作曲され、1797年に出版されたときは作品25、1804年に出版されたときは作品9。「おっとり」とした雰囲気に始まって舞曲風の曲とまじり合いながら奏でられます。 |
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2つのヴァイオリンのためのセレナータ Op.23 |
DUO DESCHKAの二人によってレコーディングされたアルバムに収録されているセレナータの全曲。音源がダブってしまったのは残念なことではありますが、全貌が明らかになってメデタシメデタシ… |
Giovanni Battista Viotti(1755-1824) |
~1750年代生まれの作曲家~ |
Antonio Salieri(1750-1825) Muzio Clementi(1752-1832) Johann Anton Stamitz(1754- ? ) Wolfgang Amadeus Mozart(1756-1791) Ignace Pleyel(1757-1831) Alessandro Rolla(1757-1841) François Devienne (1759-1803) |
ヴィオッティが活動していた時代の天文の世界を覗いてみると、望遠鏡などの技術革新が起こったことが引き金となって、現代天文学を切り開く発見が数多くニュースになりました。特に音楽界と天文学の交差する出来事として、ミヒャエル・ハイドンの1つ年下の作曲家ウィリアム・ハーシェル(1738-1822)が趣味の中で発見した天王星の発見でしょう。 彼の世界、つまり音楽界はベートーヴェンが楽壇にデビューしてから新しい風が吹き荒れ、古典派からロマン派への架け橋が架けられることになります。それに感化された新鋭の作曲家も次々と登場しました。そして、天文学の世界でもおこった技術革新は、産業革命後の音楽界にも影響を与え、次々と新しい楽器、改良された楽器が生み出されました。 |
ヴィオッティについて
♪参考資料♪
クラシック作曲家辞典(監修:中川原理/フェニックス企画編)
クラシック作曲家大全(監修:ジョン・バロウズ、日本語監修:芳野靖夫/日東書院)
各CDの解説 etc.
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