Photo by Toshiharu Minagawa. |
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このアルバムに収録されているサウンドは、それまでのレーベルにはなかった新しいサウンド、1987年にリリースされた『SOUL OF THE MACHINE』を出発点に、このアルバムからソロ・アルバムが制作されていきました。フレッド・サイモンの『USUALLY/ALWAYS』は、一点の曇りもない明るくさわやかなサウンド。シンセサイザーにエレクトリック・ピアノを被せています。ウィンダム・ヒルからはオーボエのポール・マッキャンドレスが4曲(2、4、6、8)でゲスト参加していて、レーベルとしては初めて聴くサウンドなのに、やはりどこか親しみを感じさせます。ポールのソロアルバムや、マイケル・マンリングなどが好きなリスナーには愛聴盤になることは間違いありません。 フレッド・サイモンがウィンダム・ヒルに登場したのは、このアルバムがリリースされた前年(1987)に編まれたレーベル初の「エレクトリック・サウンド」として『SOUL OF THE MACHINE』というオムニバスでした。これは『ピアノ・サンプラー』と同じ趣旨によるもので、これからレーベルはアコースティックだけでなく、エレクトリック・サウンドも制作していくとアナウンスされたアルバムです。その中でフレッドは、すでにQuaver Recordsからリリースしているソロアルバム『TIME AND THE RIVER』の中から選曲しています。それは、今回のウィンダム・ヒルからリリースされたソロアルバムにも収録されました。 私は、このアルバムから、特にジャケットから影響を受けました。ちょっと見は二枚の風景写真が並んでいるように思えましたが、良く見るとある風景を二枚に分裂しただけのレイアウトです。「こんな表現の仕方もあるのか・・・」クレジットを見れば、当時のアッカーマン夫人だった アン・ロビンソンです。 |
01. Usually/Always 02. Nin 03. That Fall 04. (I Watched Her)Walk Away 05. Time And The River 06. A View Of You 08. Zola |
なお、フレッドは、このウィンダム・ヒルからはこのアルバムをリリースした後レーベルを離れてしまいましたが、2004年の『AMERICA』で久しぶりに登場。ボブ・ディランの“時代は変わる”をピアノソロで演奏してくれ、私を喜ばせてくれました。 |