ウィンダム・ヒルの掲示板

Photo by Toshiharu Minagawa.


WH-1039
COUNTRY / Windham Hill Artists
Produced by William Ackerman

 

Windham Hill Records, 1984


01.Home
George Winston ; Piano

02.Aftermath
Michael Boddicker ; Synthesizer / Bob DiVall ; flugelhorn

03.Sunday
George Winston ; Piano / Darol Anger ; Violin / Mike Marshall ; Guitar, Mandlin

04.Country Night
George Winston ; Piano

05.Chants
Mark Isham ; Piano, Flugelhorn, Trumpet, Synthesizer
Michael Boddicker ; Synthesizer

06.Winter Mantra
George Winston ; Piano
Darol Anger ; Violin / Mike Marshall ; Guitar, Mandlin / Steve Schaeffer; Percussion

07.Parting Friends
Darol Anger ; Violin
Mike Marshall ; Guitar, Mandlin / George Winston ; Piano / Bob DiVall ; flugelhorn

08.Iowa Chill
George Winston ; Piano / Darol Anger ; Violin / Mike Marshall ; Guitar, Mandlin

09.Harvest Field
George Winston ; Piano

10.Hymn
George Winston ; Piano

11.Auction
Bob DiVall ; flugelhorn / Steve Schaeffer; Percussion

12.Homecoming
George Winston ; Piano

13.Epilogue and Hymn
Bob DiVall ; flugelhorn / Steve Schaeffer; Percussion / George Winston ; Piano


 今回紹介するアルバムは、邦題に『アイオアの大地に』のサントラです。しかし、日本では公開されることもなく、また2007年現在、映画のDVDも日本語盤はリリースされていません。主演にジェシカ・ラング、サム・シェパードといった名優がしぶ〜い演技を繰り広げた社会派で、当時のアメリカはライヴ・エイドに触発され、ファームエイドなるアメリカの農家を救う運動がボブ・ディランとウィリー・ネルソンによって立ち上げられて、社会的にも音楽的にも注目を浴びることになりました。この映画では、それよりも前に、アメリカが抱える深刻な農業問題を取り上げています。監督は『ウッドストック』のリチャード・ピアーズ。

 このアルバムにはウィンダム・ヒルからジャケットにクレジットされている4人のアーティストが参加しています。ジョージ・ウィンストン、ダロール・アンガー、マイク・マーシャル、そしてマーク・アイシャム。

 ジョージは4曲のピアノ・ソロと、1985年に【CHIAROSCURO】のデュオ・アルバムを制作することになるダロール・アンガー&マイク・マーシャルとトリオで3曲レオーディングしています。1982年の【DECEMBER】以来、音沙汰のなかった彼の新録が聴けるとあって、ファンにとって嬉しいサントラになりました(ニューアルバムは1991までリリースされない…)。ただし、ここでレコーディングされている楽曲はウィンダム・ヒルのアーティストたちのオリジナル作品ではなく、この映画音楽を担当しているチャールズ・グロスのペンによるものを演奏しています(を除く)。

 ジョージのソロ(1、4、10、12)にいたっては4曲とも“Thanksgiving”の変奏曲や、その続編を聴いているようで、主役が映画だから、スクリーンを見ながらだと、なんら問題ないのかもしれませんが、ファンとしてはもっと様々なタイプの曲を聴きたいなぁ、と贅沢を言ってみたくなります。
 とはいえ、作曲家はジョージのスタイルを良く理解しているとみえ、いかにもジョージが書きそうな曲を提供しています。本人も“Thanksgiving”に関して1982年のアルバムの中で、「アイオアの人々にインスパイアされて」とコメントを寄せていますが、チャールズもそれを意識していたのかもしれません。
 この4曲は、いずれも美しい曲ばかり。ジョージのアルバムには収められたことがないので、未聴のファンには、ぜひとも聴いてもらいたいと思います。

 ジョージ、ダロール&マイクのトリオの演奏では、映画音楽らしく味付けでオーケストラの音も入っていますが、それぞれのソロの個性を生かした佳曲です。“Iowa Chill”では、ミュート奏法が聴かれます。コンサートでは多用していますが、レコーディングとなると珍しく、『FOREST』の“からまつ”他、数曲しかありません。このトリオによるレコーディングは3、6、7、8の4曲。そのうちの“Sunday”がイタリアのスケーターの公式プログラム曲に使われています。2005-2006シーズンでの選曲だったようですが、2006-2007シーズンの曲がジョージの“Variations On The kanon”だったので、調べてみたら過去に“Sunday”を使っていたことがクレジットされていました。