ウィンダム・ヒルの掲示板

ピアノコレクション(Piano Sampler)
 ウィンダム・ヒル・レーベルはソロ・アルバム以外に、季節モノといった企画盤、いわゆる複数アーティストたちによるコンピレーションが数多くリリースされています。しかし既存のベスト盤といったものではなく、そのオムニバスのために新たに書き下ろされた楽曲が多く、ファンを楽しませてくれます。しかもこれまでに知ることのなかったアーティストの作品を聴くことができ、個人的にはこの企画盤によって音楽の趣向が広がったといっても過言ではありません。ピアノという楽器でも、弾くアーティストが変われば表情もまた変化するということを強く印象付けてくれました。もっともウィンダム・ヒルらしいアルバムと言えるかもしれません。

また、日本独自の企画として『ピアノセレクション I & II』がリリースされ、それをまとめた楽譜も出版されました。

 

PIANO SAMPLER(1985)
01. In Flight / Michael Harrison
02. Amy's Song / Peggy Stern
03. Lou Ann / Philip Aaberg
04. A Morning With The Roses / Richard Dworsky
05. In This Small Spot / Tim Story
06. Out To Play / Paul Dondero
07. Listening To Evening / Allaudin Mathieu
08. Messanger Of The Son / Cyrille Verdeaux
09. Consolation / Rick Peller
Produced by William Ackerman.


 1985年にリリースされたピアノ・コレクション。この中にはまだ無名だったフィリップ・アーバーグの名前があり、中には大ベテランのウィリアム・アラジン・マシューの名前もクレジットされ、レーベルの人脈の深さを物語っているようです。およそ10年後にパート2がリリースされ、それに併せて日本盤ではジャケットが差し替えられましたが、日本人が持つレーベルのイメージをかもし出しています。この頃の担当者はセンスが良かった。





PIANO SAMPLER II(1994)
01. Playground / Henry Adam Curtis
02. Along The Salmon / Bob Leon
03. As For Us / Fernando Ortega
04. The Sad Balconies Of Heaven / Mark Darnell
05. Easy Access / Liz Story
06. Children's Song / Oystein Sevag
07. Deep Water Gospel / W.A. Mathieu
08. Don't Stop Now / Philip Aaberg
09. For The Asking / John R. Burr
10. Through The Wind / Danny Wright
11. Thousand Pieces Of Gold / Gary Remal Malkin
12. Fortune Smiles / Barbara Higbie
13. My Mother's Voice / Triona Ni Dhomhnaill
14. We Met Today / Jim Brickman



 コレクションの第二弾で、結局日本ではオリジナルジャケットでの発売はなく、当初から「レーベルらしい」ジャケットでリリースされました。個人的には久しぶりにショックを受けたジャケットです。今回はレーベルのお馴染みアーティストが多く、全くの新人を紹介していた1stと比べると落ち着きのある印象を受けます。個人的なお気に入りは6の“Children's Song”




SONGS WITHOUT WORDS(1997)
01. Water Fountain / David Foster
02. The Stone Quilt / Desmond Child
03. Major Dreams, Minor Lies / Devid Benoit
04. Songs Without Words / Eric Bazilian
05. A Hollywood Nocturne / John Corey
06. Miracles / Walter Afanasieff
07. Garbo Redux / Bob James
08. Everything I Do (I Do It For You) / Michael Kamen
09. If You Aked Me To / Diane Warren
10. Generations / Jim Brickman
11. Not Like This / Jeremy Lubbock
12. This Isn't Love / Brian Wilson
13. What Can You Lose / Stephen Sondheim
14. Life Is A Circle / Michael Whalen
15. Cousin Stu / Jeff Lorber
16. Blue Modal Morning Alive / Carole King


 なんとなんと凄い顔ぶれ!ポピュラー界の、しかもほとんどが世界的なヒット曲を送り出した作曲家としての顔をもつ裏方ばかりがズラリと並んでいます。
  個人的に興味深く耳を傾けたのはデズモンド・チャイルド(2)とダイアン・ウォーレン(9)です。ポピュラーとして聞き慣れた曲のデモトラックを聴いているような、とてもプライベートな演奏を聴いているようで、いままでのウィンダム・ヒルとはまた違ったイメージがふくらみ、非常に面白く聴けました。(レビュー





PORTRAITS FOR PIANO(1999)
01. Dubuque / George Winston
02. Wedding Rain / Liz Story
03. If You Believe / Jim Brickman
04. Children's Song / Oystein Sevag
05. As For Us / Fernando Ortega
06. In Flight / Michael Harrison
07. Inside Out / Liz Story
08. Rocket To The Moon / Jim Brickman
09. To The Well / W.A. Mathieu
10. Past Voices / Taylor Eigsti
11. A Morning With The Roses / Richard Dworsky
12. Loreta And Desiree's Bouquet - Part 1 / George Winston
13. Montana Half-Light / Philip Aaberg



 な、なんとSACDとして編集されたベスト盤です。もともと高音質で知られるレーベルですので、そのままのフォーマットでも十分だと思うのですが、「上には上が」なのでしょう。ただし、曲目が地味。どうせなら、既にリリースしているアルバムをSACD化してくれれば良いのに、と思います。そうしたら、全作品して欲しいなぁ。




WINDOWS(2001)
01. Dubuque / George Winston
02. Wedding Rain / Liz Story
03. If You Believe / Jim Brickman
04. Children's Song / Oystein Sevag
05. As For Us / Fernando Ortega
06. In Flight / Michael Harrison
07. Inside Out / Liz Story
08. Rocket To The Moon / Jim Brickman
09. To The Well / W.A. Mathieu
10. Past Voices / Taylor Eigsti
11. A Morning With The Roses / Richard Dworsky
12. Loreta And Desiree's Bouquet - Part 1 / George Winston
13. Montana Half-Light / Philip Aaberg



 ウィンダム・ヒル発足25年を記念して編まれたピアノ作品のベスト盤。他にギターだけを選曲した【TOUCH】もあり、区切りごとにベストをリリースするレーベルらしいジャケットに目を奪われます。ただし、曲目に新曲など無いのが難点でしょうか。




SONGS WITHOUT WORDS II(2002)
01.Glory / David Benoit & Jim Brickman
02. Charlie Riley / Barbara Higbie
03. Something About Us / Margie Adams
04. Past Voices / Taylor Eigsti
05. You're Not Alone / Brian Culbertson
06. The Rising Moon / Paul Sullivan
07. Days Like These / Janis Ian
08. October Moon / Michael Gore
09. To Love Again / Alan Pasqua
10. Hidden Heart / Michael Feinstein
11. Beauty Of Her Soul / Zade


 前作はレーベルとしては意表をついた人選に、非常に興味深く聴き入ることができましたが、今回はちょっと二番煎じ的になってしまった感は拭えません。送り手としての“ウリ”が感じられないからです。それを補うつもりか、オープニングでは人気ピアニストの共演で幕が落とされています。ただし、そのあとは(私が知らないだけなんでしょうけど)ちょっとマイナー気味。ただし、最後に収録されているZadeというピアニストは、アッカーマンが見つけた逸材なのでしょう。ウィルがプロデュースしているあたり、その心意気が伺え、今後が楽しみなアーティストで幕は下りました。


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