ウィンダム・ヒルの掲示板

Photo by Toshiharu Minagawa.


WH1040
PIANO SAMPLER / Windham Hill Artists

Produced by William Ackerman and Dawn Atkinson.
Engineered by Howard Johnston.

Windham Hill Records, 1985



01.In Flight
Michael Harrison

02.Amy's Song
Peggy Stern

03. Lou Ann
Philip Aaberg

04. A Morning With The Roses
Richard Dworsky

05. In This Small Spot
Tim Story

06. Out To Play
Paul Dondero

07. Listening To Evening
Allaudin Mathieu

08. Messenger Of The Son
Cyrille Verdeaux

09. Consolation
Rick Peller


 ウィンダム・ヒルが、次に送り出すアーティストたちの紹介ということで企画された作品集で、白いジャケットにお決まりの風景写真ではなくスタインウェイのクローズアップ(このうち、実際にスタインウェイを弾いているのは、3曲)タイトルどおりサンプル盤的意味合いが濃い一枚です。アナログはピアノの写真が3枚使われていますが、CDのジャケットでは2枚に変更されています。こうしたレイアウトの違いは、ファンのコレクター心をくすぐります… このアルバムが編まれた時点で、レーベルデビューが決まっていた(あるいはすでにデビューしていた)のはフィリップ・アーバーグと、ティム・ストーリー、そしてアラディン・マシュー。

 なんとも不思議なのが、ピアノという同一の楽器(機種は異なりますが)を弾いているのに、それぞれの個性が、私のような素人にもわかり、それぞれが独立して響いて聴こえるのです。へんな言い方をすると、統一感がないということでしょうか。かといってレーベルのイメージはまったく損なわれていないし、ウィンダム・ヒル以外のなにものでもないのです。まさに、味も素っ気もない“Piano Sampler”というタイトルですが的を得ています。

 ウィンダム・ヒルの面白いところに、たとえば同じアーティストなのに、違うレーベルからリリースしているというだけで、雰囲気が異なって聴こえてくることがあります。パッケージが変わるだけで、こうも印象が異なって聴こえてくるのは、音楽と映像(風景)を融合させようという、初期のコンセプトがリスナーの間にも、深い部分で残っているからでしょうか。
 そのためなのか、日本での1stプレスはオリジナルに忠実でしたが、販売元が変わってからジャケットを日本オリジナルに差し替えて、なんともウィンダム・ヒルらしいジャケットでリリースされました。アッカーマンが「日本人のほうが、より深いところでウィンダム・ヒルを理解しているようだ」と言うコメントを残していますが、そのひとつが、このジャケットにも現れて、嬉しく思います。

  このアルバムの姉妹作【GUITAR SAMPLER】も同様にジャケットが差し替えられていますが、日本人のセンスのよさに惚れ惚れしたシリーズでした。



〜Discography〜
PIANO SAMPLER (1985)
GUITAR SAMPLER (1985)
PIANO SAMPLER II (1994)
SONGS WITHOUT WORDS (1997)
GUITAR SAMPLER II (2001)
SONGS WITHOUT WORDS II (2002)






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