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今回紹介するアルバムは、邦題に『アイオアの大地に』のサントラです。しかし、日本では公開されることもなく、また2007年現在、映画のDVDも日本語盤はリリースされていません。主演にジェシカ・ラング、サム・シェパードといった名優がしぶ〜い演技を繰り広げた社会派で、当時のアメリカはライヴ・エイドに触発され、ファームエイドなるアメリカの農家を救う運動がボブ・ディランとウィリー・ネルソンによって立ち上げられて、社会的にも音楽的にも注目を浴びることになりました。この映画では、それよりも前に、アメリカが抱える深刻な農業問題を取り上げています。監督は『ウッドストック』のリチャード・ピアーズ。 このアルバムにはウィンダム・ヒルからジャケットにクレジットされている4人のアーティストが参加しています。ジョージ・ウィンストン、ダロール・アンガー、マイク・マーシャル、そしてマーク・アイシャム。 ジョージは4曲のピアノ・ソロと、1985年に【CHIAROSCURO】のデュオ・アルバムを制作することになるダロール・アンガー&マイク・マーシャルとトリオで3曲レオーディングしています。1982年の【DECEMBER】以来、音沙汰のなかった彼の新録が聴けるとあって、ファンにとって嬉しいサントラになりました(ニューアルバムは1991までリリースされない…)。ただし、ここでレコーディングされている楽曲はウィンダム・ヒルのアーティストたちのオリジナル作品ではなく、この映画音楽を担当しているチャールズ・グロスのペンによるものを演奏しています(を除く)。 |
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ジョージのソロ(1、4、10、12)にいたっては4曲とも“Thanksgiving”の変奏曲や、その続編を聴いているようで、主役が映画だから、スクリーンを見ながらだと、なんら問題ないのかもしれませんが、ファンとしてはもっと様々なタイプの曲を聴きたいなぁ、と贅沢を言ってみたくなります。 ジョージ、ダロール&マイクのトリオの演奏では、映画音楽らしく味付けでオーケストラの音も入っていますが、それぞれのソロの個性を生かした佳曲です。“Iowa Chill”では、ミュート奏法が聴かれます。コンサートでは多用していますが、レコーディングとなると珍しく、『FOREST』の“からまつ”他、数曲しかありません。このトリオによるレコーディングは3、6、7、8の4曲。そのうちの“Sunday”がイタリアのスケーターの公式プログラム曲に使われています。2005-2006シーズンでの選曲だったようですが、2006-2007シーズンの曲がジョージの“Variations On The kanon”だったので、調べてみたら過去に“Sunday”を使っていたことがクレジットされていました。 |
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